コメディ・ライト小説(新)
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- キミの隣に。『完結・コメント募集中(。>ω<)ノ』
- 日時: 2018/01/02 11:19
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
☆*・:・*☆
*17/05/07*
参照700突破感謝です!!
こんにちはこんばんは、ましゅです。初めましての方は初めまして!
開いていただき有り難うございます。
この小説はファンタジーな恋愛系です(
シリアスも入りますので、苦手な方はバックお願いいたします。
--☆*・:Episode:・*☆--
*登場人物*…>>2 >>17-21
*prologue*…>>1
*お客様*…>>39
コメント有り難うございました!
episode1.「for two months」
>>3-4>>8-9
episode2.「with a smile」
>>10-12
episode3.「Setting sun」
>>13-14>>22-23
episode4.「My wish」
>>24>>31-32
episode5.「white」
>>33-35
episode6.「remember」
>>36-38
episode7.「Starry sky」
>>40>>43>>45>>48
episode8.「emotion」
>>52-53
episode9.「Cultural festival」
>>54-57
episode10.「Music recital」
>>58
episode.11「Overlap」
>>60>>63-64>>67>>69
episode.12「Mystery」
>>70>>72-73
番外編「A wishful desire」
>>82>>85
※アニタについての話。本編に関係あるかもです。
episode.13「What I want」
>>77>>80-81>>86-87
episode14.「Prospective」
>>89-91
episode15.「Just looking」
>>92-93>>95-96
episode15.「surely」
>>97>>99-100>>102
episode16.「Enjoy the utmost」
>>104>>106-108
episode17.「chance」
>>109
episode18.「Boosting sound」
>>110
episode19.「Cultural festival」
>>112-114
episode20.「Next to you」
>>115-117
*epilogue*…>>118
~
一応ちょこっとプロフィールを…
ましゅと言います。絶賛金欠中(((誰得
……特に由来はないです。強いて言うなら、平仮名の名前を付けたかった←
年齢は中2です。2016年の7月頃からここにお世話になっております<(_ _)>
基本、運動は好きです。特にテニスとかバスケとか、球技系。
友達になってくれる方大歓迎です!!(。`・д・)/
「キミの隣に。」完結しました!
皆様有り難うございました。
- Re: キミの隣に。『コメント募集中(。>ω<)ノ』 ( No.110 )
- 日時: 2018/01/02 11:32
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
episode18.「Boosting sound」
10日前。11月15日――。
何だか疲れを感じて、私は屋上へと足を運んだ。この学校の屋上は結構広いのに、殆ど人が居ない。何か疲れを感じたとき、独りで居たいとき……ぴったりな場所だ。
柵へもたれかかる。昼休みが終わるまでにはまだ20分あるから、今日はここで過ごそう。誰もいないし。
「あーあ……青石くんに告白…ってどうしたらいいんだろうなぁ……」
浮かれすぎ、と思うかもしれないが、私の心の中はそのことでいっぱいになりつつあった。……文化祭一緒に回ろうと言って了承をもらっただけで、こんなに色々考えるなんて思考がお花畑みたいだけど。
――やっぱり、それぐらい嬉しいんだ。
私は決めていることがある。告白するなら、この屋上でしたい、と。特に何も意味はないけれど――理由を挙げるならここが一番、星空が綺麗に見えるところだからだ。
「――暗闇に光る星ー…貴方と一度、数えたい~♪」
音楽発表会の時に歌った、あの曲の歌詞。
心に残るこのサビの部分を忘れてはいない。
「歌、上手いんですね」
「っえ!?」
ドアが開く気配もなかったのに、誰かに突然声を掛けられた。
敬語だから一瞬知らない人かと思ったが、この声には聞き覚えがあった。
「…アニタ……?」
「ええ。今、お一人でしょう?」
「……う、ん」
アニタがわざわざ学校までやってきたんだから――何か大事なことでもあるのだろうか。私が身構えていると。
「これと言って大事な用ではありませんから、あまり身構えないでください」
