コメディ・ライト小説(新)
- 特別話 〇〇〇〇編1 ( No.9 )
- 日時: 2023/04/16 15:04
- 名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)
??「ウィーヒックッ…」
俺は酒が好きだ。
飲んでいる間だけ俺の事を忘れてられるから。
マスター「ちょっと~飲み過ぎですよ~英雄(????)さん~!」
居酒屋のマスターは言う。
英雄、か。
そうだ英雄なんだ俺は、ただそれだけだ。
俺自体は空っぽなんだ。
ただチョウオオトリを追い払っただけで英雄ね。
笑えてくるぜ。
そう思った俺は金をドンと出し、ビールをまた大量に頼む。
マスター「はいはい、マルクド様のためになん樽も用意してますよぉ!」
この町の英雄だとかこの年で言われるのは流石にキツイな。
マルクド「フゥー……飲んだ飲んだ……」
そう言いながら俺は自分の少なくなった髪を触る。
これはいわば俺の癖みたいなもんなんだが、自分でも絵面が気持ち悪いと思ってる。
そんなことを考えていた時だった。
兵「マルクド様ぁ!マルクド様ぁ!!」
急に後ろから俺を呼ぶ声が聞こえた。
俺は声の方へ振り返ると、低い声で言う。
マルクド「何だ?」
兵「ルピフォ様がおよびです!」
ルピフォ、この国の王であり、世界最強と言われる奇術を持つ人だ。
俺とルピフォは幼馴染で中は良いのだが、あいつが俺を呼ぶときはたいてい良いことがない。
だからなるべく距離を取っている、のにだ。
何で呼んでくるかなぁ……めんどくさいんだよなぁ。
とにかく俺は兵に礼を言うと、ダッシュでルピフォのもとへと向かった。
――――――――――――――――――――
ルピフォ「これ、マルクドよ」
マルクド「はい、ルピフォ様」
ルピフォは一呼吸を置くと俺の目を見ていい放った。
ルピフォ「お前は今日危険かもしれん」
マルクド「はい?何でですか?」
思わず即答で聞き返してしまう。
ルピフォの意味の分からないことを言うな、ルピフォは。
ルピフォ「お前は今日の運勢が最悪らしい、だから自粛してほしいんだ」
いまだに占い何て信じてるのかよ、馬鹿馬鹿しい。
まぁでもうなづくしかないよな。
マルクド「……わかりました」
マルクド「はぁ~……めんどくせぇなぁ……」
俺は城を出てからずっとそんなことを言ってる。
もう今日は酒を飲めねぇなんてどんな拷問だ。
本当に意味が分からねぇよなぁ。
その時だった。
風も吹いてないのにある場所で砂煙が立った。
マルクド「…なんだ?」
そこには見たことがあるような顔ぶれの兎が立っていた。
アイツは……この街の救世主リトロか?
俺は奇術を使用し、リトロの後ろに回った。
マルクド「お前は……リトロか?」
するとリトロは何ともないような顔でこちらを見て言う。
ビット「あぁ僕の昔の名前ね」
リトロ、あいつは俺とは違い色んなものを持っている。
年齢、強さ、器……その量は数え知れない。
だから俺はどこかでリトロの事を嫉妬していたのかもしれん。
だから……
特別話(1) マルクド編 実は酒豪
次回へ続く…