コメディ・ライト小説(新)

Re: ファイティン・ラブ!~彼氏は推しでした~ ( No.15 )
日時: 2023/09/23 06:42
名前: このか ◆XqDKo6W48k (ID: v5g8uTVS)

《第15話》

「彼女、ほんと礼儀正しいよなぁ」
三浦くんにさっき気づいたことを話すと、共感してくれた。
「真面目で仕事もできるし、いろんな意味で頭が良い。今まで学級委員やってなかったみたいだけど、俺は学校のリーダーにふさわしいのは彼女───美織ちゃんだと思う。僕たち他の学級委員も委員長を見習って、頑張ろうと思わせてくれる存在だよ」
そう言って微笑んだ。
美織ちゃん、って下の名前呼び!?
と俺は少し驚愕したものの、三浦くんに頷く。
「そういえば茶道もうまいらしいよ」
「そうなんだ」
お抹茶というのは、きれいに泡立てたりするだけでも大変なのに、お点前もきれいにできてしまうなんて…。
それに、いろんな意味で頭が良くて、真面目で仕事もできるだと…?
彼女、一体何者なんだ───?

放課後、柴田さんに部活案内をしてもらった。
学校中広いので、歩くだけでも疲れてしまう。
グラウンドの外側のマラソンコースに目を向けると、三浦くんがかなり早いペースで走っていた。
「バレー部は外練もしてるみたいですね…。今日はいつもの15周からスタートかな?」
「15周もするの!?」
「運動部は練習が厳しいんですよ」
「な、なるほど…」
「すごいですよね。頭も良いし、運動もできるし、性格も良くて慕われている。三浦さんは星川生の鏡です。素直に尊敬します」
と柴田さんは頬を緩めた。
三浦くんも、すごい人なんだなぁと感心する。

家に帰ることになり、偶然にも同じ駅で降りることになった。
別の方向かな、と思ったらマンションまでの道のり同じだった。
本当はもっと驚くべきかもしれないが、帰ってから何しようかと考えていてぼーっとしていたのだ。
エレベーターのボタンを押して、3階のボタンを押す。
それから家の鍵を開ける。
隣を見ると、柴田さんの目線が鍵を開けながら僕の手元と顔を行ったり来たりしていた。