コメディ・ライト小説(新)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

あやかし君にエールを
日時: 2017/11/07 04:18
名前: 逢葵 秋琉 (ID: Lr4vvNmv)

 初めまして(ではないですが)、逢葵あき 秋琉あきると云うものです!
名前を変えて再チャレンジです、今度こそ続けよう....頑張って(←

 更新はスローリー。亀以上にのろのろちまちま書いていこうと思います!
振り仮名付けられるの地味に楽しんですよね、ファジーの方にも付けて欲しいぐらいで

注意事項
荒し・チャンメ、誹謗・中傷禁止
誤字脱字が多く漢字の読み方が違うのが多い
スレ主が豆腐メンタルなので、辛口コメはしないようにお願い致します
妖もの系で、付喪神、動物の擬人化もあやかしに含まれている

序章プロローグ >>01-04(5頁予定)

Re: あやかし君にエールを ( No.1 )
日時: 2017/10/23 11:46
名前: 逢葵 秋琉 (ID: PNMWYXxS)

序章プロローグ 

 その日から、人間は減退げんたいした

 各国との戦争が激化エスカレートし各国同士が運悪く同時に最先端の兵器を使って、各国を攻撃し最悪の形で戦争に終止符を打つ

 生き残った人達も居たが、すぐに飢饉ききんに見舞われた。機械、農家、他国等に頼り、近所付き合いもない現代に戦争が起きたからだった

 崩壊した建物、跡形もなく消滅した民家、半壊した高層ビルに高速道路は崩れ、アスファルトには沢山のひびが入り割れてがり凹凸が出来て車やバイク、電車も使えず、携帯も電子柱や電波塔が無惨にも折られ、電波も届かず、移動手段は歩きで、廃墟と化した町、足場も悪く町の原型がなく、所々から異臭いしゅうが立ち込める

 水は汚染され、畑や田んぼは焼け野原にされ、家畜や動物は死に絶え、食べれる物が少なく黒ずんだ木々、酸素が薄く更には酸性雨さんせいうが降る。そんな自体が起き次第に人間は減退していったのだった___

 
 それから、数百年の年月が経った頃、とある変化へんかが起きる

 それは、空想上の生き物とされていたあやかしの姿があらわれたことだった

 妖は空想上の生き物ではなく実在じっさいしていて、昔から存在していたが、人間によって存在を不安定にされていて実体化することが出来なくなり、人間が書いた数々の本や人の影でしか生きれなくなっただけで実在する

 単に存在を不安定にさせた複製本や記述、曖昧な言い伝えが激減し、込められたものが効力を無くしたから、実体化出来、平安時代や江戸時代の頃のように地に足を着けたり、飛びまわり、様々な妖術を使う等、自由に思うままに動けるようになる

 あやかしにとってそれは喜ばしいことで多くの妖は復活するなり、とある事をしようとしたがそれは出来なかった

 そのとある事は人間が居て初めてなせる事だったが、肝心の人間が復活した際に見当たらなく壊滅した町並みを見て人間は居ないと悟り、心の奥底で物足りなさを抱えながら暮らし始める

Re: あやかし君にエールを ( No.2 )
日時: 2017/10/24 11:54
名前: 逢葵 秋琉 (ID: SkZASf/Y)

___
 
 ざくざくと地を踏みしめ、口笛を吹きながらかろやかに歩いている少年が居た

 歩いている所は、道路だったらしく白いラインが入っている黒道こくどうの割れたヶ所かしょから植物が隙間を埋めるようにえているのを見ては顔を突っ込んで何かを探ように顔を動かす

 すると、草むらから何かが黒道に飛び出るのが目の端に映り、少年はがばっと顔を直ぐ様上げて何かを目視する 

 その何かは、土蝗ツチイナゴだ。少年は土蝗を見るなり満面の笑みを浮かべて垂れ下がっている自身の赤毛の尻尾を左右に揺らしてから、狙いを定めるかのように目を吊り上げ、口を大きく開けたまま土蝗に飛び掛かった

__ぱくっ....がりっじゃりじゃり、ごくんっ

「うへえ、まっず! ほぼ砂の味しかしないじゃんか、このイナゴ!」

 砂払ってから食えば良かった と、食べた後から気付くのは何時もの事で先程の満面の笑みは何処にやら少年は不機嫌そうにムスリと口をとがらせて、水を飲みに行こうと気をとり直して顔を上げる

