コメディ・ライト小説(新)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ,..
- 日時: 2020/08/16 22:11
- 名前: 灰狐 ◆R1q13vozjY (ID: gznRsWt8)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12213
※大人カキコのなりきり板にあったものを小説として書き出しています。
※キャラクターは参加者様からの許可を得ていないものは使用しておりません(基本的にはスレ主のキャラのみ)
※大人カキコなりきり板にあるスレのスレ主=当スレのスレ主です
※この作品の更新催促はご遠慮願います
―― 目次 ――
□零章:無名の人間(>1-2 >>5)/零話>>1 一話>>2 二話>>5
□一章:ようこそ我が家へ(>>6-)/一話>>6 二話>>7-
―― 切番・御知らせ 等々 ――
◆2018/1/1 小説執筆開始
◆2018/6/25 親記事(>>0)編集/お客様欄追加・目次編集
―― 閲覧・コメントありがとうございました ―――
■お客様■
・てるてる522 様
- Re: 零章・零話/修正×2 ( No.1 )
- 日時: 2018/06/03 12:58
- 名前: 灰狐 ◆R1q13vozjY (ID: T0oUPdRb)
【零章・零話~無名の人間】
もし、君が死んだとしよう。いいかい? 自分が死んだ時を想像するんだ。
その時、君は何が思い浮かぶだろうか? 死後の世界とやらか、悲しむ家族の顔か。それは人によって違うのだろう。少なくとも僕は家族だ。
そして死ぬ日。所謂命日というもの。僕はそれが平均よりも早く訪れた不幸者。死ぬというのは呆気無いもので、痛みすら感じず気が付いたら死んでいた。仮に、死因が事故死という僕の場合であるが。それでも、まだ死んだと決まった訳では無いのが事実でもある。だって、まだ死んだという報せは届いて居ないのだから。まぁ、それでも目が覚めたら、人間味の欠片も無い者に見られているという時点で死んでいない等の可能性は薄いけど。それに加えて見覚えの無い部屋とベッドに寝かされている時点で異常だけど。明らかに病室じゃないし。
だらだらと脳味噌を掻き回す様に僕の思考は動き始める。まるで、変えようの無い現実から逃げる様に。
「......所で誰ですか」
「閻魔です」
僕の傍にずっと佇む、ビール腹のおっちゃんに問い掛ける。無駄に出た腹と、それに似つかぬ黒髪おかっぱヘアーを揺らして閻魔とやらは微笑んだ。糞っ垂れ。そこは何とか言えよ、平気で閻魔とか言うんじゃねぇよ。もしかしたらまだ生きているかもなんて言う薄っぺらい希望を踏みにじった癖して、そいつは新たな希望を掲げた。
「いや、でも君を裁く訳じゃないから。寧ろ救世主よ? 君に、情けで第二の人生をプレゼントしに来たしさ?」
口に笑みを浮かべて、まるで問い掛けるみたいに閻魔は少し首を傾げる。何かを企む様な悪戯っ子みたいな顔は幼いながらにも、何処か有無など言わせないものが有った様に思う。否定するようにブンブンと顔の側で振られていた手は、いつの間にか僕の手を包むように握っていた。絶対に逃がさない。そんな思いが伝わる程に握る力は強い。
第二の人生。裁くって何だとも思ったが、そっちの方が勝った。その言葉の響きは恐ろしい程に輝いていたから、直ぐに魅了されてしまった。だって、死んでいる人にとってはメリットしかないじゃないか。
「第二の人生って?」
「そのまま。......ま、運が悪けりゃ始めは苦労するよ。でもね、君の居た世界に戻れる訳じゃない。......んーと、君の世界で言う転生ってやつかな? それとは違うね」
