コメディ・ライト小説(新)
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- 君に捧げた初恋(処女作)
- 日時: 2018/11/16 22:16
- 名前: 華憐 (ID: esFsElNI)
▽プロローグ
「懐かしいな。俺、初日、ちょっと遅れてきたんだよな。」
「そうだっけ?覚えてないや」
「そうだよ。入った瞬間、みーんな座っててさ、オタクみたいな奴らばっかりで、もう終わったなって思ったよ」
結城がクスクスと笑うのにつられて、私も笑う。
そうだった。私もあの日、この教室で、同じようなことを思ったんだった。
「でも、あの日来た教室が、この教室じゃなかったら、俺たち出会ってすらなかったかもしれないんだよな」
結城が、私と繋いだ手にギュッと力を込める。
「出会えてよかった」
結城は、まっすぐ私の目を見て言う。
私の頬に、涙が伝った。
「ちゅーしていい?」
いたずらっぽく結城が笑う。いつものトーンなはずなのに、少し声が震えている気がする。
目を閉じる。2人の小さな隙間を、暖かい風が吹き抜けた。
走馬燈の様に、今までの出来事が頭の中で駆け抜ける。
4階の、1番隅の教室。
私たちは2年前、ここで出会ったんだった。
そして、私たちは今、同じ場所で
卒業の時を迎えていた。
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▽目次
*プロローグ >>00
*第1話 出会い >>01 >>03 >>04 >>05 >>06 >>07
*第2話 事件 >>08 >>09 >>10
*第3話 縮まる距離
- Re: 君に捧げた初恋(処女作) ( No.3 )
- 日時: 2018/08/11 13:48
- 名前: 華憐 (ID: DIeJh8tY)
*
「お待たせしましたー」
「あ、初音、お疲れ様。初日からきっちり90分授業か。
さすがトップクラスのゼミは違いますね-」
食堂で待っていた茉結は、おどけたようにそう言うと、
端っこの席に荷物を移して、私に席を譲った。
「で、初日はどうでした」
「最悪だよ。オタクのサークルの集まりに間違えてきちゃった感じ。」
私は、席に座りながら、深くため息をつく。
「なんだそれ。じゃあ飲み会も、やっぱり行かないの?」
「今からだもん、飲み会。行くわけないじゃん。
私だって黙って延々と飲むほど、お酒好きじゃないし。」
茉結は、私のがっくりした様子に、ふっと笑うと、
「あ、あの子は?Twitterの子!」
と思い出したように言った。
「あー、有紗?悪い子じゃないけど、すごい張り切ってて
なーんかついていけなかったなぁ。THE・温度差。」
「あーいるいる。新しいコミュニティで、必死なタイプか。
で、その子は当然、飲み会も行ったわけだ?」
「そうだよ。男の子と2人で。すごいガッツだわ、あれは。」
「男??オタク??」
「あ、違うの。ひとりだけ、まともそうなのがいたんだよ。
でも、別にイケメンってこともないし、まじめそうだし
見た目普通のガリ勉なんじゃないの。」
「初音さん、きついですねえー。さすがお目が高い」
「きつくないし!」
いつもの調子で、わいわい騒いでいるうちに、
さっきの陰気な空気も、身体から抜けていくような気がした。
一緒にご飯を食べるだけの、とは言ったものの、
いつも一緒にいる3人の中でも、茉結とはかなり何でも話せる仲になっていたし、
実際、彼女といると、素の自分でいれる心地よさがあった。
「で、そういう茉結はどうだったの?」
「あたし?あたしもねー、最悪だった。
ほら、2年の時に小クラスで一緒だった、キザな男いたじゃん?
