コメディ・ライト小説(新)
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- 君を忘れないよ
- 日時: 2018/07/06 18:03
- 名前: RUNA♪ (ID: xyOqXR/L)
あの日、突然何かを忘れた。
とても大切なことを、忘れている気がした。
いつもはそんなこと気にしないのに、そのことが頭から離れなかった。
あの時、何故君を忘れたんだろう。
誰よりも一番大切な人なのに。
私が、もっと早く思い出していたら、何か変わったの?
そんなことを、君がいない世界で問いかけている。
今、君はどこにいますか?
RUNA♪です。
この小説は、私が初めて書く小説です。
まだ書き方が曖昧ですが、精一杯頑張って書きます。
目次
第一章 不思議な夢>>01
第二章 消えたもの>>02
第三章 正体 >>03
第四章 秘密 >>04
第五章 別れ >>05
《登場人物》
・高崎 結 (たかさき ゆい)
・高崎 結仁(たかさき ゆいと)
・鈴木 愛花(すずき あいか)
・鈴木 蒼生(すずき あおい)
・
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・
- Re: 君を忘れないよ ( No.1 )
- 日時: 2019/03/17 12:00
- 名前: RUNA♪ (ID: Jhl2FH6g)
第一章 不思議な夢
『結。』
突然、聞きなれた声に名前を呼ばれた。
振り向くと、兄の結仁が俯いて立っていた。
『どうしたの?』
そこで、私ははっとした。
いつもの結仁ではないような気がした。
結仁の顔に、いつもの笑顔がなかったから。
俯いたままでもわかるぐらい、とても悲しそうな表情だった。
『……の……と…すれ……で』
『え?』
結仁は辛そうな表情で何かを呟いた。
すると、結仁は私に背を向け、歩き始めた。
驚きながらも、私は結仁を追いかけようとした。でも、私はその場から動くことができなかった。
私はどうすればいいのかわからず、小さくなっていく結仁に向かって叫ぶ。
『結仁!どこに行くの!?』
結仁は、私に答えることなく進んでいく。
『行かないでよ!ねぇ、戻ってきてよ!』
大粒の涙をこぼしながら、私は精一杯叫んだ。
『結仁!』
「………い、ゆい!」
誰かが私の名前を呼びながら、肩を揺らしている。
「結!」
その声が誰だかわかると、私ははっと目を覚ました。
目を開けると、心配そうな顔をした結仁がいた。
「あー、よかったー」
結仁は、安堵の息を吐きながら私の頭を撫でた。
「ほんとに焦ったよ。母さんのかわりに起こしに来たら、すごく魘されてたから。」
「……そうだったんだ。あれ?私泣いてる?」
ポロポロとこぼれる涙を、私はあわてて拭う。
「大丈夫?なんか変な夢でも見た?」
「………うん。」
私は少しだけ話すのを戸惑って、小さな声で言った。
「なんかね、結仁が消えちゃう夢を見たんだ。」
その時、結仁の顔から笑顔が消え、かすかに手も震え始めた。
私は驚いて「大丈夫?」と聞いたけど、結仁は小さくうなずくだけで、答えてくれなかった。
しばらくすると、結仁はパッと顔を上げてにこっと笑った。
「大丈夫だよ、俺は消えないから。あ、朝ごはんできてるから、早く降りておいで。」
そう言って結仁は部屋から出て行った。
私は少しの間、動けなかった。
あんなに動揺している結仁を見るのははじめてだった。もしかして、あの夢は本当なのだろうか?