僕の質問が予想通りという様に閻魔はフッと笑った。閻魔の態度が馬鹿に大きいのに、あーだこーだ言えないのがなんか癪に障る。
転生とはまた違う? なんだそれと言う様にこてんと首を傾げてみる。閻魔は考える様に声を溢すが、直ぐに「体験した方が早い」と腹をボヨンと揺らしながら言った。その顔に飾られたのは、愉しそうに笑う不敵な笑み。
僕はそれを、この世界での最後の記憶とでも言うべきなのだろうか。
- Re:零章・一話 ( No.2 )
- 日時: 2018/06/03 12:59
- 名前: 灰狐 ◆R1q13vozjY (ID: T0oUPdRb)
【零章・一話~無名の人間】
『次のニュースです。○日未明、男子高校生が軽自動車にはねられるという事故が起きました。軽自動車の運転手は未だ逃亡中で、警察の方は轢き逃げとして捜査を進めています――軽自動車のナンバーは××××。被害者となった男子高校生の名前は――』
暗い。何も見えない。まるでブレーカーが落ちた家の様。
そんな中、ニュースのような朗読が入り始める。その滑舌の良さはベテランのアナウンサーのようで、それが決して悪戯でもなんでも無い事が分かる。これは、本当に起きた話なのだ。そしてそれを、気でも狂ったのか真っ暗闇の中で垂れ流しているだけに過ぎないのである。
『未だ、不明です――』
ただ一人、朗読者が悲しそうに告げるだけ。
◆◇◆
嗚呼、この店ももう閉めて仕舞うのか。赤く澄んだ真ん丸い陽が傾いて弾け飛ぶ。そうして辺りに赤色の色水をぶしゃあと撒き散らす。その色水を排除するように出てくるのは、只々深さを増していく青の空。それを僕は、窓から見つめていた。恐らく周りには、耽っている、ボーッとしているなんて思われていたんじゃないか。
僕はいつの間にか、一も十も知らない様な店へと居候する事になっていた。全く訳が分からないが。いつこんな所に来たのかも分からないし。店の主人が言うには「閻魔様の頼みじゃあ。大丈夫、引き取り手が見つかったらそっちに引き渡すさ」らしい。閻魔が根回しをしていたのだ、つまるところ。そして何が大丈夫なのかも分からない。意味が分からない。店が泊めてくれるような店じゃなかったから何となくは察してたけど。引き取り手って早々簡単に見付かるもんじゃない。
「おーい、坊主。片付け済んだぞー」
「あっ、はい」
そうだった。店仕舞いが済んだら、一緒に引き取り手を探そうなんて話をしていたんだ。相変わらず威勢の良い主人の声。思わず敬語になっちゃうよなぁ。別に構わないんだけどさ、喉が渇れたりしないのかな。
要らないだろう心配をしながら返事をし、タッタッタと足音を立てながら主人の元へと急いだ。主人は何処か険しい顔をしている。常連客が言うにはいつもの顔らしいが、始めは誰だって怒ってるのかと思う。そんなこと言ったら主人と常連客に笑われたけど。そんな顔付きのまま、僕と主人は机を挟んで向かい合わせになった。
「ンまぁ、引き取りの事だけど。早々誰かが引き取ってくれる訳でもねぇ。それは坊主でも分かるよな?」
「はい」
「ン、そうか。まぁ......可能性があるとしちゃ、これに載ってるもン位か」
主人はいつになく真剣な顔をしている。それほど重大な事だと思っているからかな。そりゃあ、そうか。いつかは引き渡すと言え、今はまだ僕を匿う身なんだし。主人は、パンフレットのような折り畳まれた紙を机の上に差し出した。それも半ば僕に向かって放り投げるように。
パンフレットの中身はよくある旅行者向け......ではなく、チラシ染みたものだった。求人紙みたいなやつ。
「んー? そ、荘......ですか」
中身は殆どが荘だった。アパートみたいな建物ばっかり。それでも、この紙に搭載されているのはシェアハウス用なんだと紙の端っこに小さく書かれている。というか、家賃とか最大人数とか書かれていないことに一種の恐怖を覚えるんだけど。大丈夫なの?
