コメディ・ライト小説(新)

黒雪姫ものがたり#10「ガラガラヘビ酒」 ( No.12 )
日時: 2023/03/13 17:19
名前: 鏡花 (ID: xJUVU4Zw)

黒雪姫ものがたり#10「ガラガラヘビ酒」

「「「「いっただっきまーす!!!!!亅亅亅亅

黒雪姫さんたちは、ガツガツと夜ご飯を食べ始めた。
しかし……。
わたしは、手を合わせて口を「い」の字に開けたままかたまる。

「?穂村、食べねえの?」

「…いや、これを食べられる人っているの……?」

「豪華すぎて引いてんのか。」

瀬央くんがこちらを向いて首をかしげた。
そんな瀬央くんは、コップから細長いヘビ…?みたいなものがとびだした、赤い液体をイッキに飲み干した。
…うぇぇっ……。見てるだけで吐き気がこみ上げてくる…。

あっ、他の食べ物たちはご想像におまかせシマス…。

「わぁっ、さっそくガラガラヘビ酒に目をつけるなんて、みらのんいいじゃん!」

「ガラガラヘビ酒ぇ!?亅

え、何がいいじゃんなの!?
ガラガラヘビがまるごと入ったお酒!キッッッッモちワルぅぅぅ!
瀬央くんが、おそらく未成年なのに飲んでいることは…あえてツッコまないほうがいいね。

「はいどうぞ、未来乃ちゃん。」

「やめて近づかないでっ!」

目を細めてキメ顔的なものをしていた梨久くんから、がガガガーン!と効果音が聴こえた気がした。

「みんな、未来乃は日本人だからね。ガラガラヘビとか食べないのよ。」

「「「へぇ!?亅亅亅

3人の声がきれいに重なった。
梨久くんが例のお酒を自分の方に引き寄せる。
ああぁーーありがとうございますっ黒雪姫さま…。

「だからね……。」

わたしの前に、黒い液体が置かれた。
…うん。イヤな予感がするぞ。

「豚の血をベースにした牛n」

「いやァァァっ!!」

聞きたくないっ!私は何も聞いていない!

「そんなの日本でも食べませんよ!?ちょ、早くしまってください!」

「ん?あれ、『古代日本』っていう本に書いてあったわよ?」

「今、現代ですから!」

横で、なにそれ美味しそう!と目を輝かせているなのはちゃんに素早くわたす。

「でもさ、それじゃあ穂村何も食べられなくね?」

「そういうもの食べるくらいなら、わたしは何もいりません…。」

「ふょぇ!ふぃふぁのふぁん、しんひゃうほ。」

「飲み込んでからしゃべってっ!」

梨久くんが今食べているもの…、うん、口に出したくない。
梨久くんのとなりには、黒い液体を幸せそうにすするなのはちゃん。
こういう人にはなりたくないんだよ、わたし。

「なんか、米とかありません?キャベツとニンジンとか、トマト。」

「……ヘ?」

黒雪姫さんたちが顔を見合わせた。
なのはちゃんは、みらのん強いんだねーと謎の言葉をかけてくる。ヘ?
どゆこと?

「穂村、今日の夕飯は食べなくても大丈夫か?」

「それは大丈夫だけど…。」

確かランドセルに、給食で残したパンが入っているはず。

「じゃあ、明日はみんなでキャベツと戦闘だーーー!」

「「「お~~~!」」」

………え、戦闘?