でも、結仁が消えることはないだろうし、本人も大丈夫と言っていたから、きっとあの夢はただの悪夢だ。
そう思い込んで、私は急いで制服に着替えて下の階に降りた。
「あら、おはよう。ずいぶん魘されてたみたいね。」
お母さんがお弁当を包みながら、心配そうに尋ねる。
「うん。大丈夫だよ。」
なるべく心配をかけないように、明るい声で話した。
「それならいいんだけど………。あ、もうこんな時間!結、早くご飯食なさい。結仁はもう学校行ったわよ。」
「えっ!もう行ったの?」
急いで朝ごはんを食べ終えると、私はお弁当をもって玄関に向かった。
「結、結仁が傘忘れていったから持って行って。今日はお昼から雨だから。」
「うん、わかった。行ってきまーす!」
「いってらっしゃい。気を付けてね。」
「結、おはよー!」
「おはよー」
学校につくと、すでに来ていた友達の愛花が笑顔で迎えてくれた。
「今日は来るのいつもより遅かったね。」
「あはは、ちょっと寝坊しちゃって。」
「えー!結が寝坊って、めずらしいね!」
「たまにはこういうこともあるよ。」
私と愛花は顔を見合わせて、笑いあう。
教科書やノートを鞄から出して、机の中にしまっていると、二本の傘が目に入った。
「あ!」
「え、どうしたの!?」
急に大声を出したから、愛花がびっくりして目を丸くしている。
「ごめん。結仁に傘渡さないといけないんだった。ちょっと行ってくる!」
私は急いで教室を出て、結仁のクラスに向かう。
三年生のクラスにつくと、ほとんどの人がもう席についていた。
私はそっと教室をのぞき込むと、ある人と目が合った。
「あれ?結ちゃん、どうした?」
その人は、愛花の兄・蒼生だった。蒼生は私に気づくと、すぐに私に近づいてきてくれた。
「結仁いる?」
「それがさ、なんかあいつ朝から変なんだよ。」
「変って?」
「俺が話しかけても上の空でさ、ずーっと黙って何も言わないんだよ。」
「結仁が?どうしたんだろ………」
その時、朝のことが頭によぎった。あの夢の話をしたとき、結仁は、すごく動揺していた。もしかして、
あの夢が原因なのかな?
「結仁なら、たぶん屋上にいると思う。あいつ、いつも行ってるから。」
「わかった。ちょっと様子見に行ってくる。蒼生くん、ありがとう。」
「おう、早く戻って来いよ。」
「あれ?」
屋上に着いてあたりを見回しても、結仁の姿はなかった。
もしかして、もう教室に帰っちゃったのかな?
もう一度屋上を見渡して、私は渋々教室に帰ることにした。
教室に帰る途中も結仁のことが頭から離れず、ずっと考えていた。
そのたびに、もしかしたら本当に結仁が消えてしまうんじゃないかという不安でいっぱいになる。
「……大丈夫だよね」
不安になる気持ちを抑えて、大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせながら教室に向かっていると、
ドン!!!
「いったー!って、結仁!」
廊下を曲がろうとしたら、誰かが急いで曲がってきてよけきれず、ぶつかって床にしりもちをついた。
「結!?」
結仁は申し訳なさそうに起き上がるのを手伝ってくれた。
「ごめん、ちゃんと前見てなかった。」
「もう!ビックりしたじゃん!」
「本当にごめん。ケガしてない?」
「うん。大丈夫だよ。ていうか、どこにいたの?ずっと探してたんだからね!」
「教室に帰ったら蒼生から結が俺を探してるって聞いて俺も結を探してたんだよ。」
やっぱり行き違いだったんだ。
「で、なんで俺のこと探してたの?」
「あ、結仁傘忘れて行ったでしょ?今日雨が降るからってお母さんに頼まれたんだ。」
「結、傘持ってないじゃん。」
「何言って……あれ?」
私は結仁に言われてはじめて気づいた。さっきまで持っていたはずの傘がなくなっていた。
ぶつかったとき落としてしまったのかと思い、周りを見るけどどこにも見当たらなかった。
「傘、屋上に忘れてきたかも。取ってくる!」
そう言って屋上に行こうとすると、いきなり結仁に腕をつかまれた。驚いてみると、結仁ははっとして手を離した。
「後で俺が取りに行くからいいよ。」
「でも、まだ時間あるし。私が行くよ。結仁は教室に戻ってて。」
「駄目だ!」
急に大声を出すから、ビックりした。私だけじゃなく、廊下にいた人達もが何事かとこちらの様子をうかがっている。
「どうしたの?急に大声上げて。」
「………ごめん。傘は俺が取りに行くから、結はもう戻れ。」
「………わかった」
なんとなく、今の結仁に逆らってはいけないと思い、私は仕方なく教室に向かった。
いきなり大声出してどうしたんだろう?
