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　どんっ！

　目の前には、私がずっと好きだった男の子。
　お互いに見つめる、この雰囲気。

　こんなに顔が近いの初めて……！

「陽葵ひまり……！」
　彼は真剣な表情で私の名前を呼んだ。
　その一言に私はドキッとしてしまう。

「君のことが……！」

　やばい、やばすぎるっ！！

「……早く！」

　えっ？

　何処かからお母さんの声が聞こえてきた。

「だって、まだ心の準備が……」

　はっ！　はあっ……はあっ……。

　夢……だったんだ。

「心の準備って何よ。早く起きなさいって言ってるのに」
　お母さんは呆れている。

「もう！　折角いいところだったのにっ！」

「そんなの知らないよ。あ、そうそう、あなたに手紙が来てたよ」

　手紙……？

　お母さんは、そう言って私に手紙を渡してきた。