コメディ・ライト小説(新)

第29話 イケメンバトル!? ( No.43 )
日時: 2025/02/27 15:25
名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

そして、長く感じた数学の時間は幕を閉じた。これは、りんごたちのへいぼんな休み時間のときのことである。ちなみに、花咲中学校では、制服めちゃくちゃおしゃれと魔法の服(体育着的存在)がある。

「りんごー、これお願いねー!」
りんごは、女子の呼びかけに応答し、急いでその場へ行った。女子は、りんごに段ボール箱を持たせた。りんごは、めちゃくちゃ重くて、いっしゅんたおれそうになるくらいだった。

結局、大樹と秀平のいじりは無くなってきたが、まだ女子からのいじりは後を絶たなかった。
「何が入ってるの?」
「それはねー、ひ・み・つ!教卓の上にお願いねー!」
もう女子はりんごに任せっきりである。
「うん、わかった・・・」
りんごは、中身が気になりながらも、見ないことにした。見たしゅんかん、何が起こるかわからない。得体のしれないものを持っていることに、りんごは少し恐怖を覚えた。その時、コロンがポケットから顔を出した。
「プレゼント?よかったね!」
「これは・・・プレゼントじゃないと・・・思うよ・・・」
りんごは、重い荷物に苦戦していた。れもんを呼ぼうか迷ったが、勉強していていそがしそうだったので、声をかけにくかった。

そして、何とか荷物を教卓の上まで持ってくることができた。
「はあっ・・・はあっ・・・」
段ボール箱を勢いよく置いたため、みんなが教卓の方に注目する。しかし、りんごにとって、それはどうでもよかった。とにかく、重い荷物をもって、もうヘトヘトだったのだ。りんごは、よたよたとしながら、自分の席へと歩き、座った。となりには、さっきの時間、似顔絵のせいで数学ができなかったためか、一生懸命ノートに書いていた。
「ああ、もう!なんで、こいつの字は、こんなに見にくいのよ!」
れもんは、愚痴を吐きながらもノートを書いていた。どうやら、この字からして、移させてもらっているノートは秀平の物らしい。修平は、字の汚さでクラスでは評判なのだ。れもんは、まるでこちらに聞こえるかのように愚痴を吐いてくる。ストレスがたまりやすい人だから、仕方ないのかもしれないけれど。
「ああ、も~!」
れもんの堪忍袋の緒が切れそうなところで、りんごは声をかけた。
「あの、よかったら、私のノート見る?」
れもんは、りんごの方を見るなり、くらいつくように話しかけてきた。
「えっ?いいの?」
「うん」
「ありがとー!」
そう言いながら、れもんはりんごのノートを見て、秀平のノートなんてそっちのけにした。
「うわー、やっぱ見やすいわー。ノートの字ってやっぱ、その人の性格に出てるからなー」
結局、れもんはどうしても独り言を声に出してしまうらしい。でもよろこんでもらえてよかったと、りんごは感じるのであった。

しばらくして、秀平と大樹がトイレから戻ってきて、れもんを見るなり、秀平はおどろいていた。
「お、おい!なんで俺のノート見ねえんだよ!」
れもんは、書くのをやめて、秀平の方を見た。秀平はとても、イラついていた。相手が貸してほしいと言ったのに、それをそっちのけにされたら、イラつくのも無理ないだろう。
「だって、字が見にくい(醜い)んだもん」
れもんは、秀平にイラつかれているにもかかわらず、平常心だ。
「それってダジャレ?はははw」
大樹は、思わず笑ってしまう。
「笑いごとじゃねえよ!」
秀平に怒られる。りんごは、今日の秀平はいつもに増してイラついてるなと思った。
「ごめんなさい!」
大樹は、秀平の怒りにおどろき、急いであやまった。
「れもん、それでさっきなんて言った?」
「えっ?だから、字が見にくい(醜い)って言ったのよ。見てる方が気分悪くなりそう」
「なんだと!?人から借りたものを感謝の気持ちもなく放っておくとは!許さねえ!!」
秀平がなぐりかかろうとしたところで、大樹はそれを止める。
「秀平!今はやめようよ!みんな見てるし、あと30秒でチャイムなっちゃうし・・・」
「チッ、この続きは2時間目休みだ。覚えてろよ」
そう言って、秀平は地団駄を踏みながら、自分の席に座った。
大樹も、秀平に続いて自分の席に座る。
それを確認したれもんは、こっそりと愚痴を吐いた。
「はあ。男子って、なんでこんなにつかれるのよ」
となりに居るりんごは、居心地が悪かった。こうして、2時間目が始まる。
「おはよう!」
亀森先生がチャイムと同時に教室に入ってきた。しかし、女子はまだ、初めての水魔に夢中だ。
まさか、あの亀森先生でさえも引き離すとは、水魔はおそろしい奴だとりんごは思った。
これには、亀森先生も笑うしかなかった。本当は心の中ではやきもちをやいているのだろう。しかし、それを我慢している。先生という立場であるために。りんごは、亀森先生を助けたいと思ったが、どうしたらいいのか分からなかった。水魔は、女子に向かって、まるでシャインマスカットのようなかがやいた笑顔を見せた。
(よしよし、これで女子はわたくしの味方だ)
再び、女子が「キャーキャー」とさけびだす。
水魔は、いちごとは違う作戦で、花咲中学校をおそう予定だった。いちごは、男子を味方につけたので、水魔はその反対をし、女子を味方につけることにしたのだ。
(案外、女ってちょろいなw)
水魔が再び笑いをみせる。その笑いが、おそろしいものだとは誰も知らずに、女子はただ、声を上げるだけだった。

今回はここまでとさせていただきます。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ちなみにですが、小説カキコではお気に入り登録をしておくと便利です。詳しくは、小説カキコのルールをご確認ください。それでは、また次回に会いましょう。