コメディ・ライト小説(新)
- プロローグ サリー編2 ( No.7 )
- 日時: 2023/03/22 17:21
- 名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)
男の子「なんで僕に何もしなかったんですか?差別を受けさせている奴の子供かもしれないのに」
男の子はさも当たり前のようにそういった。
だけど、違うんだ。
私は、仲間が欲しかっただけなんだ。
君は違うと思ったんだ。
だけど…本当の事は言えない。
もし、あの国の人たちに見られていたら、この子にも危害が加わる。
私はすぐに真顔になり、ハッっとしたふりをした。
サリー「確かに…」
私は何も考えていなかった。
何も考えていなかったんだ。
それでいいんだ。
私は………………
私はこの男の子に色々なことを教えた代わりに、この子自身の事を聞いてみた。
そしてこの子が記憶喪失であることを知った。
あぁ、この子は私に似ている、そう思った。
そんなことを考えていると、私は自分の名前をいまだに言っていなかったことに気づいた。
サリー「あ!そうだ!私の名前をまだ言ってなかったね!私の名前はサリー・ノエド!サリーって呼んでね」
私は軽い自己紹介と共に私の家に招きこの子を保護することを決めた。
サリー「ねぇ!私の家に来ない?いきなりで怖いかもしれないけど…」
とにかくこの子はこの国でもあの国でも危ない。
私はこの子を守ろうと必死だったんだ。
だから、気づかなかったんだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
サリーよりも数百メートル後ろではこんなことが起こっていた。
??「…こちらA班、殺害対象と同じ我々とエルフのハーフを保護しようとしているようです」
黒いフードを被った、何者かが、小型の何かに向かってささやく。
すると、小型の何かから少し怒ったような声で返答される。
??「馬鹿野郎…なんでまだ殺してないんだ…?その小さい街くらい消えても問題ないだろう?…いざとなったら連絡しろ、小型戦闘機をそちらに向かわせる…」
黒フードのそいつは、変わらない声で、
??「はい、すいませんでした」
??「では、今日の夜明けにお願いします」
??「おう、わかった」
黒フードは一息つくとサリーの後ろ姿をじっと見つめ、静かな声でこう言った。
??「…せいぜい親を怨むんだな」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
サリー「じゃっじゃーん!!ここが私の家!」
いつも軽蔑のまなざしを向ける街の人々の視線がこちらに向く。
人々は驚き、不思議、不安などが入り混じった微妙な表情をし、男の子のほうをじっと見る。
しかし男の子はそれには気づいていないようだった。
私はなるべく、男の子に悟られないよう、ふるまう。
サリー「どう?いいでしょ?」
男の子は少し真顔になってから笑顔で、
男の子「い、いいと思います…」
いった。
この子も私と同じ感性を持っているんだ、と思いとてもうれしかった。
この後は…なに……し…よ……………か――――――――――――――――――――
サリー「あ、あぁ…?」
今まで何を思い出していたのだろうか?
すると湿ったような何かが私の口をつたう。
血だった。
なぜこんなに、苦しいのだろう。
なんでだろう。
街の人たちはなぜ私をいじめるのだろう。
私が何をしたの?
あの子が何をしたの?
あぁ、あぁ、あぁ
遠くであの子の叫ぶ声が聞こえる。
あ、
行っちゃう。
あの子が行ってしまう。
サリー「…いか…ない…で…」
あの子の笑い声で、私は一瞬気を失ったようだ。
そして私の前には炎が広がる。
あぁ終わる、あの子の人生が私の所為で。
それだけは絶対にさせてはいけない。
そう思い私は床に落ちている割れた通信機まではいつくばって向かう。
サリー「はぁ、はぁ…」
何回も意識が飛びそうになる、そのたびに私は自分の爪をはがし、その痛みで意識を保つ。
割れた通信機の前に行くと、私は最後の力を振り絞り、叫んだ。
サリー「ルソア、此処へきて、男の子を助け―――――」
ブワァ!
そのセリフを言う前に火柱が私を襲った。
そこで私は――
プロローグ サリー編2 最後まで