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コメディ・ライト小説(新)
- Re: ファイティン・ラブ!~彼氏は推しでした~ ( No.31 )
- 日時: 2024/04/07 12:23
- 名前: このか ◆XqDKo6W48k (ID: aByXSACk)
《第28話》
それでも、日々は進んでいく。
3年生になって、高校受験のことを考え始めて、学校に行く決意ができた。
リュックも制服も、数週間しか使っていなかったから、新品のようだった。
もう、これまでのことなんか忘れよう。
普通に勉強して、いい高校に行こう、そう決意した。
願書を提出する時、お父さんは私に言った。
「本当に、星川高校でいいのか?」
「うん」
私は最大限の活力を振り絞って、頷く。
お母さんの遺志に、逆らう気力なんて残されていなかった。
全てがどうでもよくなっていた。
でも、高校に入ってから変わった。
毎日が楽しくて、伊達さんや三浦くんと出会って、『楽しい』なんてレベルじゃなくて。
また気づいた。
お母さんも、「人生が変わる」って言ってたなぁ。
「へぇー」
伊達さんは、私の話に口を出すことなく、真摯に聞いてくれていた。
出会えて良かったな、と心から感謝する。
しかし、私は、微かな違和感を感じた。
伊達さんの目の色、翡翠色になってる……?
もう一度瞬きをした時、目の色はいつも通りの黒だった。
気のせいかな……。
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