至って落ち着いた声で私に言う。
ふっと力を緩めた。
「――青石さんに告白、するんですか?25日に」
「う……まあ、するために……ここに来たんだし……ね?え、そうだっけ」
せっかくのチャンスを与えてくれたのに告白しないなんて勿体ないけれど、私にはどうしても勇気が出なかった。
――私みたいな目立たない存在、青石くんのようなムードメーカー的存在の人に。
「黒崎さん。私のような身がアドバイスするのもなんですけど。元々私も人間だったんですよ――その時に私も、今の黒崎さんのように恋愛感情を抱いている人が居ました」
突然何を言い出すのか。
「……魔界にいる人って……皆、元は人間なの?」
「ええ。私は15年間人間でしたよ。今は人間と呼べるかは微妙ですが……話の続きです」
私はアニタの話に、耳を傾ける。
「―――私の恋愛感情はきっと届かなかっただろうと思います。皆にいじめられていたので。きっと人間界に戻ったとしても、私には絶対に叶えられないものでした」
アニタは他人事のような口調で話しているが、目は切なく……いつもの無感情な目ではなかった。
ちゃんとした人間のように、瞳には光があった。
「だから、黒崎さんのように…………叶えられる希望がある人に、叶えて欲しいんです。初恋、を」
私は叶わなかったので、と切なげに笑うアニタは、初めて本当の表情を見せていたようだった。
ずっと、全く正体を見せなかったアニタが。初めてと言っても良いほど、感情を見せた。
「綺麗事かもしれません。でも……伝えないまま終わるのが、どれだけ悲しいことなのか私には分かります。勇気を出せ、とは言いませんが……せめて私と同じような経験はさせたくないので――」
その時、ドタバタと……3、4人の足音と、かけ声と笑い声がこちらに向かってくるのを感じた。おそらく、昼休み中に鬼ごっこでもしている中学1年生だろう。
「――誰か来ましたね。では、私はこれで」
アニタはそれだけ言って、忽然と姿を消した。
ドアが中学1年生の男の子たちによって開けられるのと、アニタが完全に視界から消えるのはほぼ同時。
ドアが開く音は、まるで私の気持ちを後押ししているようで。
澄んだ青空を見ながら、私は教室へと戻った――。
- Re: キミの隣に。『コメント募集中(。>ω<)ノ』 ( No.111 )
- 日時: 2017/07/24 16:59
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
あと5~7話程度でこの小説は終わりを迎えると思います。
この小説をちらっとでも読んでいただいた方、コメントをくださった方のおかげでここまでかくことが出来ました。
文化祭は長くなりますが、完結まで見ていただけたら嬉しいです!
- Re: キミの隣に。『コメント募集中(。>ω<)ノ』 ( No.112 )
- 日時: 2018/01/02 11:33
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
episode19.「Cultural festival」
時は流れ今日は文化祭当日――。私がこの盛り上がりの光景を見るのは2回目になる。だが、気分は1回目より複雑だった。
明日には――……青石くんは。
完全に、私の前から消えてしまうのだ。
そう考えると私は急に元気が無くなってしまうのだが、今日は青石くんと文化祭をまわれる。なるべくポジティブに考えようとしてはまた気分が沈んでしまうのだが、私は何とか心を保とうとしていた。
「やっほ~、芽衣ちゃん!」
「……ゆかちゃん」
「どーしたの?今日文化祭なのに元気なさそうだけど」
「あ、いや…なんでもない、大丈夫」
ゆかちゃん――ゆかちゃん自身、青石くんのことが好きなのに私のことを応援してくれる。これほど優しい人なんて居るのだろうか。ただの私の欲望なのに自分から引いてくれるなんて。
最近知ったことだけど、やっぱりそう考えると胸が痛い。
「……青石と……楽しんでよね」
私が暗い原因が青石くんにあると思ったのだろうか、ゆかちゃんは私を気遣ってそう言ってきた。
少し寂しそうな表情――それだから、私の心が痛くなるのに。
「……ごめん……」
「何で謝るの…私の方が悲しくなるじゃん。お願い、私のためにも楽しんできてよ。やっと諦めつきそうなんだから!」
せつなそうに笑うゆかちゃんは本当に諦めがついているのか、その言葉に嘘がないのか心配になったが、私はとりあえずありがと、とだけ言う。
「あ、開会式あるんだよね?行こう行こう!」
「う、うん……」
話を切り替えてゆかちゃんは明るい声で言った。私は頷いて、走っていくゆかちゃんの後を追った――。
○*
文化祭が始まると、前半はゆかちゃんが上手くまわしてくれたようで私と青石くん、あと何人かの班のメンバーが自由行動の次巻になった。最後にゆかちゃんは「頑張れ!」と私を励ましてくれた。
「行こ、黒崎」
「うん……」
こうやって話していられるのも、今日と明日だけなのだ。
この時間中に、明日学校の屋上に来てって誘わないと――。
