コメディ・ライト小説(新)

第8話 でも、りんごは・・・ ( No.10 )
日時: 2025/01/19 11:48
名前: 小説好きな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「はあっ・・・はあっ・・・」
りんごは、何とか時間に間に合うことが出来た。急いで授業の準備をして、席に座る。時間がぴったりと元に戻る。
「では、授業を始めましょう。日直さん、おねがいします」
「きりつ!れい!着席!」
こうして、5時間目の授業が始まる。今日の5時間目は魔法史だ。魔法史というのは、昔の魔法使い、いわゆる魔女を勉強する科目である。なんと、おどろくことに、魔法史という科目があるのは、花咲中学校だけらしい。はじめて、そのことを聞いた時には、りんごもおどろいたものである。さて、今日は、その魔法史の一元魔法について勉強する。魔法というのは、力と公式があって、少しだけ理科や数学に似ているところがある。
「それでは、今日は一元魔法について勉強します。魔法には、力と公式で成り立つものがほとんどだと前の授業で言いました。そこで、今回は、基本的な魔法の一種である、一元魔法の勉強をしましょう。まず、その人にだけ持っている個性のある、魔法のことを個性魔法といいます。個性魔法の使い方はいたって簡単で、魔法の力の消費力も少なく、何度でも使えるのが特徴です。では、みなさん目をつむってみてください」
まさか、本当に魔法が使えるのだろうか。だとしたら、ワクワクする。りんごは、静かに目をつむる。ちなみに、なぜ花咲中学校の生徒が魔法を使えるかもしれないのかというと、この学校指定の制服に魔法の力が使われているからだ。しかも、この魔法の力は特別で、選択をしても落ちないらしい。一見、ただの制服だが、実は特別な制服なのだと、入学式の時に先生に教えられた。また、魔法史の授業は1日に1時間ある。ただ、魔法を使うには、相当な知識と体力が必要だと、初めの時間に教えられた。にしても、目をつむるだけ?これで、本当に魔法なんて使えるのだろうか。
「目をつむったら、ひとまずぼーっとしてみてください。私が合図を出すまでは、ぼーっとしていてください」
まるで、催眠術のようだと思った。だが、問題はない。りんごにとって、ぼーっとすることは最も得意なこと。他のみんなが苦戦している中、りんごはすぐにぼーっとしてしまった。そして、そのまま眠りに・・・。
「りんごさん!」
「ふえっ・・・」
りんごが目を覚ます。いつの間にか眠っていたようだ。
「眠っていたら、魔法が逃げちゃいますよ!ほら、もう1回!」
「はーい・・・」
あくびをしながら、返事をして、もう1回やってみる。意外と難しいということに気づいた。なかなか、ぼーっとしているのは楽じゃないし、ぼーっとしないようにしようとしても、逆に意識してしまう。また、ぼーっとしたら今度は眠くなってしまうのだ。5時間目だからというのもあるのだろうか。よりによって、給食の後にやるなんて。
(早く終わんないかな・・・いつまで、これ、やればいいんだろ・・・)
りんごは、段々ひまになってきた。何もしないというのは、こんなに難しいことなのか。
「さ、そろそろいいでしょう。ゆっくりと、目を開けてみてください」
言われた通り、目を開けてみると、目の前に丸い浮遊物があった。しかし、触ることはできず、透けてしまう。りんごの場合、色は赤だが、どうやら人によって色々な色があるらしい。
「さて、もし目の前に浮かんだ物が見つかれば成功です。これが、一元魔法の元となる魔法です。では、試しに使ってみましょう。その魔法をじっと見つめて・・・そしてフルーツ・チェンジと唱えてみましょう」
え、それだけ?ただ、じっと見つめて、フルーツ・チェンジって唱えるだけでいいの?
りんごは、想像以上に簡単なことでおどろいた。そうだと、りんごはコロンに聞いてみる。
「この魔法ってコロンにも効くのかなあ」
「どうだろう、ぼく人間じゃないし。ぼくの使っている魔法は外縁魔法ってやつで、何元とかそういうのじゃないから・・・」
「そうなの!?」
初めて知った。そっか、魔法には人間のみが使える魔法、動物のみが使える魔法があったんだ。すごいすごい!でも、ちょっと怖いな・・・。
「それより、やらないの?」
コロンは机の上に寝そべっている。ずいぶんと気持ちよさそうだ。
「うん、ちょっと怖くて・・・」
りんごは、その魔法を見て答えた。失敗したらどうしようかと思うと、やれる気がしない。コロンがよいしょと起き上がった。
「そんなんで怖がってちゃだめでしょ!りんごちゃんを最高の魔法少女にさせるんだから!」
りんごはコロンに聞く。
「さっきから、最高の魔法少女ってなんなの?私は別に、まだ魔法使いでもないんだし」
一体、コロンは何を言っているのだろうか。コロンはうつむく。
「神様に言われたんだ。りんごちゃんを最高の魔法少女にさせて、この街を救ってほしいって」
神様なんているはずがないと思っていたが、この時だけは信じられた。コロンの真面目な顔からして、うそはついてなさそうだ。
「えーっと・・・つまり・・・?」
りんごはあやふやになる。いきなり、そんなことを言われても難しい。
「はあ、次期にわかるからいいでしょう。さあ、だまされたと思ってやってごらんよ」
しかし、まだりんごは恐れていた。
「早くしないと!ほら・・・」
赤色の魔法は、少しずつ小さくなっていき、やがて消えてしまった。
「えっ・・・消えちゃった!どうしよう!」
りんごはあせってコロンに聞く。
「魔法の期限がきれたんだ・・・。でも、大丈夫!また唱えれば出てくるから」
コロンは、羽を使って宙を飛び、くるりと回って見せる。
「ほら、時間を止めたから、早くやろう?」
「う、うん・・・」
コロンって、今までこうやって魔法を現わしてたんだ・・・。なんか、ちょっと可愛い・・・。そして、りんごは再び、目をつむりぼーっとする。
「・・・もういい?」
りんごは目を開けようとする。
「まだだめ!っていうかしゃべらないで!魔法が逃げちゃうでしょ!」
「ごめんごめん・・・」
にしても、時間が止まっているからすごく静かだ。さっきまでのざわめきがうそのように消えている。おかげで、すぐにぼーっとすることができた。
「・・・もういいよ!」
りんごはゆっくりと目を開ける。再び、目の前には赤色の丸い形をした魔法が現れた。
「さ、今度こそやらないと!さすがに、これ以上は時間止めてあげないからね!」
なんか、一言余計な気がするんだよなあ。まあ、いいや。とにかくやってみよう!
「フルーツ・チェンジ」とは、一体どんな魔法なんだろう。これから、もっと楽しいことが待っている気がする、りんごなのだった。

とりあえず、第8話はここで終了とします。ついに、魔法少女にチェンジって感じでしょうかねえ!次回が楽しみです!次回は、他のキャラ(名前は未定)も登場させていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします!そして意外と、先生も魔法使いになっちゃったりして!ちなみに、魔法には一元魔法、二元魔法、三元魔法、四元魔法まであります。つまり、方程式と同じです。魔法の特徴は数学、威力は理科で表わせるということです(詳しく書くと長くなってしまうので、ここまでにしておきましょう)。それでは、次回はとりあえず初の、りんごの変身シーンってことでよろしくお願いします!
※間違えて、小説好きな医師と書いてしまい、申し訳ございませんでした。私と、小説好きな医師は、同じ家族ですが、同一人物ではないので、ご了承ください。