コメディ・ライト小説(新)
- 中学校に行きまして ( No.3 )
- 日時: 2025/05/17 09:00
- 名前: 毛筒代 (ID: THBfOZma)
「懐かしい……」
湊は思わず声を出してしまっていた。
この通学路、この街並みだけは20年前に見た景色と変わらない。
「懐かしい?」と彼女は不思議そうに聞く。
「あー、えっと、その……前にも、ここに来たことがあるんだ!」
「そっか」
危なかった……もし自分が本当は中学生じゃないとバレたら、大変なことになるだろう。
「ところでさ、優愛って名前の生徒知らない? 告白できなかったんだ」
「優愛って、もしかして佐藤優愛……?」
「そうそう! 知ってるの?」
「知ってるって言うか……私のお母さん……なの」
「……?」
ちょっと待てよ!ってことは、この子は優愛の子供だったのか!?
どうりで色々似ていた訳だけど……それより、まさか俺に内緒で結婚してたのか!?
「じゃあさ、お母さんの代わりに私が告白してあげる! なんてね!」
え?ええ?
「早くいこ!遅刻するよ?」
「あ、う、うん……」
初日で恋愛めちゃくちゃ進歩してるーっ!
これって脈ありかな?脈ありだよね?脈ありじゃなきゃ何なのさ!
「先生!遅刻してしまい、ごめんなさいっ!」
湊は先生に謝る。
まさか、先生に言った初めの言葉がこれだとは。
「なにっ!初日から遅刻してくるとは……」
「ちょっと待ってください!私も遅刻しました!」
どうだと言わんばかりに胸を張る彼女。
「よし、じゃあスタンプを押してやろう。いいか、これが全てコンプリートしたら、君たちは……退学だ!席に行ってよし!」
「ねえ、告白のことだけどさ、あれって本当なの?」
2人は屋上で話し合う。
「あれ?ああ、あれね。もし君がいいっていうなら……私もいいよ? お母さんのこと知ってるなら、より安心だしね!」
えーと、つまり自分は昔の母親と今の子供を好きなったという三角関係を持っている訳か。何だか話がややこしくなってきたな……。
「優愛には言えなかった……けど、君になら言える……君のことが……」
「なにやってんの?」
一人の男子が聞いてきた。
「いきなり話しかけるなよ!」
「なんか、ごめん……。あのさ、朝の様子を見て思ったんだけど、2人って、もしかして…………付き合ってるの……?」