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コメディ・ライト小説(新)
- Re: ファイティン・ラブ!~彼氏は推しでした~ ( No.16 )
- 日時: 2023/09/30 11:36
- 名前: このか ◆XqDKo6W48k (ID: Yry.8Fde)
《第16話》
え…!?
隣に住んでるの…?
といった驚きと緊張が柴田さんの表情から読み取れる。
素直な性格のようで、可愛らしく見えた。
何とかこの気まずいような空気を振り払おうと、話しだす。
「あれ、隣に住んでるの?」
「あ、はい。伊達さんは最近引っ越してきたんですね」
「いとこみんなで集まって生活してるよ。でも人数が多いから思ったより狭いんだよね」
いとこ同士で集まって住むというのは、いとこの中で最年長である織田信長、という人が提案してきたものである。
大学生や社会人になったら、どうせ上京して1人暮らしをする。
いとこ同士で集まった方が、家賃が安くなる。
だから、高校生のうちから、みんなで集まって仲良くしておこうという考えらしい。
「そうなんですか、知らなかったです。そこの部屋の織田さんも教えてくれなかったです」
「そういえば最近、俺のいとこが茶道を極めてるらしくてさ、試しにその人のお抹茶飲んでみない?確か茶道部だったよね」
茶道を極めているのは豊臣秀吉、という名の茶髪の人だ。
柴田さんは目を見開いた。
数秒の間の後、
「はい」
という返事が聞こえて俺は安堵した。
また変な人と思われたら…と思っていたのでよかった。
「うん、じゃあ、上がっていいよ」
「え…!?あ、お邪魔します」
家に女子を招くのは恐らく初めての経験だが、いいだろう。
なぜか俺はそう思っていたのだ。
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