あれとゼミまで一緒だったの。信じられない」
茉結は、そう言って頬をふくらますと、「でもね」と続けた。
「イケメンもいたの。ほら、なんだっけ、名前忘れたけど、
ジュノンボーイとかになってた俳優に似てる人とかさ。
だからまだ、望みはあるかも。」
茉結が嬉しそうに話すのを見て、はっと思いだした。
そういえば、「今年こそは新しい出会いを見つけよう」
なんで、ゼミ選択の時に話していたんだった。
入学してから、ずっと私たちは女4人組で、行動を共にしてきた。
ケンカはただの一度もした事がなく、それでいて、
不必要にお互いに干渉しない距離感が、ちょうどよかった。
しかし、そうやって2年間、女でなれ合ってきたのがだめだったのか、
色恋沙汰の話になることは、ほとんどなかった。
全員フリー。彼氏いない歴2年以上。
そして今年、大学生活の折り返しを迎えた私たちは
ゼミという新しい活動の幕開けを、いい機会にしようと
意気込んでいたのだった。
- Re: 君に捧げた初恋(処女作) ( No.4 )
- 日時: 2018/08/14 21:51
- 名前: 華憐 (ID: 4J23F72m)
翌週のゼミの授業は、ゼミ内の役割決めと、
次から始まるプレゼンテーションの割り振りからスタートした。
絶対にゼミ長になる、と、宣言していた有紗は、
その思惑通り、見事このゼミ開講以来、初の女性ゼミ長となった。
「ね、副ゼミ長やってくれない?」
ゼミのメンバーの名簿にふりがなをつけながら、
有紗は私にそう言った。
「わたし?いいけど…」
「ほんと?ありがと!頑張ろーね!」
有紗は、はじけた笑顔で、
「せんせーい、副ゼミ長決まりましたー!」
と教壇にかけていった。
ゼミ長や副ゼミ長と言っても、
せいぜい連絡事項をメールで流すくらいしか仕事がないのは、
有紗も私も知っていた。
とりあえずの、肩書き作り、といったところだろうか。
もっとも、有紗は私と違って、かなり張り切っていたのだが。
「はい、じゃあ次はプレゼンの割り振りしまーす。
私は最後でいいから、とりあえずみんな希望のところに名前書いてー!」
さっそく教壇で、せっせとしきり始める有紗の声に、みんながのそのそと動く。
2回目の顔合わせだが、お互いほとんど会話を交わすことはなかった。
私は黒板にプリントの文字を写しながら、また小さくため息をついた。
揉め事がめんどくさいのか、割り振りは誰ひとり被ることなく上手くいった。
有紗が順番に名前を読み上げる。
「・・・・・6番は、吉野くんと川合さん。」
唯一の男女ペアだった。
教室の隅で、大人しそうな女の子が、呼ばれた名前に、静かに頷く。
反対側の端に座る吉野くんも、同じように首を振った。
「7番は、森くんと西桶くんで…」
有紗は続けて名前を読み上げた。
私はその目がさっきから、端の2人に向けられていることに、気づいていた。
*
授業終わり、案の定、有紗は吉野くん達の元へ行った。
半ば強引に引っ張られるようにして、私もその輪に入った。
「ちょっとちょっとー、いきなりカップル登場の予感ー?」
「そんなんじゃねーよ」
有紗の言葉に、手を振る吉野くん。
その雰囲気からすると、前回の飲み会で、かなり親交を深めたらしい。
「そういえば、この間、初音ちゃん来なかったよね?どしたの?」
吉野くんが急に私に向き直って言った。
「あ、ごめん、バイトだったんだよね」
「そっかー。超盛り上がったのに、な?」
吉野くんは、有紗に同意を求めるように言うと
「そうだ、グループLINE、ゼミの。副ゼミ長なら入らないと」
と、携帯の画面を差し出した。
「ID入れてよ」
携帯を受け取りながら、ちらっと有紗を見ると、
この場の主役を取られたのが気に入らないのか、
心なしか、膨れているように見えた。
「有紗、また飲み会企画してよ、ね?」
気を使って話を振ると、
「そうだ!っていうか、もういっそこの4人でご飯行こう!」
と、有紗は明るく返した。
どうやら有紗は、川合さんも仲間うちに入れたいらしい。
「美乃里ちゃん?だよね!」
「うん!有紗ちゃんに、初音ちゃんだよね、よろしく!」
声をかけられた美乃里は、ぱっと笑顔になって、そう言った。
さっき、大人しげに首を振っていた雰囲気とは、少し違う気がした。
「じゃ、来週のゼミ終わりはご飯!ってことで!おつかれ!」
有紗の一声で、あっさり解散した。
私は、有紗が吉野くんの元に、何か言いに行くのを横目に、そっと教室を出た。
iPhoneの画面には、彼からグループLINEの招待がきたことを示す
通知が明るく浮かんでいた。
- Re: 君に捧げた初恋(処女作) ( No.5 )
- 日時: 2018/08/16 20:02
- 名前: 華憐 (ID: dpACesQW)
招待されたグループの、参加ボタンをタップする。
すでに、そこそこのメンバーが揃ってはいたが、
有紗たち以外の人の名前と顔が一致しない。
来週からプレゼンテーションがはじまる。
このゼミは、私が所属する法学部の中でも、専門性が高く、
難しいゼミとして知られている。
初日にはさすがに度肝を抜かれたが、
今思えば、ゼミ生の大半がメガネ集団でも、
おかしくないのかもしれない、と私は思った。
ブー。
ポケットの中でiPhoneが小さく揺れる。
[ LINE 有紗 : やっほー!初音!
