コメディ・ライト小説(新)
- 第七話〜実編〜 ( No.10 )
- 日時: 2023/01/22 18:45
- 名前: 黒猫夜空 (ID: O.mDLNUw)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「実、ついでに綾の分のご飯も入れてちょうだい。」
お母さんが綾の、ピンクのウサギ柄のお茶碗を俺に渡してくる。
「ん。」
俺は返事をしたが、どことなく口にする言葉ひとつひとつに元気の無さが込められているようだ。
「お兄ちゃーん、なにボーッとしてるの?」
と綾が俺にせがんでくる。
「なんでもない。」
「ハハーン、彼女にフラれたの?」
意味ありげに目をきらつかせて綾が聞いてくる。
「は?なに言ってんの?」
わけわからないように言ったつもりだが、失敗だったみたいだ。
顔がほてっているのが自分でもわかる。そもそも彼女でもないけど。
綾は5歳のくせに、彼女だとかデートだとかいう余計なことばっかり知っている。幼稚園の友達に、年が大きく離れたお姉さんがいるのが原因だそうだ。それは俺にとっては迷惑だ。
「おーい、実。スマホ鳴ってるぞ。」
二階にいるお父さんが、俺を呼ぶ。
マズい、早く行かないと勝手に見られることになる。
久連梨さんとLINEを繋いでいることは親には秘密だ。
だからこそ、バレたらいけないのだ。
俺はさっさとご飯をお茶碗に入れて二階へとあがった。
(久連梨さんかな。)
と、淡い期待をしながらも履歴を見た。
ついでにSNSのことも聞きたかったのだ。
亮太&実ダブルチャット 1分前
亮太さんがコメントをしました。
えっ。亮太?なんだろう。
震える手でポチッと枠をタップした。
今日、久連梨さんに告白するから。
え?俺は一瞬固まって頭が真っ白になった。
夢じゃないかと何度も疑い、肌をつねった。痛かった。
何度も何度も文章を読み返した。文章は変わらない。
え?久連梨さんって亮太のこと好きなんじゃ…でも待てよ。
俺のただの予想だ。亮太じゃないかもしれない。
でも…亮太の可能性は高い。
俺は汗が流れる手で、LINEを返信した。
どういうこと?
すぐ後に返信が来た。
どういうことって…。
久連梨さんに告白するっていうことだよ?
待って待って嘘だ。
もしこれが成功したら?俺の今日の告白予定は大失敗になる。
俺はショックで、不登校になるかもしれない。
お前、久連梨さんが好きだったのか?
亮太からの返信はまだこない。アイツ…。
⇒八話へ続きます!次回は新目線ストーリー誕生!亮太編!