コメディ・ライト小説(新)
- 第3話 そっか ( No.3 )
- 日時: 2025/01/17 17:07
- 名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
みなさん、閲覧していただき、本当にありがとうございます!これからも、もっと文を分かりやすくして書いていきますので、よろしくお願いします!
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めざせ、打倒、小説好きな医師!
許せない・・・みんなを復しゅうしてやりたい。みんな、今までりんごをいじめてきた。だから、今度はこっちからやってやるんだ。
(時間止まれ!)
りんごはトイレの個室で、こっそりと願った。さっき、こうして止まったのだから、今度もうまくいくはずだ。しかし、外から聞こえる、うるさい男子の声は静まらない。ということは、時間は止まっていないということだ。
(え・・・なんで・・・?)
りんごは突然の出来事に、何が起こったのか分からなかった。
どうしてだろうか。時間を止めようとしているのに・・・さっきは上手くいったのに・・・。
(時間止まれ!時間止まれ!)
しかし、何度願っても、時間が止まることはなかった。急にどうしたんだろう。もしかして、さっきのはたまたまだったってこと?いや、そんなことはない。あ、もしかして、場所が悪いのかな。
ということで、りんごは教室に戻った。さっき、ここでやったのだから、今度も上手くいくはず。
(よーし、時間止まれ!)
しかし、時間が止まることはなかった。やっぱり、さっきのは単なるぐう然だったのだろうか。そのまま、3時間目のチャイムが鳴ってしまう。りんごは時間を止めるのはあきらめ、急いで次の授業の準備をした。次の授業は音楽だ。音楽の先生は亀森先生という先生で、めちゃくちゃ優しい男の先生だ。顔もそこそこイケメンで、女子はみんな興味をもっている。そして、おまけにいつも教え方がうまくて、まさにみんなが理想としていた先生って感じだ。もちろん、私は亀森先生には興味なし。だって、秀平くんがいるもん!
りんごは、ぼーっと考えていた。その時、亀森先生が教室に入って来た。そのしゅん間、クラスの女子達が「キャーキャー」とさわぐ。しかし、これはいつものこと。つまり、亀森先生の顔の良さには、どの男子もかなわないということだ。教室の空気が一変したように、女子の歓声だらけでうるさい。なので、最初はなかなか授業に進まないのだ。
「みんな、ありがとう。はは・・・。じゃあ、まずは音楽記号の練習をしようか」
亀森先生が言いだすと、すぐ女子達は静かになった。
(はあ、早く終わってくれないかな)
りんごは、そのことだけを考えていた。ほんとに、この授業はつまらない。内容は分かりやすいけど、女子のわざとらしいアピールのせいで、まったく内容が頭に入ってこないのだ。
「ではまず、この音楽記号はなんでしょう?」
亀森先生は黒板に音楽記号を書いた。ふつうなら2分音符と答えるべきなのだろうが、りんごはそれを見て、丸い形にまっすぐな棒で、りんごの形に見えた。なんど目をこすってもりんごに見える。
「あれ・・・りんご・・・?」
「りんごさん、りんごではありませんよ」
亀森先生に指摘される。周囲から笑いが飛び交う。本当にりんごに見えたのに。
(私、どうしちゃったんだろう・・・)
疲れているのだろう。少し休めば元気になる。そう思い、りんごは授業中にもかかわらず、その場で眠ってしまった。どうせ、後ろの席だからバレないし、亀森先生もスルーしてくれる。女子の声がうるさいけど、腕で耳をふさげば大丈夫だろう。りんごは、意外とうるさくても眠れるタイプなのだ。今回も、すぐに眠りについてしまった。そして、夢を見た。なんと、目覚めてみると自分が魔法使いになっている夢だ。りんごはおどろき、ためしに魔法を使ってみる。すると、本当に魔法が手からでてきた。
「いたっ!」
その時、なぜか急に痛みを覚えたのだ。ほっぺたの所がジンジンと痛む。りんごは、これも魔法の効果かと思った。とにかく痛い。そして、目が覚めてみると・・・。目の前には大樹がいた。りんごのほっぺたをつまんでいたのだ。どうりで痛いと思った。また、大樹のしわざだったのだ。りんごは、いきなり大嫌いな大樹にほっぺたをつままれ、すぐに起き上がる。大樹も急な動きにびっくりして、りんごのほっぺたをつまんでいた方の手をはなす。大樹にほっぺたをさわられた。家族以外、誰にもさわられたことはなかったのに。
「なにするの!」
りんごはいきなりのことに怒り出す。
「別にいいじゃんか。それより、お前寝ている時の顔、意外とかわいいんだな」
大樹は笑っている。まったく反省する気がない。
(か、か、か、か、か、かわいい!?)
りんごは、その言葉に心をつかまれる。大樹もたまにはいいことを言うじゃないか。
こうして、3時間目は終わった。休み時間、階段の踊り場で、りんごはとある会話を聞いてしまった。それは、大樹と秀平が話している様子だった。なにを話しているのか気になったので、こっそりと聞いてみた。
「やっぱさー、りんごってちょろいよねwかわいいって言われただけで、本気にしちゃってさw」
大樹が秀平に言う。
「だよね。おれもさー、別にあいつのこときらいなのに、なんか勘違いしてるみたいで。ただ消しゴムを拾ってやっただけなのにさ」
「秀平ってりんご好きなんじゃないのか?」
「だれがあんなやつ好きなんだよ。おれは、ああいう消しゴムを落としちゃうようなドジは大嫌いなのw」
「そっか、そうだよな。ほんとあいつちょろいw」
りんごは、こっそりと聞いてしまった。聞かないほうがよかったのかもしれない。しかし、聞いてしまってはもうおそい。りんごの目からは、涙が流れてきた。それを手でふさぐ。彼らに騙されたにくしみと、彼らの行動を信じてしまったという後悔が、同時に入り混じってくる。りんごは、その場から動くことができなかった。とにかく、突然のことにまだ、困惑しているのだ。自分がばかだった。もう、男子も女子も許さない。私をいじめたやつに、復しゅうしてやる。なんと犯人が大樹だけではなく、まさかのクラスの全員だったことが分かり、私は怒りが込み上げてきた。