グループLINEから登録した!来週…]
通知だけ確認して、再びiPhoneをポケットに戻そうとしたとき、
ブーと、再びバイブが鳴った。
[LINE 有紗 : てか、吉野と美乃里ちゃん、2人で城崎神社 行くらしい!]
[LINE 有紗 : 仲良くなるペース早くない? 来週、事情聴取しなきゃだ…]
ふう、と声にならない息を吐く。
ありがとう!来週楽しみにしてる!
お店…どうしようか?
まじで??初耳!
もう、吉野呼びなんだね。笑
ていうか、それ、どうやって聞き出したの?
美乃里ちゃんってどんな子?
返す言葉はいくらでもあるのに、なぜか気が進まず、
戻しかけていた iPhoneを無理やりポケットに押し込んだ。
なるほどな、と思った。
私が、茉結たちと意気投合した以上に、有紗は気合いが入っていたのか。
唯一、有紗に言わせれば「まともそうな」吉野くんが、お目当てなのか。
美乃里ちゃんと、どう近づきたいのか。
わからないことは、たくさんある。
ただ、すべてがすとんと腑に落ちたのは、有紗は、そういう子だということと、
私は、これから距離感の取り方を、また考えなければいけないということだ。
私は少し早足で、ひとつ下の階の教室に駆け込んだ。
今日は、来月からはじまる、資格講座のオリエンテーションがある。
すでに、教室には、何人かの生徒が、ぞろぞろと集まりだしていた。
「あ!初音やん!」
流れのままに、プリント配布の列に並んでいると、肩をぱしっと叩かれた。
声の主は、語学の授業で仲良くしていた、涼子だった。
「涼子ちゃん!涼子ちゃんも講座とるの?」
「親が手に職つけろってうるさくて、一応な。
うち、他に知り合いおらんくて、一緒に受けてもいい?」
涼子は、大阪から上京して3年目になった今も、
コテコテの関西弁を喋りこなす。
サバサバとした性格は、剣道部の主将だからなのか、
関西出身のなにわ魂なのか、とにかく授業中も、一緒にいて楽だった。
涼子の言葉に私は笑顔で頷くと、プリントを2人分受け取って、
1番後ろの席に着席した。
「あーただでさえ法学部の勉強ついていかれへんのに、
資格の勉強とか無理やわ」
「私もだよ。すっかり遊びグセつい…」
「お、なんだ初音ちゃんいたんだ。」
私の言葉を遮る声の方を向くと、後ろの扉から、吉野くんが入ってきたところだった。
「わ、吉野くん。」
「人多いな。んじゃ、また」
吉野くんは、私と隣にいた涼子にも軽く会釈すると、
特にそれ以上の言葉を交わすわけでもなく、さっさと前の方に行ってしまった。
「知り合いなん?」
「あ、うん、ゼミの人」
私は涼子に言いながら、ぼんやりと、吉野くんの後ろ姿を見つめていた。
ふとiPhoneを開く。
[LINE 有紗 : てか、吉野と美乃里ちゃん、2人で城崎神社 行くらしい!]