 しかし、今度は蝶々ちょうちょが目に止まり、目を輝かせてひらひらと舞い踊るように飛んでいる蝶々に駆け寄ると食おうとしているのかまたも口を大きく開け蝶々目掛けてジャンプし食らい付いた

 白い鱗粉りんぷんくわえた瞬間に舞い、口の回りを白くするが少年は構わず口の中に放り込み、咀嚼そしゃくする

「うん、さっきのよりはうまいな!」

 少年は口の回りに付いた鱗粉を舌で舐めとってから、満足したのようにはっきりと言っから、やっぱ、チョウチョだな! と両手を上げて空に向かってえてから、再び軽やかな足取りで川へと向かう

 南からいてくる暖かい風が、春だと告げていて風と共に桜の花びらが少年の前を横切り、少年は花びらが来た方向を見て

「やっと、やっと.....お前にも花、咲いたんだな!」

 まるで、友に話し掛けるように黒ずんだ桜の木に花が咲いているのが分かると、感極かんきわまってか、涙目になりつつも嬉しそうに大きな声で告げて、今度は四足になって桜の木の元へ二足歩行の時より何倍も早く駆け寄る

Re: あやかし君にエールを ( No.3 )
日時: 2017/10/31 01:51
名前: 逢葵 秋琉 (ID: 8topAA5d)

___

 あやかしが、地上で暮らし始めてから三回目の春になる

 少年は、声を掛けたくろずんだ桜の木の上に気付いた時には居て、それから、この桜の木を拠点にいや、目印に見える位置までの距離しか周囲を散策さんさくしていなく少年にとってはなくてはならない桜の木だった

 自分が気付いたら居た場所だからでもあるが、何よりこの桜の木が開花する所が見たいと云う理由で、離れることもなく逆に面倒を見るようになる

 あの戦争で大きな深傷ふかでって黒ずんでしまった桜の木でもうかれこれ数千年は経っているため、他の桜の木に比べても大木で他と違うのは見た目が未だに黒いことだった

 最初はそう。そういう種類かと思っていたが、少年の一回目の春で、この桜の木が咲かないことを知ってから見たい気持ちがより高まり、甲斐甲斐しく少年なりに桜の木の世話をする

 当然、植物の知識など知らなかったが兎角とにかく、見たい一心いっしんで少年を突き動かし、やっと三回目の春に花を咲かせた

 少年がやったことは、桜の木に付いた雪を払ったり、暑い時には水を掛けてやったり、風が強い時には瓦礫の山を周りに積んで壁にし雨が降ったら離れた場所から土を持ってきて根本に掛け、寒い時は傍に寄り添い寝し、毎日語り掛けるということ

 特に語り掛けることに対しては一番欠かさなかった所で、少年はすっかり友感覚で、桜の木に語り掛けることが日課になっていて、友が元気になったと素直に喜び、嬉しさでいっぱいだった少年に更に嬉しいことが起きる

 少年が桜の木に抱き着くように腕を回しかけた刹那せつな、桜の木からあわく暖かな光を放ち、光がむと同時に少年の腕の中には少年と同じ背丈せたけか少年よりやや低い少女が居た

「へ? あれ....己等おいら、確かダチと...うん??」

 本来なら腕の中におさまることは大人でもすら、無理な大きさだからかすぐに異変に気付き、潤めの眼を袖でぬぐうようにこすり腕の中にすっぽりと収まる少女を見るも、状況が理解出来ずに頭にはハテナマークを沢山浮かべて口にする

「あ、あの....助けて頂いて有り難う御座います。 私は、桜の木の精霊せい。 貴方あなたのお陰でこうして話すことも出来るようになりました」

 少年の腕の中で、閉じていた瞼をゆっくり開けて僅かに頬を赤らめつつ、少年に寄り掛かるようにしていた体を正すと、目を合わせられないのか逸らしながらも、仰々ぎょうぎょうしく敬礼おじぎしてから、静かにしかし、それでいてはっきりと告げる

 桜の木の精霊。文字通り種族の名称で、この桜の木の本体に近く千年以上経つと精霊せいれいになり、言葉を話し実体化するとされていて少年が世話をしていたのは桜の中でも長く生きているためと少年が、瀕死ひんしの自分を助けてくれたので成し得たことだった

