コメディ・ライト小説(新)

Re: ファイティン・ラブ!~彼氏は推しでした~ ( No.8 )
日時: 2023/08/21 11:23
名前: このか ◆XqDKo6W48k (ID: I3friE4Z)

《第8話》

2人きりでエレベーターに乗っているのだから、「3」のボタンを押したのは伊達さんであって、つまり、伊達さんは私と同じ階に住んでいる…ということになる。
この高身長イケメンが私と同じ階に住んでるなんて……!

私は伊達さんと同じ3階で降り、エレベーターを出てすぐにある自分の家の鍵を出しました。
伊達さんが同じ階に住んでいるなんて、動揺が止まらない…。
早く家に入って一息つこうと、私は急いで鍵を開ける。
そんな私の隣で、ガチャリと鍵が開ける音がし、私はさらに動揺する。
伊達さんが隣の家の鍵を開けていたのだ。
つまり、隣の家に住んでるってこと……!?
あぁ、もうダメだ。
自分の家が自分の家じゃないように思える。

高校を卒業して大学生になる時に家を出るにしても、あと1年9ヶ月…。
その間、私は毎日こうやって心臓をえぐり取られそうになりながら生活するのか。
いや、でも、伊達さんがあと1年9ヶ月ここに住んでいるとも限らないしなぁ。
まじでどうしよう…!

「あれ、隣に住んでるの?」
「あ、はい。伊達さんは最近引っ越してきたんですね」
「いとこみんなで集まって生活してるよ。でも人数が多いから思ったより狭いんだよね」
「そうなんですか、知らなかったです。そこの部屋の織田さんも教えてくれなかったです」
織田さんは確か大学生。
私がここに引っ越してきた時から、住んでたような気がする。
「そういえば最近、俺のいとこが茶道を極めてるらしくてさ、試しにその人のお抹茶飲んでみない?確か茶道部だったよね」
「はい」
「うん、じゃあ、上がっていいよ」
「え…!?あ、お邪魔します」

そして、居間代わりに使ってるらしい和室に通され、私が見たのは、ジャージ姿でお抹茶を点てている茶髪の高校生らしき少年でした。