コメディ・ライト小説(新)
- Re: コンビニバイト ( No.1 )
- 日時: 2024/03/25 09:54
- 名前: 日影@hikage (ID: X4YiGJ8J)
コンビニ=コンビニエンスストア
駅前や住宅地、幹線道路沿いなど消費者の利便性が高い立地に出店する小規模の小売店を指す。生活日用品や食べ物がよくおいてある。
このコンビニは変だ。
一般のコンビニではない。すべてが違う。もう混乱なんてしない。
話は一か月前にさかのぼる。
お金がない。仕送りで生活はギリできるけれど、欲しいものが買えない。こうなったらもうバイトするしかない。
そういえばこの近くに新しくできたコンビニがあるはずだ。
できたばかりだから、バイトを雇おうとしているだろう。
コンビニに入った。
………………
おかしかった。何も言葉が出てこなかった。人と言う人がいなかった。人ではない何かがいた。そして昼間なのに暗い。いや、外が暗く見える。そして人ではない何かがすごく明るい。太陽みたいだ。
店長という名札がかかっている者を見ると…………人間だった。
「あのバイトしたいんですけど…」
僕は事務所に連れられた。店長は年の低そうな女性(?)だった。
「あのまず最初に色々聞きたいんですけれど、なんで外が暗いんですか。人がいないんですか。あの物体は何なんですか。なんで光っているのですか。あなたは誰なんですか」
「色々投げられては返せないって…」
と店長の札が下げられている女性が言った。
「まあとりあえず最初に言うけれど、お前、なんでお前みたいな未来がある人間がここにたどり着いているんだ?不思議でしょうがない」
と店長が言った。
「…?」
「すまないすまない。自己紹介から、私に名前はない。店長とでも言っておけ。ここは死んだ人間が姿を変えて、訪れるんだ。でもお前は人間だ。それも生きた人間。こちらはこちらで不思議でたまらない」
と店長が言った。
「でもあなたは人間ですよね。なんで…」
「私は人間ではない。いや、まあ人間ではあるが、欠けた人間だ。人間の形をした何か、だと思え。私の正体は知ったことじゃない。死んだ人間は、私は鎧と言っている。魂がこもったただの生き物だからな。このコンビニの外が暗いのは、ここはお前が知っている、世界じゃないからだよ。此処を私たちはたまり場と言って、外を水晶と言っている。鎧は暗い所が好きだから普通はこのたまり場は水晶と同じように、暗いのだけれど、鎧が集まって、明るく見えてしまうのだよ」
そこに僕が言った。
「でもあの鎧?は、明るいですよね、暗い所が好きなのに」
「それは君たち人間が水が嫌いでも、体内は水が七十パーセントあるようなことと同じだよ。あの鎧たちは少ししか光を出さない。しかし、周りにある小さな細菌との接触で大きな光を出してしまうんだ。常に空気清浄機はおいているんだけれど、最近効きが悪くて、このたまり場を避ける鎧が多くなってきてて、大変だったんだよね…」
「まあそちらもそちらで大変なんですね。で、バイトしていいですか」
「いいけれど、うちにはほかに誰も雇ってなくてね、人数が少ないんだ。だから広告と言ってもなんだが、人を集めてきてくれ。しっかりとした人間を。君が来れたのだから、他の人でも大丈夫だろう。じゃあ今週中に一人でも新しい人間の客を連れてくることが出来たら、バイトはやらせてもいい。最初の仕事だ、簡単だと思え」