コメディ・ライト小説(新)

Re: 桜と雪の下の新選組~隊士たちの誠~ ( No.2 )
日時: 2023/05/26 03:10
名前: オタクちゃん ◆garYubfI0Y (ID: xlcSC1ua)

《第1章 桜の舞う季節・試衛館時代》
【第1話】

「歳さんったら、もう…。刀で斬るんじゃない、体で斬るんですよ…!」

道場で、沖田と土方が剣道の稽古をしている。
勝負は毎回沖田の勝ちで、土方はその強さに動揺してしまう。
沖田はケラケラと笑い、土方の様子を見て更に笑いを堪えきれなくなった。
「お前、なんで笑っている」
土方は怒りにも似た感情を抑えて問いかけた。
この沖田という青年は自分に親しい人物が困ったりしている様子を見ると、面白がる癖がある。
「だって……。なんか面白いからなぁ…」
「そんな癖は良くない、沖田。性格が悪くなるぞ」
土方は厳しい口調で言った。
「えぇー」
と沖田は子供のように拗ねた。

遠くからこの光景見ていたのは近藤勇こんどういさみ山南敬助やまなみけいすけ
山南は沖田の強さに震え上がり、
「いやぁ、いつ沖田と対戦するのか考えると恐ろしいです」
と口にした。
「しかし、なぜあれほどにも強いのか」
と近藤は考え込む。
ビシバシと剣術を叩き込んだつもりではあったが、沖田の強さには全く予想外だった。
「もし戦で敵が沖田と戦ったら、敵は一発でやられるでしょうね」
山南はため息をついた。

「あれ、山南さんと近藤さんじゃないですか」
遠くを指さして沖田が土方に言った。
「本当だな」
慌てて山南と近藤は沖田の強さに怯え、影に身を隠した。
「山南さんも近藤さんも隠れてないで出てくれば良いのに…」
と沖田はつぶやく。
沖田はどうも悲しいらしい。
土方はついに結論を出した。
「お前が強すぎるみたいだな」
と。