コメディ・ライト小説(新)

防災訓練 ( No.2 )
日時: 2025/05/27 18:05
名前: 小説好きな医師 (ID: lCrzzWFh)

「えー、ですから……」
(うるせえな、とっとと終わらせろよ)
 穂香は、そう思いながら、冷たい目で校長先生を見ていた。
 校長先生は避難の仕方について校庭で話していた。

(わざわざ校庭でやることでもないだろ。地震というより熱中症の危険性考えろやボケ! 生徒を真夏の 炎天下に入れさせるんじゃねえよ! しかも費用がないとかで一部の教室はクーラーねえしさ!)
 しかし、いくら愚痴を吐いても中々話が長いのが校長先生だ。
「では、これにて終わりにする。ただし、穂香さんだけは残っていなさい」
 「は?」と穂香は目を丸くした。他の生徒が次々に校舎へ歩いて行く。

「……なんで私だけ残すんですか! 生徒が熱中症で倒れてもいいんですか!」
 穂香は汗をかきながらも必死に訴えた。

 こんなの生徒虐待だ、酷すぎる。

「なんでだと思う?」

「…………」

「そうか分からないか。君は私を睨んでいたからだ。人が話しているときに、睨むとは、どういうことだ?」

「…………」

「まあいい、きちんと謝るまでは校庭に居な」
 酷い……こんなの体罰だ!! もう、日焼けしちゃうじゃん!!

 いくら穂香でも、季節は真夏。こんな日に外に行っていたら、とても、たまらないだろう。

 罰を受けてから10分後、穂香は徐々に汗をかいていく。
 その量は中々で、汗によって体育着の胸の部分が透けだしてしまう。
 穂香は胸が大きいため、体育着と確りと密着して透けやすいのだ。
 こうして見ると、中に着ているブラジャーの形、乳首の部分までなんとなく分かる。
 穂香はしばらくし、胸の部分が透けていることが分かり、慌てて手で隠すも、暑さに逃れることは出来ず、遂に「ごめんなさい……」と口に出した。こんなこと、言いたくはなかったが、この状況を乗り越えるには、こう言うしかないと思ったからだ。

「以後は気を付けるようにな」
 校長先生はそう言って、その場を去っていった。
 穂香も校長先生に続きながら、手で胸を隠しながら、ゆっくりと立ち上がり歩き出したのであった。