私、何か悪いこと言ったっけ?
それにあの慌て様、今朝と同じようだった。やっぱり何か関係があるのかな?
「もしかして………」
私は勢いよく振り返って走り出した。
あの屋上に行ったら何かわかるかもしれない!
そう思って、結仁の後を追った。
屋上の扉を勢いよくあけ、息を切らしながら見渡した。
でも、そこに結仁の姿はなかった。
私は、結仁が来る前に傘を見つけようと思い、屋上を隅々まで探した。でも、傘は見つからない。諦めて教室に帰ろうとすると、校舎の壁の隅に、小さな文字が彫られているのに気が付いた。
「なにこれ?」
壁に顔を近付けて、声を出して読んでみる。
「かみ……ねが…い………いを………す……って?」
ところどころ削れていて、ちゃんと読めなかった。
神様?神様に何かお願いをしたのかな?いったい誰が?
「これ、結仁と関係あるのかな?」
壁に掘られた文字を頭の中で解読しようとするけど、なかなか答えが出ない。
ガタン!!!
突然、背後で大きな音が聞こえて慌てて振り返る。
「……え?」
そこには、フェンスと一緒に屋上から落ちていく結仁の姿が。
「結仁!」
私は急いで結仁に手をのばした。でも、結仁には届かなかった。
やばい!私はもう一度手をのばそうとした。けれど、バランスを崩し、結仁の後を追うように私も落ちた。
もう終わりだ。そう思った瞬間、強く手を引かれ暖かいものに包まれた。結仁に抱きしめられた。
「結仁!」
目に大粒の涙をためた私を見て、結仁はきつく唇を結んだ。
そして、
「ごめんな。」
私の意識は、その言葉を最後に衝動とともに消えていった。
- Re: 君を忘れないよ ( No.2 )
- 日時: 2019/01/27 12:22
- 名前: RUNA♪ (ID: vpptpcF/)
「結!いい加減起きなさい!」
暖かい布団の中ですやすや眠っていると、やや起こり気味のお母さんの声が聞こえた。
「……ん?今何時?」
「もうすぐ八時よ!早くしないと遅刻するわよ!」
「えぇぇぇ!」
私は、布団からガバッと勢いよく起き上がると、急いで制服に着替える。そして、教科書やノートを鞄に詰め込んで急いで部屋を飛び出した。
ふと、隣の部屋が目に入った。隣の部屋には、めったに使わない机や段ボールが置かれている。
あれ?この部屋、誰か使ってなかったっけ?
「ねぇ、私の隣の部屋って誰か使ってなかった?」
私は、朝ごはんを食べながら忙しそうにしている母に聞いた。すると、母は不思議そうに私見て、
「なに寝ぼけたこと言ってるの。あの部屋は、ずっと誰も使ってないわよ。」
と言った。
やっぱり私の勘違いだったのかな?
私は時計を見て、もうすぐ八時になることに気づき、慌てて朝ごはんを食べ、玄関に向かった。
「あ、結!傘持っていきなさい。午後から降るみたいだから。」
その言葉を聞いて、少し違和感を感じた。
何故か、このやり取りを前に一度したことがあるように思えた。
あ、この前も雨だったから、その時にしたのかな?
「うん、わかった。行ってきます!」
少しむしゃくしゃしながらも、お母さんに挨拶して外に出ると、私は走って学校に向かった。
「はぁぁ、疲れたー」
「あれ?珍しく遅かったね。どうしたの?」
「久しぶりに寝坊しちゃってさー。朝から猛ダッシュはきついよ………」
「そりゃきついねー(笑)。あ、そうだ!今度の夏休みに海に行こう!って、蒼生が言ってた!」
「海か~!最近全然行ってないなぁ。」
「三人で行こうよ!」
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