コメディ・ライト小説(新)

       ★第62話 否定アイドル★ ( No.71 )
日時: 2025/03/13 13:21
名前: 小説好きな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

そして、朝になった。雀が目覚ましの代わりに起こしに来てくれる。2人は、すぐにパジャマから普通の服に着替え、朝食を食べた。
でも、今考えれば私が否定アイドルと言われた、あの日から・・・さくらは私の事が嫌いだったのかな・・・。だとしたら・・・。
ただ、今はとにかくさくらを探さないといけないと美咲は思った。
朝食を急いで食べ、美咲は立ち上がる。
「行くよ、陽菜ちゃん!」
「えっ!ちょっと待って!」
陽菜も、なるべく急いで食べる。
美咲は、それを確認し、陽菜の手を引っ張りながら走り出した。
そして、また繁華街・マリアに行ってみた。
もう、さくらはいないかもしれないけど、マリアキッズになった子は大体ここに来る。
そこは、マリア広場と呼ばれている場所だった。そこにはさくらがいた。いつの間にか他の子たちと友達になっていた。
「さくらちゃん、やっと見つけた・・・はあっ・・・はあっ・・・」
美咲は、急いで走ったため、息が切れそうになった。本気で走ったのは、熊山中学校の転校の時以来ではないだろうか。
「なに?否定アイドル」
さくらは、まるで別人のように変わっていた。前までは、アイドルって感じだったのに、今ではその輝きが見当たらない。
「あの・・・私の・・・ことは、どう思ってくれてもいいよ・・・」
汗を掻く美咲の姿は、いつも以上に可愛くて、そして輝いていた。特に、目の輝きはみんなを誘い出すような感じだった。やはり、この子はアイドルに向いている。さくらは、そう感じた。他のマリアキッズは、その超絶な可愛さに呆然としていた。まあ、初めて見たのだから無理もない。しかも、生で見れるというのは、なかなかないチャンスだ。
「でも・・・アイドルだけは・・・辞めないで・・・」
美咲の輝かしい目から涙がこぼれてきた。
「なんでよ!せっかくここに来て、楽しかったのに!」
「だって・・・夢だったんでしょ・・・?アイドルになること・・・」
「ふっ・・・ははははは!」
さくらは、わざとらしい笑いをする。
「もう今は違うわよ!私は、このままマリアキッズとして生活していくの!もうアイドルに戻るつもりはないわ!」
完全に変わってしまっていた。前のさくらとは全然違う。
「でも・・・バーシー様が心配するよ・・・?」
「バーシー様?ああ、懐かしいわ!私、正直あの人のこと、そんな好きじゃなかったから。まあ、いいよね、美咲ちゃんは。私と違って・・・。どうせまた、私を貶して来たんでしょ!」
「だから違うって!別に・・・そういうんじゃなくて・・・ただ私は・・・」
美咲は、どんどん弱弱しくなっていく。このままだと美咲が負けてしまいそうだ。
「また否定するのね、否定アイドル!まあ、あなたがどう生きててもいいけど、私は今更アイドルに戻るつもりなんてないから。あと、もう友達でも何でもないから」
さくらは、段々と怒りをぶつけてきた。しかし、美咲も頑張る。
「私はね・・・全ての・・・全国の人を幸せにすることが夢なんだ。まだまだ、遠い夢かもしれないけどね・・・。でもね、一番大事な人は・・・さくらちゃんなんだよ」
こうして、さくらは美咲にハグされた。
大嫌いだ。この優しいハグ、この感覚。あの時、キスをされた時もそうだった。美咲は、本当に何を考えているか分からない。どうしてそこまでして、私を好きでいられるのか分からない。ただ、美咲のハグはなぜか人をおかしくさせる。
「やめてっ!」
私はすぐに美咲を振り払った。
もう、戻るつもりなんてない。いいよね、美咲は。何をしても人気があって、あなたに炎上って言葉は似合わないくらい素敵で、だからこそ憎さとか妬ましさとかも生まれてきて、アイドルっていうのは、裏でそういうこと思ってるんだよね。本当にでも、アイドルになった自分がばかばかしい。いくら人気が出ていても、美咲に叶うはずがない。
その時、さくらは、美咲の後ろに隠れていた陽菜に気づく。
「なによ!隠れてないで出てきなさいよ!」
陽菜は少しむっとなったが、美咲の隣に出てきた。そして・・・。
「お願い!アイドルに戻って!そしてまた、一緒にやろうよ!もう今度からは酷い事しないから!」
あの陽菜が、こんなことを言うとは。あんな強気な陽菜が。
「いつの間にか陽菜ちゃんも美咲ちゃんに似てきたねえ。まるで姉妹みたい、はは」
「ごめん、さくらちゃん。私のせいで・・・」
美咲は泣いている。その涙は輝かしかった。服装も可愛く、もうまるで正真正銘のアイドルって感じ。
「そうやってさ、また否定しTえ、そしてまた謝って。そんなアイドル、初めてみてさ、私はそのやり方、大嫌い。だから、美咲のチームはもう辞める」
「えっ・・・じゃあアイドルは・・・」
「もちろんやるよ!そして新しいユニットを作る!」
2人は安心した。陽菜が言う。
「そっか。じゃあ最後に、今まで本当にありがとう!」
美咲も続けて言う。
「私もさくらちゃんのおかげで、色んなことを学べたよ、また日アイで会おうね!」
「うん、二人とも今まで本当にありがとう!新しいところでも頑張るね!」
こうして、美咲のチームは二人となり、さくらは違う道へと進んだ。
そして一応、仲直りは出来たし、マリアキッズの子たちに拍手までもらってしまった。
このことを、直ぐにバーシー様に伝えると、もちろん驚いてはいたけれど、了解してくれた。
その後は、テレビにも報道され、3人はさらなる人気を遂げたが、賛否の声がネット上であがった。
「さくらちゃん、どうなるのか楽しみ!」
「これから美咲ちゃんと陽菜ちゃんはどうしていくんだろ?」
「えー、まさか・・・いきなりだったなあ。まさか、あの噂が本当だったとは・・・」
「これで良かったんだと思う。これからも美咲のチームも、そしてさくらちゃんもきっと伸びていくと私は思っている」
などなど、多数の声が寄せられた。
「さて、これからどうしよっか?」
二人は、自分のスマホで、そのコメントの数々を見ていた。
「マリアタワー行きたい!」
陽菜は、そう言った。
「えっ、でもまずは新しいアイドルを・・・」
「マリアタワー行きたい!マリアタワー行きたい!・・・」
「よし、じゃあマリアタワー行こっか!」
「うん!」
こうして二人は更に仲良くなっていったのであった。
さて、次の場所はマリアタワーである。これからも、東京探索編は続く。

今までお読みいただき、ありがとうございました。これから、美咲と陽菜がどうやって過ごしていくのか楽しみですよね!

日アイ豆知識!★第19話 夢は小説家だった★

私の子供の頃の夢は、小説家でした。ただ、国語がどうしても苦手だったので、諦めましたけど。でも、今ではこうして小説カキコと医者という人を助ける仕事が出来て嬉しいです。皆様も、大変な時期だとは思いますが、頑張っていきましょう!

次回       ★第63話 マリアタワー★
           次回もお楽しみに!!