コメディ・ライト小説(新)

第20話 先生対生徒 ( No.30 )
日時: 2025/02/07 15:16
名前: 第20話 先生対生徒 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=14085

先生は、猛スピードで追いかけるが、まだ若い者に勝てるわけはなかった。まるで体力が無限にあるような走りで、学校を飛び出していく。先生は、もうすでに疲れ切っていた。足がつり、その痛みでとても走れなかった。
「ま、待ちなさい・・・!」
しかし、男子といちごは、そのままどこかへ行ってしまった。
校門をしっかりと閉めておけば、こんなことにはならなかっただろう。
先生は、これは大問題だと思い、警察や教育委員会、校長先生にその旨を伝えた。校長先生は、一番に校長室からこちらへ駆けつけてくれた。
「ごめんなさい!私が校門を閉め忘れていたから・・・」
先生は涙目になっていた。
きっと、生徒が校外に逃げてしまったことが、辛いのだろう。りんごたちは、先生に寄り添うようにして、先生のもとに近づく。校長先生も、生徒と同じように、先生へと近寄った。
「いや、俺が悪いんだ。俺が、しっかりと校門を確認していなかったから・・・」
校長先生は、谷口先生よりも少し背が高く、イケオジな人だった。
「いやいや、私が悪いの!」
「俺が悪いんだって!」
谷口先生は、顔を赤くし、校長先生の耳元でささやく。
「校長先生・・・優しいのね・・・」
「俺は、谷口先生のためなら何でもするよ・・・」
二人は、まるでカップルのように愛し合っていた。それを、生徒は冷たい目で見る。
れもんが、咳払いをした。
「あのさ、早くいなくなった生徒達探さないとじゃない?」
れもんの口から正論が出され、お互いに恥ずかしくなる。自分は、こんな生徒の前でけしからぬことをやっていたのか。穴があったら入りたい。
「そ、そうね・・・」
「少しでも、人は多い方が見つかりやすい。君たちも協力してくれるかい?」
校長先生は、生徒達に問う。いつもの真面目な顔に戻る。
「承知しました。校長先生」
号令さんは、いつも恰好いいが、この時だけは、特に恰好よく見えた。他の生徒も、仕方ないという顔で、校長先生を見ている。
「みんな、ありがとう。じゃあ、分かれていきますかね?」
となりにいた谷口先生に聞く。
「そうですね。その方が早く見つかりやすいですしね」
「では、二つのチームを作りますので、出席番号で15番以下の方はこちらへ、それ以降の方はあちらへ行ってください」
校長先生は、声もまさにイケメンであった。コロンは、ポケットの中が苦しかったのか、こっそり外に出てきた。きょろきょろと辺りを見回している。
「なんか、面白そうだね」
面白い?コロンの思考にはあきれる。
「生徒がいなくなっちゃったんだよ!」
「でもさ、つまりこれって、校外に行けるってことだよね?授業以外で校外に行けるって、なんか修学旅行みたいでワクワクしない?」
コロンは、目を輝かせている。
「はあ・・・ねえ、お願いだから、変なことしないでよ」
「変なことって?」
コロンは首をかしげる。りんごは、コロンの様子に心配だ。
「時間を止めるとか・・・」
本当に、それだけは絶対に止めてほしい。
「止めるわけないよ!まあ、校外には長くいたいけどね!」
コロンは、自慢するように、はっきりと言う。
(いや、止める気満々じゃん・・・)
そして、クラスは二つのチームに分かれた。りんごは、谷口先生の方らしい。
(よりによって、谷口先生と同行とは・・・)
「あら、りんごさん?なんか嫌そうね」
りんごの残念がる顔に、谷口先生は気づいたようだ。
「い、いやいや、全然嫌じゃありませんよ!」
りんごは、すぐに表情を変えるが、先生にはバレバレだ。
「どうせ、また怒られそうだから嫌とかなんでしょ?」
「・・・はい」
りんごは、正直に答える。
「・・・あなたが遅刻とか忘れものとかをしなければ、あなたに怒ることはないんですよ。
先生だって、こんなに怒りたくないんですから」

じゃあ、怒んなきゃいいじゃん。

りんごは、そう思いながらも、心の中でとどめておくことにした。それを言った瞬間、怒られるのもりんごだ。
「・・・では、出発しますよ」
先生が、歩き出した。りんごたちは、一列に並び、校外へと出る。さて、これから先生は一体、どこを探すつもりなんだろうか。そして、男子やいちごは見つかるのだろうか。

その頃・・・。

教育委員会は、今回の件について話し合っていた。今回の件は初めてなので、相当な時間がかかった。一方、警察も男子やいちごを探していた。警察は、まだ学校の近くにいるはずだと、学校周辺を探していた。ただ、男子やいちごが先生から逃げるということは、自分が何をやったか、それが悪いことだというのは自覚しているのだろう。とりあえず、生徒を無事に探さないと。まずは、生徒の安全が大事だ。こうして、捜索は始まったのだった。

今回は、少し短編となりましたが、ここで終了とさせていただきます。何とか、急いで書き上げました。これからも、書いていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。なんか、全然魔法使いっぽくなくて、ごめんなさい。