コメディ・ライト小説(新)

Re: 猫に九生 人に一生 [連載復帰] ( No.6 )
日時: 2024/04/19 21:57
名前: 日影@hikage (ID: X4YiGJ8J)

雨が嫌いな人でもあかりに照らされる雫はとてもきれいに見える。それと同じで、人もライトで照らされたら、何処かきれいに見える。


前の人生で楽しくしてくれた友達に会いたい。それを伝えるには…。
"あの人"が新聞を読んでいる。
あっ!日本地図!これで指させば…!
伝わるか…。

「どうしたのか。遊びたいのか。」

違う。そうじゃない。なんでそうなるんだよ。
僕は大きく首を横に振った。

「ここは、広島だよ。どうしたの?」

くそ…。試行錯誤を繰り返して何度も考えた。その時、新聞をあの人がめくった。そのページに書かれていたgo to travelに目をつけ、一瞬のすきに肉球で新聞を指さした。

「広島…。旅行…。広島に旅行に行きたい、ってことか!それもいいな…」

大きくうなずいた。

「お金がたまったらね。でも猫だったら宿泊料かからないか。でもなんで…」


やった。目的は果たせた。すっと終わった。なんであんなに悩んでいたんだろう。


「広島のどこ行きたいの?広島市?」

また大きくうなずいた。

「今、五月だから。七月の休暇入ったらいいよ、それにしても広島か…広島焼食べたいなぁ」

「…」
僕が家から沖に飛ばされた時、人でいた時の月日は五月六日の夜。猫の状態で初めて時計を見たのが夕方の方。一日に飛ばされていることが分かった。新たな情報だ。一晩、だいたい20時間くらいで飛ばされていたのか…。