コメディ・ライト小説(新)

Re: 天使か悪魔じゃなくて「天使&悪魔」 ( No.2 )
日時: 2024/01/16 12:35
名前: 彩雪 珠麗愛@じゅりあ (ID: rKxXtoQJ)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=13801

プロローグ

天堕あまおち 白桜はくら(ライト・ゼレデリア)Side

「わ〜学校楽しみ〜」
そう呟いたのは、今日から光闇こうあん学園に通う、天堕あまおち 白桜はくら、またの名前をライト・ゼレデリア。
別に本気で学校を楽しみだとは思って居ない。
親の前で"良い子"を演じて居るだけだ。
実際は…。
「あ〜も〜面倒臭せ、学校つまんなそ」
俺の本当の気持ちを代弁したかの様に、隣から声が聞こえた。
声の主は俺の双子の妹、天堕あまおち 黒薔くろは、またの名前をシャドウ・ゼレデリア。
黒薔も別に本気で学校がつまらない、とは思って居ない。
彼女はむしろ、学校に行く事を誰よりも楽しみにして居る。
彼女は親の前で"悪い子"を演じて居るだけ。
なら、何故親の前で"良い子"もしくは"悪い子"を演じ無ければ行けないのか。
それは俺達の見た目に関係して居る。
俺達は双子だ。
父親は悪魔、母親は天使。
普通なら双子のどっちかが悪魔になり、もう片方が天使になる筈だった。
でも、何故か遺伝子がごちゃごちゃになって。
俺に天使25%、悪魔75%が遺伝し、黒薔には天使75%、悪魔25%が遺伝した。
そう、つまり俺達はMIX種族なのだ。
遺伝25%は見た目に遺伝し、残りは性格に遺伝した。
でも、親はそれに気付いて居ない。
本気で俺を天使だと思い込み、黒薔の事は悪魔だと思い込んで居る。
だから、親の前ではちゃんと自分の種族を演じ無ければ行けないのだ。
「あ〜も〜まじ面倒臭せ〜」
でも。
本当にたまに。
"良い子"もしくは"悪い子"では無く、本気でその言葉通り思って居る事もある。
例えば黒薔がさっき言った"面倒臭い"と言う感想。
黒薔は見た目が悪魔だから、性格は天使な筈だ。
本来なら天使は"面倒臭い"などと言う事を思わない。
でも、黒薔は本気で自分の種族を演技する事に"面倒臭い"と思う様になった。
つまり何が言いたいのか。
俺達は。
不完全な天使と悪魔なのだ。
この世に存在しては駄目な。
不完全な存在なのだ。
「着いたよ〜白桜、黒薔」
気付いたら学園の前に着いて居た。
「学校だる〜」
「もう、そんな事言わないの!」
遠くで黒薔と母の声が聞こえる。
黒薔が居る所まで移動し、黒薔の手を握る。
今日も俺達は自分達を完全な天使と悪魔に変える為、演技を続けるんだ。

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