コメディ・ライト小説(新)

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メイドさん、玉の輿狙い。【ラブコメ】
日時: 2019/08/19 04:26
名前: ハガ音 ◆qlZ12PpBk. (ID: 82jPDi/1)

「本日配属されました山田璃音です。どうぞ恋して玉の輿させてくださいませ、ご主人様」


 と言ったら捨てられました。腹が立ったので次のご主人様は落として見せます。






お金にしか興味ないがめつい守銭奴毒舌美形メイドと普通の少女漫画ならドS系として大成できた筈の貧乏めなお坊ちゃんの話。


なんとなんと、2年越しに更新再開いたしました。
大変長らくお待たせしましたというかなんというか……。
まったりやっていきますので、よろしければ見て行ってください。

若干修正しました。


Re: メイドさん、玉の輿狙い。【ラブコメ】 ( No.1 )
日時: 2019/08/19 04:39
名前: ハガ音 ◆qlZ12PpBk. (ID: 82jPDi/1)

「さっさと雇ってくださいませコノヤロー」
「さっさとお帰りくださいませ山田様」

 にこりとも笑顔を見せずこちらを押しやる元同僚。
 別に雇えとは言いません! 言いましたが!
 ただ今月分の給金だけほしいのです……あ、駄目ですかそうですか。

「チッ……」
「なんなんですか貴女は……」

 呆れた顔の元同僚。
 と、私の銀縁眼鏡がきらりと光ります。

「はっ、そうだお嬢様なら……」
「旦那様から絶対会わせるなと」

 チッ。駄目ですね、ここからは一円も絞れなさそうです。


 皆様ごきげんよう、山田やまだ璃音りのんと申します。どうぞよろしくお願いします。
 はてさて、私は本来、この家の主人であり、鷹宮企業のトップであるお方にお仕えするはずでした。
しかし。

「本日配属されました山田璃音です。どうぞ恋して玉の輿させてくださいませ、ご主人様」

 と、上記の言葉を正直にお伝えしたところ、何故か捨てられてしまったのです。くすん、私カナシイ。
 そんなわけで、中卒な私、ツテのあるメイド業でやるしかありません。他のご主人様を探すしかありません。因みに私、齢18でございます。世間の18歳は今頃青春を謳歌していることでしょう。



「というわけです、どうにかなりませんか叔父様。王手です」
「む……一応あるが、お前にも非があるからな、給金は少な目だ。……参った、強くなったな……」

 私、その『ツテ』こと『叔父』のところまでやってきました。いつものように将棋の相手をしてあげています。叔父様弱くなりましたね……ボケですか?

 給金少な目……お金、少な目……元ご主人様、許すまじ。

 因みに叔父様はお金持ちです。大金持ちのタヌキです。しかし私はとある方からこのタヌキから搾り取るのを止められています。金蔓が……。
 まあ口添えだけでも有難いです。

「どんなところですか」
「滝宮グループの跡取り息子のところだ。今は独り暮らし中。パッと見は金持ちだが、実情としては本家からの支援が乏しくあの家の息子にしては質素な暮らしをしている」

 ふむふむ。落とせば玉の輿も夢ではないと言うことですね! つまり私への密かな応援ですね!
 叔父様がとても微妙な顔をしています。何故でしょうかねえ。
 しかし、不思議です、質素な暮らしということは私を雇う余裕はあまりないのではないでしょうか。

「世話するやつが少人数といないと聞いて、哀れに思った俺が派遣することにした」

 そうですか。つまり向こうにとってはありがた迷惑というやつですね……。でもありがとうございます叔父様。

「借りができてしまいました……無事跡取り息子を落とせたら返します」
「おう、お手柔らかにしてやってくれ」
「では行ってきます叔父様」

 恭しく一礼して、私は応接間を出ていきました。





Re: メイドさん、玉の輿狙い。【ラブコメ】 ( No.2 )
日時: 2017/08/05 17:31
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: kct9F1dw)

こんにちは、四季です。お話読ませていただきました。
メイドもの良いですね。それも独特な雰囲気が凄く面白かったし、これからもっと面白くなってきそうですね!
また覗かせていただきます!

Re: メイドさん、玉の輿狙い。【ラブコメ】 ( No.3 )
日時: 2017/08/06 10:18
名前: ハガ音 ◆qlZ12PpBk. (ID: dDPEYPay)

四季様
閲覧ありがとうございます。
また除いてもらえるとは……有難いです。
地道にまったりやっていく予定ですので、これからもよろしくお願いします。

Re: メイドさん、玉の輿狙い。【ラブコメ】 ( No.4 )
日時: 2019/08/19 04:34
名前: ハガ音 ◆qlZ12PpBk. (ID: 82jPDi/1)

「というわけで、今日から宜しくお願いします」
「ああうん、つまり費用は向こう持ちって事か…………滝宮シズルだ、よろしく」

 流石に学んだので、正直な言葉はお伝えしておりません。


 お尋ねしたのは相当立派なお屋敷です。ただ人は少なく、私以外の使用人も数人です。"あの"滝宮グループの跡取り息子が……何やら事情があるのでしょうか。まあ深追いはいたしません。私が狙うは玉の輿のみ。ご主人様は優秀と聞いていますし、そんなご主人様と結婚すれば再建した滝宮家でハッピーお金持ちライフです。ビバ玉の輿!

