コメディ・ライト小説(新)

Re: JYデビューしました ( No.3 )
日時: 2023/07/17 12:23
名前: 空 (ID: XVhgbfch)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

2話 #メイク

***
「はーい、できたっ」

気がつくと、私はやわらかい椅子に座っていた。真っ赤な照明に照らされていて、まぶしさに目を細めた。まぶたが重い。

もしかして、私ったら寝ていた?

「イッケイケでキャワキャワじゃーん!」
甘ったるい匂いをただよわせて、女の子はとびはねた。
「いっけ……何?」
なんだ、その変な単語は。
私がとまどっていると、女の子はさらに爆弾を投げ込んできた。


「"メイク映え"するタイプなんだねっ、"ここちー"は!」
「……!?」

ちょっと待って、聞き捨てならないことを言ったぞ、この子。
「メイク?ここちー?」
「あ、湖々ちゃんのあだ名だよー!ここちー、気に入らない?"こっしー"にしとく?」
「それは勘弁してください」

どうして私の名前を知っているのだろう。
女の子を探るようにじっと見る。アメジストの瞳が、なぜか黒い光を放っている……のは、気のせいだろうか。
「やだなっ、ここちー。私じゃなくて自分を見つめなよ」
小さな鏡をこちらに差し出してきた。
なに、この子。「鏡見ろやこのブサイク!」って言いたいわけ?

しぶしぶ鏡をのぞき込んで。















私は、鏡から目を離すことができなくなった。












「えっ……?」



絶句する。
鏡に映った人は_______とても、美しかった。

「いやーーっ!誰ーーーーー!?」
「え、オバケ扱いっ?ここちーだよ!」
嘘だ。この、大人っぽい女の人が、私?

もしかして、そういうドッキリとか。魔法のかかった鏡とか。
鏡には、あぜんとする女の人が映り込んでいた。

「んもー、信じてないの?」
「だ、だってこんなの……」
わなわなと震える私に、女の子は考えるように首を傾げた。

「じゃあ……」




「今から、------------行こう?」

私とは、なにも関わりがなかったはずのその言葉に。私はまたも、絶句した。