コメディ・ライト小説(新)

Re: ファイティン・ラブ!~彼氏は推しでした~ ( No.14 )
日時: 2023/09/18 10:37
名前: このか ◆XqDKo6W48k (ID: 3p1tWxjm)

《第14話》

調理実習の授業で大好物の伊達巻を作っていると、隣のグループから話しかけられた。
先程話した熊野さんもいる。

「伊達巻、好きなの?」
爽やかタイプの好青年は言った。
「う、うん」
熊野さんが好青年の肘をつついた。
「自己紹介、しなくていいの?」
「あ、そうだね」
と好青年はまた爽やかな笑みを浮かべた。
その姿がまるで漫画のようで、驚きを隠せなかった。
「俺、三浦晴樹。男子バレー部です」
「三浦くんは学級副委員長なんだよ」

なんか三浦さんが委員長みたいだな…。
「ちなみに部活はどこ行くか、考えてる?」
「えっと…まだ決まってなくて」
「そうなんだ。前の高校では部活入ってたの?」
「一応、新聞部に」
「なるほどね~。伊達くんは背が高いからバレー部に来てほしいなぁ」
「うわ、さりげなく勧誘してる……」
と熊野さんが眉をひそめた。
なんだかんだでこのクラスの空気、嫌いじゃないかもしれない。

お昼休憩の時間になり、俺は部活パンフレットを見ながら1人、何にするか迷っていた。
とにかく部活の種類が多く、絞りきれない。
前の学校で入っていた新聞部はないし、余計迷ってしまう。
できれば活動日数が少ない部活がいいな───などと考えていると、柴田さんが三浦さんと話しているところが目に入った。
聞こえてくる限り、放課後の用事について話しているように思える。
柴田さんはしっかりと礼をして廊下に姿を消していく。
彼女、礼儀正しいんだな…。
あの脇の拳1つ分の間隔、ゆっくりとした礼の動作。
おそらく茶道部だろう。
パンフレットの写真を確認するとやはり、柴田さんが写っていた。
そんなことをしながらぼんやり過ごしていると、いきなり声がした。
振り向くと、三浦くんがいた。

「伊達くん、お昼一緒に食べないか?」
俺は笑顔で頷いた。