コメディ・ライト小説(新)

Re: ファイティン・ラブ!~彼氏は推しでした~ ( No.29 )
日時: 2024/04/06 15:04
名前: このか ◆XqDKo6W48k (ID: WZc7rJV3)

《第26話》

学校を早退して、まだ慣れない街の中を駆け抜けていく。
病院へ行く途中、商店街の中が事故現場だと分かった。
商店街には車が突っ込んでいて、色んなものが散乱していた。
そこに、お母さんが大切にしていた手帳を見つけ、背筋が凍る。

病院へ入り、お母さんの部屋番号を尋ねる。
お母さんは重症なのかと思ったけれど、案外、軽傷で安心した。
全身から力が抜けていく。
「もう………。美織は心配性なんだから………」
「普通家族が事故にあったって聞いたら心配するでしょ!」
そこに、お父さんと沙絵もやってくる。
しばらく、たわいもない会話をした。

家に帰ってコンビニのご飯を食べ、まったりしていた夜の9時ごろ、急に病院から電話がかかってきてゾッとした。
「お母さんが危篤だって……」
お父さんはそう、私に言った。
いつもは頼りがいがあるのに、その顔はすっごく青ざめていた。

お父さんの携帯が音を立てて落ちた。

なんで、なんで、なんで。
お母さん軽傷だったはずなんじゃ…?
病院へ駆けつけると、数名の医師と看護師が、待ち構えていた。
「急に容体が急変しました。今夜を乗り切れるか分かりません……」
え………。
つい数時間前まで、普通に会話してたのに。
今夜を乗り切れるか分かりません、と言われても。
意味がわからなかった。