 名前は、ないから種族の名しか名乗なのれないことに歯痒く思いながらも少女は、赤らめたまま少年を見る

「っそっか! お前が、この木のあるじなんだな! 礼なんて良いって良いって!」

 わはっと思わず嬉しさで顔がほころび、少女の両肩に手を置くように優しく掴み、よく見せろと言わんばかりに自分と少女の距離を少しだけ離し少女の顔を見てから再びぎゅっときつく

 少女が、実体化した事、話が出来た事に対して喜びつつ明るい声音で無邪気に名乗った後もその事を噛み締めるように何度も良かった! と繰り返し告げる

 それから、抱きつくのを止め再び距離を空けて

己等おいらは、焔猩えんしょうだ! 改めて宜しくな!」

 ニカッと笑みを浮かべて名乗った焔猩は、直ぐ様握手を求めるように少女に手を差し出した

Re: あやかし君にエールを ( No.4 )
日時: 2019/08/15 22:28
名前: 逢葵 秋琉 (ID: xyOqXR/L)

___

 少年の名は、焔猩えんしょう。赤毛の長い尻尾よりも鮮やかな赤の耳下まで長いツンツンした髪に動きやすい和装を着ているが、足元は裸足

 二足歩行より四足歩行の方が早く動けるのは少年が、猿のあやかしで翡翠色のややつり目にまだまだあどけなさが残っている顔、特徴は足首まで長い短毛の赤い尻尾だ

 そして、桜の木の精霊せいの少女は、つやめかしい黒の真っ直ぐな腰の辺りまである髪、薄桃色の瞳に巫女装束の姿をしていてぐに焔猩に舞桜まお名付なづけられた

 舞っている桜はまるで踊るように綺麗だから、舞う桜、舞桜だとそんな安直且つ分かりやすい名だったが、少女は気に入り助けてくれた上に助けてもらった人から名を頂けることに対し、嬉しくまた感謝の意を込めて礼を敬意を精一杯伝える

 舞桜と出会って以来は桜の木の下が少年の拠点になり、自分が付けた舞桜と云う少女が実体化したことにより、桜の木の状態が分かり、普通の植物では成し得ないことが出来た

 それは、少女がしょくすことで、桜の木も元気になることだった。舞桜が笑う度に桜の木も花を開花させ、元気がないと桜の木もしゅんと見るだけで分かるような変化があってより一層、焔猩は舞桜と居ることが多くなる

 何より、焔猩は復活してから他の種族ものと会ったことがなく、ずっと一人で散策したり食べ物を食べたり遊ぶことをしていたためか、舞桜と直接話すことが出来るのが楽しく植物に関する知識を知らなかった焔猩でも、まだ本調子じゃない舞桜に直接何かをしてあげられる状況になり、より一層、面倒を見るようになっていた

 舞桜と居るようになってから約半年が過ぎたある日

 焔猩は、朝餉あさげになる食料を調達しに桜の木の上から飛び降り、蔓、蔦等を使って作られたかごを手に持って桜の木を、正確には木の上に居る舞桜を見て

「舞桜。 行ってくる! 魚、いっっぱいってくるからな!」

 満面の笑みを向けながら、篭を持っていない手を大きく左右に二回振ると身をひるがえして川へと向かって歩き出す

──季節は秋。
 焔猩と同じくらいかまたは焔猩よりも高い木々が、色付いろづいている様は目を奪われるほど美しい光景で、見ているだけで楽しい気分になったのか、自然と口笛を吹きつつも歩く

 いつの間にか、手に持っていた篭は自分の足首まで長い尻尾で篭の持ち手部分を器用に巻き付けていた。一つ一つ違う色付きをしている木を見てはまた歩くを繰り返す内に川へ辿たどり着いたのか、木々から視線を放し前を見る

 そして、焔猩は尻尾に巻き付けていた篭を地面に置いてから、川に目掛けて走ると勢いよく飛び込む。水深は焔猩の首辺りまであり、そこそこ深いため飛び込むことが容易に出来る。自然の中にある川じゃなく人工的に作られたいや川だった場所を埋め立ててあった場所が崩れ、埋め立てられていない川と混じり広がった川だ

