コメディ・ライト小説(新)

Re: 孤独な私と使い魔の沖田くん。 ( No.3 )
日時: 2023/05/26 11:10
名前: オタクちゃん ◆garYubfI0Y (ID: OxFItNy1)

【第2話】

「バンッ、バンッ」
という叩く音が響き渡り、黒板を消していた文音は身を後方を振り向いた。
その音の正体は、優里亜が黒板消しを叩き合わせていた音であった。
「うわっ」
と、舞い上がった粉が顔面に飛び散ると、文音は顔をしかめた。
それを見て、優里亜たちはキャッキャッウフフと騒ぎ立てた。
この頃、自分が敵視されていると感じることが度々ある。
また嫌な気分に陥ってしまった。
不安感にかられながら、文音は深いため息をついた。
このままでは、自分が壊れそうな気がしていた。

そんな様子を遠くから見ていた瑛翔は、優里亜たちの様子に、何か引っかかるものを感じた。
取っかかりをつかめ。
奴らの本性を暴きだせ。
傍観者になるな。
文音の腕を引っ張ることのできる人になれ。
今まで学校生活でいじめを防ぐため、散々言われてきたことを思い出した。
学級委員長として、幼なじみとして、瑛翔は文音を助けるための方法を模索していた。
「待ってて、文音。絶対、助けるから」
と瑛翔は心の中で決意すると、自分自身に向き合い、精神的な強さを養った。
大切な幼なじみのために、自分の力を使い切るつもりであった。

「おい、優里亜」
「委員長じゃん。なんか用?」
「お前、なにをする気だ」
「別になんにも。ただ黒板消しパンパンやってただけ」
冷静を保つ優里亜に瑛翔は軽い動揺を感じ始めていた。
彼女は一見すると優等生のように見えるが、実際にはいじめの加害者であった。
それも、徐々に心を蝕んでいく頭を使ったいじめの。
受験して入った名門校である。
いじめも一筋縄では解決できない、深刻なものだった。
たとえ、自分が立ち向かう相手がどれだけ強力だろうと。
文音を守るためには屈しない覚悟でいた。