コメディ・ライト小説(新)
- Re: ファイティン・ラブ!~彼氏は推しでした~ ( No.32 )
- 日時: 2024/06/29 17:44
- 名前: このか ◆XqDKo6W48k (ID: 51us8LMs)
《第29話》
あの日、伊達さんの目の色は確かに、翡翠色になっていたと思う。
一瞬だけだったけれど。
私はそんな疑問を抱えながら、日々を過ごし、時々、伊達さんの家にも遊びに行かせてもらいながら、そうこうしているうちに7月になりました。
もうすぐ夏休みです!
そんな夏休みを目前にし、私はある決意を固めました。
伊達さんの目の色のこと、聞いてみようかな…。
そんなことを考えながら帰宅し、玄関のドアを開けようとすると、隣に豊臣さんがいました。
「美織ちゃん、久しぶり」
「お久しぶりです」
「最近暑いなぁ」
「もうすぐ夏休みですけど、外に出る気力なんてありませんね」
「そうやなぁ」
あ、今が目の色のことを聞くチャンス…!?
私は出しかけていた鍵をしまい、豊臣さんに聞いてみます。
「そういえば聞いてみたいことがあって…」
「何?」
「この間私が愚痴っていた時あったじゃないですか。あの時、私の話を聞き終えた後に伊達さんの目の色が翡翠色になってたような気がして…」
「え?」
豊臣さんが眉をひそめたのが分かった。
変なことを言ってしまったなと後悔する。
やっぱり何でもないです、と言おうとしたそのとき。
「伊達の翡翠色の目のこと、誰にも言わないって約束するなら詳しく話す」
「もちろん!誰にも言いません」
「なら、バレちゃった以上話すしかないな」
私はお家にお邪魔し、詳しく話を聞かせてもらうことにした。
というか、聞かないと、スッキリしない。
このようなモヤモヤした気持ちを抱えたまま夏休みに入るのは本望ではありません。
またお抹茶を出してもらった。
豊臣さんのお抹茶はすごい優しい味がする。
そういうところにも、性格って出るのだろうか…?
そんなことを考えていたら、豊臣さんが真正面に座ったので私は慌てて姿勢を正します。
「伊達の目のこと、あれは超能力や」
「え、どういうことですか…?全く意味が分かりません」
「ごめんな、急に混乱させて。超能力を持ってるのは、伊達だけやない。俺たち8人、全員そうや」