 そしてどうやら私が使える事になった方は年下のようです。

 黒髪の美少年です。クールでカッコよくてお顔でございますが、身長はヒールを履いた私より低いのが可愛らしいです。ちなみに私はヒール込みで170cmを超えます。

「ちっちゃくて可愛いご主人様に支えることができて感激しております、これからよろしくお願い致します」
「それはその、不敬だろ……」
「あ、申し訳ございません。そういえばシズル様は学校はどちらへ?」

 ついつい本音が出てしまうのは治せそうにありません。
 不満気な顔で、シズル様が「……おういん学園」とぼそり、と言います。ふむふむ、超エリート学校ではありませんか。同時に非常に変わった所ではありますが。

「では私めも通わせていただきます」
「はっ⁉︎ いくら編入試験さえ受かれば入れるとは言え……無理だろう。最難関と言われいるんだぞ?」
「私、頭脳明晰ですので」

 訝し気な目で見られています。失礼な……事実ですよ? 愛の力もあります。
 叔父様に連絡して、手配してもらいます。……了承していただけました。

「編入試験へ行ってきます、失礼いたします」
「ちょっ、お前……!」

ご主人様は押しに弱い方でいらっしゃいます。扱いやすくて非常に助かりますね。




 やってしまいました。迷子になってしまいました。広いというのはわかっていたのですが……この広さはおかしいでしょう。
 しかし今日は休日、人は少ないので道を聞こうにも聞けません。困りましたね……。


「あ。そこの方、よろしいですか?」
「……ああ、もしかして僕の事か……? 何の用だ……?」

 眼鏡仲間を見つけました。私は銀縁ですが向こうは黒縁眼鏡さんです。しかし、とんでもない美形ですね。
 誰もが羨む艶々さらさらストレートの長髪金髪を一つ結びにしています。眼鏡で地味そうにしていますが全く抑えられていません。美女かと見間違えるくらいの美形で金髪碧眼が眼鏡どころで地味になるわけないでしょう……。ま、どうでもいいですが。

「会議室6とは何処にあるのですか?」
「向こうの階段を上ってすぐ左手だ……」

 …………。ふむ。
 なんかこの方疲れていらっしゃいますね。

 すると。
 金髪碧眼はゆっくりと私の方へ倒れこんできたのでした。

 凄い熱ですね。額に手を当てて熱を測る。39、40度……立ってるのも辛いはずです。誰がこんな無理をさせたのか。
 若干呆れながら、私は金髪碧眼さんを抱き抱えました。勿論お姫様抱っこで。勿論金髪碧眼さんは驚いて降りようとしていますが、離しませんよ。メイドは力仕事も務めますからこのくらいは普通です。

「保健室はどちらですか?」
「っ……む、こうの……階段、てま……え」

 かく、と金髪碧眼が気を失ってしまいました。
 さてさて、編入試験、どうしましょうか……?

Re: メイドさん、玉の輿狙い。【ラブコメ】 ( No.5 )
日時: 2017/08/22 13:09
名前: ハガ音 ◆qlZ12PpBk. (ID: dDPEYPay)

 

「凄いわ……全教科ほぼ満点よ……!」

 皆様お久しぶりです、メイドな山田です。

 走って金髪碧眼を保健室まで届け、走って試験教室までやって来ました。少しはしたなかったですね……反省です。


 ここの編入試験は変わっており、圧迫面接かは知りませんが採点が目の前で行われます。そんな訳で意地悪そうな顔をしたおねいさんが、何やら三流モブの台詞を吐いています。

「そうですか。合格ですね。ありがとうございます」
「……その見た目だから、何となく頭はいいと思ってたけどね」

 呆れたように言うおねいさん。あ、高島先生でしたか。そうですか。
 しかし……私の見た目とはどういうことでしょうか。もしかして、銀縁だけどぐるぐる丸眼鏡なこの残念眼鏡のことでしょうか。それとも太めの三つ編みでしょうか。しょうがないのですよ、私あまりにも美人ですから……。

「早ければ今週中には投稿できると思うわ。職員室に行って資料を受け取って頂戴」
「分かりました」

 ……まあ、先に保健室に寄るのですが。


 ・


「失礼致します」

 私が保健室に来た理由は一つ、なんかお礼してもらえないかな……という打算です。優しさなんてものとっくのとうに捨てております。

「来たのね。彼、もう結構良くなってるわ。……獅子戸くん、あの子よ」

 シャーッ、とベッドを隠していたカーテンを開けると金髪碧眼さんが。確かに大分良くなっているようですね。

「三年の、獅子戸……麗だ。助かった、ありがとう」
「ええ。人助けは大事ですから。山田璃音です。この度ここの二年生になりました」

 獅子戸さんですね。というか、何でしょう、名前にコンプレックスでもあるのでしょうか、言い淀みましたね。名は体を表すの典型パターンでいいと思いますが。

「礼は……僕は、生徒会長代理なんでな、何があったら言ってくれ、計らおう」

 ……即物的ではないですね。まあ良いでしょう。

「……わかりました。お大事にして下さい。私、今日は急ぎですので帰らさせていただきます」

 少しだけ、金髪碧眼さんが目を見開きました。はて? 何か変なことしましたか私。

 内心首を傾げつつ、さっさと去ろうとする。

「あら、もう帰っちゃうのね」
「はい。失礼致しました」

 ゆるりと頭を下げて、私は保健室を後にしました。





「……珍しいじゃない、あの子」
「まあ……な」

 普通の奴は、自分勝手にいろいろ喋りだすんだがな、と獅子戸はあの少女の名前は脳裏に刻むのだった。


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