 そのため、地面は一見緑に覆われているがよくよく見ると灰色でコンクリートの残骸が至るところにあり、足場は凸凹していてあまりよくはないが焔猩にとってはいや、動物のあやかしにとっては関係ないに等しく、余所見していた焔猩ですら、難なく歩けて焔猩はケンムンに近い猿の妖で、水中でも息することが出来るので飛び込んだっきり顔を出すことはなく、閉じていたまぶたをゆっくり開ける

 焔猩の周りには飛び込んだ衝撃なのか、魚は居なかったものの、遠くの方に目を映すと魚が居るのを見つける。川魚は勿論居るが、化学物質によって変異した魚も居た。その化学物質によって変異した魚の見た目はグロテスクでひれはなく頭でっかちな胴が長いものが多く焔猩はその魚を『延畔のぐろまたは延畔のぐ』と呼んでいた

 延畔は不味そうな見た目だが、どんな川魚よりも美味しく蕩けるような舌触りと甘い身が特徴で味付け要らずだが、尖っている歯には毒があり、絶命するとその毒が胴まで回り食べられなくなるため、即座に絶命する前に胴と頭を切断しないと食べられない。少し面倒な魚でもあるが、焔猩はそれはそれで良いと思っている

 何せ、舞桜にその見た目を見せることがないからだ。もし、見せて食べたくないと言われたらそれはそれで嫌だと思っているためその点は問題ない。問題ないが──延畔は強い魚を親分ボスにしている傾向があり、自分より弱い者をとしか見えないことだった

 そう、延畔は雑食で忘れっぽく例え、毎日戦いに勝ったとしても親分ボスには成れないのが現状で、毎日、延畔の群れに襲われるので大事な尻尾が喰われそうになるのが来る度にある

 ....尻尾が喰われそうになるのはちょっと嫌だけど、延畔のぐは季節関係なく居るしうまくってどんな魚より栄養あるって思うから頑張って大漁に捕るぞ! 
 
 水中に居るため口には出さないものの、遠くに居る魚たちを見据みすえながら尻尾が喰われそうになる状況になろうともまだまだ体力、気力も万全じゃない舞桜を思えば延畔を狙う理由にはなり、意気込みを表すかのように拳を作っておー!と云うように拳を突き上げてから、延畔を捕まえに泳ぎ出す

 焔猩が動く度に水面みなもが揺れるのを見ていた種族ものが居た。その種族の内一人は目を凝らすように川の水面を見ていてもう一人はその様子を心配そうに後ろから見守るようにしていたが、やがて

「なあ、朱狸しゅり。 そない顔近づけとると落ちるで? 危ないから下がっときー?」

 背を向けて水面に顔をすれっすれに近づけているのか、此方からは頭は見えないがかろうじて分かる体型たいけいと動きやすくも可愛らしい色合いをしている和装で少女だと云うことが分かる。朱狸と云う名前のようで呼ばれたために少女は水面から顔を上げて呼んだ人の様子を見るように一度振り返ってから前、川の方に向くと

「わりい、蛇月いつき。 ちょいとばかし俺らが探していた人じゃねえかと思ってよう! けど......」

 朱狸は、ため息と呆れたような声を受けててっきり相手が怒っていると思ったが、心配そうな眼差しを見て嬉しそうにへへっと頬を指で掻きながら笑いつつ、心配させたことに対して詫びを入れてから見ていた経緯を話すも、朱狸は目線を水面に向けて声のトーンを下げた

 朱狸の声が小さくなったことにゆったりとした着物に藍色の肩につくかつかない程度の真っ直ぐな髪に陶器のような白い肌と紫の切れ長の瞳、頬には鱗のようなものが生えている蛇月と呼ばれた青年は一定の距離を保っていたものの、朱狸の様子が気になって近寄りながら 

「けど、何や?」




ーーちょっと一時保存しますーー

Re: あやかし君にエールを ( No.5 )
日時: 2019/04/16 21:20
名前: 逢葵 秋琉 (ID: as61U3WB)

 この名前ではお久し振りです。
暫く更新を休止して居ましたが、またこのあやかし君にエールを。の続きを書いていこうと思います。

 別のハンネでは、小説擬き書いていたのですが、このあやかし君にエールを。は白紙の状態から、正しくは書いてからプロット作りに入ったのでスランプ状態でした。そして、もう1つの小説もスランプでしたか、続き書いていこうと思います。

 また、スランプが度々あるかもしれませんが亀よりも遅い更新で書いていきます。皆様、此れからも宜しくお願い致します。


Page:1