PR
コメディ・ライト小説(新)
- 異世界転生のフラグをへし折る物語 ( No.1 )
- 日時: 2023/05/02 22:02
- 名前: Riaゆく (ID: MRwb6zkQ)
その日、俺は家出をした。
目的なんてない。
ただただ親から離れたかった。
たったそれだけの理由で、俺は家を出た。
迂闊だった。
家を出て半日ほど経過したが、俺は未だにろくな飯も食べずに街中を彷徨っていた。
普段からあまり運動する方ではなかったため、体力ももう限界に近い。
近くには飲食店らしきものもなければコンビニさえなかったため、俺はバスに乗って駅まで移動することにした。
幸いにも、俺は昔から貯金をする方だったため、1週間程度なら金には困らないだろう。
そうして俺が食料を求め、バスに乗ること数十分。
呆然と窓の外を眺めていた俺は、その出来事にとっさに反応することができなかった。
突如、俺の体はまるで重力なんてなかったかのように舞い上がった。
それと同時に、俺の体に強い衝撃が加わる。
その衝撃の正体を探るべく周りを見渡した俺が目にしたのは…
完全に歪み、大きな穴の開いたバスと、その後に突き刺さった1台のトラックだった。
あっけにとられていた俺は、自身が空中にいることを忘れ、そのまま頭から床に落下してしまった。
俺の意識はすでに朦朧としていた。
俺が生を諦め、瞼を閉じようとしたその時。
俺の体を淡い光が覆っていることに気がついた。
俺は異世界転生でもするのだろうか。
そんな幻想を抱きながら、俺の意識は落ちていった。
目が覚めるとそこは…。
見知らぬ世界…ではなく、見知った俺の部屋だった。
PR