コメディ・ライト小説(新)
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- ⚠︎不思議系美少女にご注意を
- 日時: 2018/01/18 12:02
- 名前: 千春 (ID: dZI9QaVT)
こんにちは!千春です。
今回は初めての学園恋愛小説です。
高校生の恋ってキラキラしていて甘々でこれぞ青春!というイメージがありますが、
本作にはほとんどその要素はありません。
この物語は予測不能なコメディ恋愛小説となっております。
主人公は不思議系美少女、美桜。
彼女の奇想天外な行動はきっと読者を驚かせる事間違いなし。
そんな美桜はクラスの人気者、翔に恋をしてしまいます。
何とかして両思いになろうとあの手この手を使う中で多くの人が厄介な事件に巻き込まれてしまいます。
遂に彼女の恋は学校を巻き込む事に......。
藤崎 美桜の恋の行く末はいかに!?
登場人物
藤崎 美桜
南清高校2年生。
黒髪の美少女で成績は常に学年トップ。スタイルも抜群。
だが、性格に重度の問題アリ。
クラスから「変人」と呼ばれて敬遠されがち。
唯一、小学校からの幼馴染麻莉とは話せる。
佐々木 麻莉
美桜のクラスメイト。語り手。
いつもテストの点数が美桜に負けていて悔しがっている。
美桜を観察するのが趣味。
この物語の影の立役者。苦労してます。
谷垣 翔
美桜のクラスメイト。
イケメンで優しくてクラスの人気者。
爽やかでいつも彼の周りがキラキラ輝いていて麻莉から「マイナスイオン」君と影で呼ばれている。
白咲 麻依
美桜のクラスメイト。
クラスのマドンナ的存在で顔も可愛い。
クラスメイトを気にかけるなど優しい心を持っている。
- Re: ⚠︎不思議系美少女にご注意を ( No.26 )
- 日時: 2018/02/03 17:34
- 名前: 千春 (ID: 5obRN13V)
「うわぁおいしそー!」
あみは目をキラキラさせる。
麻依はよくお菓子を作ってみんなに配っている。
味の評判も良い。
「いっぱい食べてね」
麻依はまたにっこりと微笑んだ。
その完璧な笑顔にあみが殺られる。
「じゃあ、いただきまーす」
あみはブラウニーを口の中に入れる。
その瞬間、彼女の表情がぱっと明るくなった。
「うーん、美味しい!」
ほっぺたを押さえながらあみは幸せそうな顔をする。
「良かった。麻莉も良かったらどうぞ」
そう言っていつものように私に箱を差し出す。
私が遠慮していると思ったのか。
「あー、じゃあ頂いちゃおっかな」
私はなんとなく空気を読んでブラウニーを手に取る。
本当は私、甘いのが苦手なんだけど。
断るのも悪くて毎回食べている。
「美味しい」
私は笑顔を作って無難にコメントをする。
「良かったー。じゃあ私、他の人にも配ってくるね」
そう言うと麻依は他の人の所へ配りにいった。
「本当料理上手だなぁ」
あみは呟いた。
そうだね、と返す。
教室の後ろの方で男子達が固まって麻依から貰ったブラウニーを嬉しそうに頬張っている。
その隣の席にはあの変人。
だけど、彼女はいない。
- Re: ⚠︎不思議系美少女にご注意を ( No.27 )
- 日時: 2018/02/05 12:30
- 名前: 千春 (ID: dZI9QaVT)
いつも1人で黙々と昼ご飯を食べている姿が目に浮かぶ。
麻依は美桜の机にティッシュを敷き、その上にそっとブラウニーを置いた。
お供え物みたい。
美桜と仲が良いわけでもないし、ましてや今ここに居ないのにわざわざ置いておくなんて優しいと思う。
返ってきたら驚くだろうな。
ていうか美桜はどこいったんだろう?
考えるが、見当がつかない。
そして、私は彼女の行き先を数時間後に知る事になるのだった。
- Re: ⚠︎不思議系美少女にご注意を ( No.28 )
- 日時: 2018/02/05 19:11
- 名前: 千春 (ID: dZI9QaVT)
「それで家ってどこか知ってるわけ?」
放課後、私と美桜は前田さんの家に向かう。
本当は行きたくないけど。
直前でも断れば良かった。
内心そう思いながら出来るだけスムーズに行くことを願う。
「うん、知ってるよ。確かこの坂を上って右に曲がったとこ」
「へー、ここらへんなんだ。ここ初めて通る。
ていうか、前田さんの家知ってたんだ」
「それは......いや、えっ、そのっ」
美桜はいきなり目を左右に動かして体をくねくねと動かす。
挙動不審だ。
なにコイツ。
「気持ち悪いよ、その態度」
「わ、私は天に導かれて前田さんの家に向かってるのよ!」
「は?」
お前は天に召されろ。
私は美桜と距離を置いて歩く。
こんなやつと隣に歩きたくない。
そして、ふと私は美桜が片手にぶら下げているレジ袋に目がいった。
「その袋の中に何が入ってるの?」
- Re: ⚠︎不思議系美少女にご注意を ( No.29 )
- 日時: 2018/02/06 17:35
- 名前: 千春 (ID: dZI9QaVT)
私は一定の距離を保ちながら恐る恐る尋ねる。
「これねー、前田さんへの手土産。突然押しかけちゃうから」
美桜はそう言ってガサゴソと袋から何かを取り出した。
意外と気がきくやつだ。
私は美桜ってこういう気遣いは出来るんだなぁと少し見直す。
まぁ、当たり前なのかもしれないけど。
「じゃーん、みんな大好きところてんでーす!」
美桜はニコニコと嬉しそうな顔をする。
「......。」
私は言葉が出てこない。
唖然とした。
「どうしたの?」
美桜は首を傾げて私の顔を覗き込む。
シンプルに息が臭かった。
すると、私の何かがプツンと切れた。
美桜に鋭い目線を送って一気にまくし立てる。
「美桜、あんた本当に前田さんを学校に連れてくる気ある?
他に手土産になりそうなのあるでしょ。
何でところてん?チョイスがまじで不明。
女子高生がところてんで喜ぶか?え?」
ツッコミ所が満載で息もつかずに思った事を述べた。
美桜はそんな私を見て少し驚いたのか、目を丸くする。
彼女にはもう少し普通の感覚を持って頂きたい。
そして美桜は不思議そうな顔で私を見つめて一言。
「ぬ?」
"ぬ"じゃねーーよ!!
- Re: ⚠︎不思議系美少女にご注意を ( No.30 )
- 日時: 2018/02/10 23:11
- 名前: 千春 (ID: dZI9QaVT)
ったくこれだから美桜は......
先が思いやられた。
ごめんね、前田さん。こんな変人が押しかけてしまう事になって。
美桜はところてんのパッケージを撫でるとぎゅっと抱きしめた。
優しくそっと。
私はやばいのを見てしまった気がしてぱっと目をそらす。
今のは何?
それぬいぐるみじゃないから。
「もちろん、麻莉の分もあるからね」
「いらない」
美桜はえー、というような表情をする。悲しそうだ。
「ていうか、ところてん好きだったけ?初めて知った」
私は敢えてスルーして尋ねる。
美桜とは小学校からの付き合いだけど、ところてが好きなのは正直驚いた。
まぁ、変わったもの好きそうだけど。
「うん、高校に入ってからね」
「何それ?それまでは好きじゃ無かったって事?」
「んー、高校に入ってから一気にところてんに目覚めたというか」
「......へぇ」
正直よく分からないけれど、味覚は急に変わるのか。