「荘だ。シェアすることになるが、これなら引っ越しという体でいけるだろ?」
主人ははははと笑いながらそう言う。確かに主人の言う通り引っ越しという体ではいけるけどね。いつの間にか葉巻吸ってるし。葉巻って臭い。
「ンー、あ、これも渡しとかんとならんな。ほいっ、そこに載ってるやつの詳細みたいなやつだ。載ってるものは多い、だから慎重に選べよ。焦らなくても良いからよ、ゆっくり選んでくれ」
パサンッと音を立てて、小さな積みを立てるのは同じくパンフレットのように折り畳まれた紙。それが四、五ほど。ちょっと中身を覗いてみたが、主人の言う通りこの紙に載っている建物の詳細がことごとく載っていた。さっき心配していた家賃とかも全部載っている。僕はそれを手に掴み、求人紙のような紙とその紙の束とを重ね合わせた。これは僕の将来に関わるものだ。大事に持っておかないと。重ねて分厚くなった紙束をポケットの中に無理矢理ねじ込んだ。
主人はもう居なくなっていた。もう用が済んだからだろうか。多分自室に居るんだろうけど、わざわざ礼を言うまでも無いのかな。自室にまで押し込んだ結果が目に浮かぶ。とりあえず、僕も寝る支度をしよう。
- Re: 【小説版】おいでませっ、我が家へ! 【不定期更新】 ( No.3 )
- 日時: 2018/01/05 23:39
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
こんばんは。
いきなりお邪魔してすみません( ºΔº ;)
……気になって見てみましたら、大人カキコの方でのものということだったので驚きました。
未だに一度も行ったことがないんです笑
死んだ時を想像……小説を読んでいきなり何を言うんだろうかと戸惑いつつも私も一緒になって死んだ時を考えてみました。
私は死後の世界はどんなものだろう、というのがパッと思い浮かびました。
(もちろん家族のことも考えました笑( ̄▽ ̄)←)
ビール腹の閻魔さんが、好きです笑(*´`*)
個人的にビール腹っていうところがすごく好きです笑❀.(*´ω`*)❀.
ニュースの文章とか、すごくリアリティがありましたし心情描写とかもすごく丁寧で読んでいてすごく面白かったです。
内容とかもすごく現実味がないとかそういうわけではないからすんなりと頭に入ってくるから読みやすくて、早くも続きが読みたくなってます笑
比喩もすごくて……さっきから「すごい」の連呼すみません( ºΔº ;)m(*_ _)m
語彙力が乏しい(´;ω;`)
また読みに来ます(*゚▽゚)ノ
私自身も不定期でふらっとカキコをまわるので、しばらく間が空いてしまうかもしれませんが……。
無理ない程度に更新頑張ってください٩( ᐛ )و
お邪魔しました。
byてるてる522
- Re: 【小説版】おいでませっ、我が家へ! 【不定期更新】 ( No.4 )
- 日時: 2018/01/07 01:21
- 名前: 灰狐 ◆R1q13vozjY (ID: dOS0Dbtf)
>>3/てるてる522様
こんばんは。初めまして、てるてる522様。
数ある小説の中から、それも夜遅くに来訪して頂き有り難うございます。
まさか、こんなにも早く人が来るなんて思ってもいなかったので驚いています((
ビール腹素敵ですよね(??)
折角だし閻魔さんに盛ってみようなんていう勢いでの後付け設定(!?)でしたが、意外にも魅力的に仕上がっているみたいで良かったです。
お恥ずかしながら、大人カキコでしかまともに小説を書いたことが無かった者で小説の書き方については試行錯誤しております(笑)
それでも「読みやすい」と言ってもらい嬉しき限りです。
比喩や表現に関しては語り部となるキャラによって変わる予定ではいますね(( というかそこを魅力にしたいとも思っています←
いつでも来て頂いて構いませんよ、またの来訪をお待ちしております(*^υ^*)
Page:1 2