「お化け屋敷行く?」
「えっ…!?………うん…」
正直怖いけれど、これは何かのチャンスではないのだろうか。もう少しでも、あと少しでも近づけるチャンス――。
少々変な間を取ってしまったから青石くんは不思議そうな顔をしていたが、私たちはお化け屋敷に入ることにした。
- Re: キミの隣に。『コメント募集中(。>ω<)ノ』 ( No.113 )
- 日時: 2017/12/30 15:29
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
-
「………本格的……」
お化け屋敷に一足入ると、そこは遊園地で見るような怖いところと変わりない、すごく本格的な作りになっていた。こういうところを見ている時点では自分もまだ落ち着いて居るなぁと思ったのだが、お化けとかが出てきた瞬間に私は言葉を失った。
「………」
言葉を失ったというのはこれは本当のことで、……驚きで言葉を失ったのではなくただただ何も言えなかっただけだ。
そもそも私は、お化けみたいな存在と言っても過言ではないアニタを見てもただただ「誰?」としか言えなかったくらいだ。……割と自分でも落ち着いているのかもしれない。
「……黒崎、こういうの平気なの?」
「駄目だと思ったんだけど平気だった……」
少しだけ、怖がって青石くんに近づくというチャンスを逃したのは悔しかったけれどこれはこれで何だか楽しいなぁと思ってしまった。
○*
「お疲れ様でしたー!」
出口にいたお化け屋敷担当の子が私たちを明るく送り出してくれた。その子の目が少しだけ羨ましそうな目をしていたから何だか気分がよい。
今横にいる彼が、あと1日で無くなるだなんて信じられない。
「……黒崎」
「え?あ、ど、どうしたの?」
「……明日の夜って、都合ある?」
明日の夜――それって、青石くんが亡くなる少し前――?
けれどこのことを青石くんは知らないはずだから、私は平静を保って言う。
「ないよ」
「なら良かった、学校の屋上に来てくれない?」
「日曜日なのに?」
「うん。都合無いならお願い」
そう言った青石くんの顔はひどく切なくて、私は思わずどうして、と呟きそうになったが……見間違いだと自分に言い聞かせて意識を切り替える。
「……射的行く?」
「あ、行く!」
とりあえず、私はこの最後のチャンスを逃さないようにしよう。
もう今日と明日で一生過ごせなくなる――青石くんの隣で。
- Re: キミの隣に。『コメント募集中(。>ω<)ノ』 ( No.114 )
- 日時: 2017/12/31 00:24
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
-
「当たった!当たった…!」
「すっげ、俺全然当たらないんだけど……」
射的は適度な人数が並んでいて――結構すぐに順番が回ってきた。丁度2つのセットがあったから私たちは同時に始めた。
すると何と、景品を3つももらったという。そして青石くんは全然当たらなくて、または当たっても落ちなくて苦戦しているようだ。
……私、変なところで才能あるのかな。
「ではこれ、景品です!有り難うございました~」
「あ、有り難うございました」
合計10発を打ち終わり、私は景品を貰えたが青石くんは1つも貰えなかったようだ。
ちなみに私の当たった景品はクマのストラップが色違い…青色とオレンジ色で2個、よく分からないお菓子が1個。私は意を決して青石くんに言う。
「これ、要る……?」
そう言ってクマのストラップの青色の方を渡す。……明日にはもう会えなくなってしまうというのに、意味がないのに――私は何を言っているんだろう。
「あ、ありがと……大切にする……」
大切にすると言った君の声が震えているのは、どうして?
○*
文化祭が終わるのはあっという間で、もう私が青石くんと居られるのも24時間を切ってしまった。自分の家、いつものようにアニタが居る。
「良かったですか?文化祭」
「うん……多分……」
歯切れの悪い返事になってしまった。楽しいことには楽しかった。沢山笑えたし面白いことだってあったのだけれど、明日に青石くんが……その事実を実感してしまうと楽しめない部分もあった。
それに、彼は時々切なそうに笑っていた。
あの時は絶対、青石くんは自分自身が明日天国へ行くと言うことを考えていたんだろう。
「アニタ、明日……私、告白する」
「……そうですか」
反応はとても薄かったけれど、別にそれで良かった。その方が居心地がよい。
「ねぇ、青石くんが明日の夜屋上に来てって行ってたんだけど……なにか知ってる?」
「えっ……そうなんですか?でも丁度良いですよね、告白……」
「まあね……私も実は屋上に誘おうと思ってたんだよ、告白するとき」
青石くんの用件はよく分からないけれど、これから天国へ行く――それのカミングアウトか何かだろうか。そんなことされたら絶対悲しみで泣いてしまう気がするんだけれど……。
私は明日に備えて早めに寝ることにした。
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