なぜか、ふふっと笑みがこぼれた。
彼が、美乃里ちゃんを誘ったのか。
美乃里ちゃんは、すんなりOKしたのだろうか。
どちらにせよ、あの陰気な空気だけが流れていると思っていた場所にも、口元が緩むような話も咲くというわけだ。
まるで後輩の恋愛事情を漏れ聞いてしまったあとのように、
恥ずかしいような、微笑ましいような気持ちになるのを、私は感じていた。
有紗には-もし有紗が本気だとしたら、の話だが-申し訳ない。
でも、私は、彼の後ろ姿を眺めながら、
少し彼のこの先を楽しみにしていたのだった。
- Re: 君に捧げた初恋(処女作) ( No.6 )
- 日時: 2018/08/18 12:31
- 名前: 華憐 (ID: ysp9jEBJ)
「じゃ、とりあえず乾杯ー!」
有紗がグラスを高らかにあげる。
私と美乃里と吉野くんも、それにならった。
「有紗は呑む方なの?」
「うーん、まあまあかな。」
たこわさびを軽快につまみながら、有紗が私に応える。
「でもね、吉野がすーごいの。
この間もさ、ひとりでずーっと水みたいに黒ビール呑んでるんだもん。
さすがにびびった。」
「俺、田舎者ですからね。」
おどけて吉野くんがそれに応えると、
有紗はさらに思い出したかのように
「そういえばさ、2人でデートするんでしょ?」
と、吉野くんと隣の美乃里を交互に見つめてはしゃいだ。
「いや、それは誤解だから。プレゼン準備で仲良くなって、
まあ、いろいろ助けてもらったから、お礼も兼ねて、
どっか行こうってなっただけだよ。」
吉野くんの弁解に、美乃里もこくんと頷く。
「そんなこと言ったら川合さん困っちゃうじゃん。ねえ、初音ちゃん。」
突然話をふられて、私も慌てて頷くしかなかった。
吉野くんはその様子がおかしかったのか、ふふっと笑うと
「有紗と初音ちゃんはいつから知り合いなの?」
とさりげなく話題を変えた。
「有紗がね、Twitterで私のこと見つけてくれたの。」
「周りに全然同じゼミの子いなくてさ、検索したの。
そしたら初音がいて。まーじ焦ったよ、知った人いないの。
まあ、あのメンバーだもんね。」
有紗は一気にビールを飲み干すと、ふうーっと息を吐いた。
「どうするの、これから。ゼミ旅行とかさ、企画、目白押しだよ。
あのメンバーで、やっていけんのかな。」
私の言葉に、みんなが、やれやれと肩を落とす。
実際、今日の授業も、挙手を求めても全く手が上がらなかったり、
意見を言う声がまるで聞き取れなかったり、散々だった。
「まあ、うちらは仲良くやって行こう。
とりあえず、私は美乃里と吉野を見守るのに徹するわ」
「だから、そんなんじゃないから」
有紗と吉野くんが言い合うのを聞きながら、
私は美乃里ちゃんの方に席を寄せた。
「美乃里ちゃんはどうしてこのゼミに入ったの?」
「美乃里でいいよ」
そう言って、美乃里は微笑むと
「うーん、なんでかなあ」と首をかしげた。
「私ね、賢い人が好きなの。弁護士とか医者とか、そんなのになる人。だからかもしれない。」
さらっと美乃里は言い切ると、大皿に一つ残った春巻きをほおばった。
なかなかすごいことを言っているようなのに、
美乃里がいうと嫌味がない気がした。
「初音ちゃんは?」
「あ、私も、初音でいいよ。
んー、私は単純に、ほかに行きたいところが特になかったからかも」
ゼミすらめんどくさかったんだけどね、本当は、という言葉は、
ビールと一緒に飲み込んだ。
美乃里は、ふーんと相槌を打つと、
「有紗ちゃんって元気だよね。ゼミ長って感じ。」と、笑った。
「吉野くんとは、どうなの?本当に有紗が言うみたいな感じなの?」
「ないない!本当にお友達って感じ!なーんにもないよ!」
美乃里が笑顔で首を振るのを見ていると、とてもそれが嘘には見えなかった。
「でも、これからどうなるかわかんないしね。
私も密かに2人のこと楽しみにしてるんだよね」
「ちょっと、初音!」
いつのまにか、美乃里にラフに接している自分に気づきながら、
私は有紗と吉野くん、美乃里を順番に見つめた。
有紗はおそらく吉野くん狙いだ。
美乃里は特にそうでもない、が、
吉野くんは、どうなのかわからない。
さっきまでの会話を、頭の中で反芻する。
そして最後には、私は、三角形上のどこにもいない自分自身を、少しさみしい目で見つめていたのだった。
- Re: 君に捧げた初恋(処女作) ( No.7 )
- 日時: 2018/08/21 14:25
- 名前: 華憐 (ID: ysp9jEBJ)
「初音はさ、好きな人とかいないの?」
ガタッ…!
不意をつかれて、目の前の美乃里がプッと吹き出すほどに、
わかりやすく動揺した。
「いない!てか、美乃里からそんなことストレートに聞かれるとか
思わなかったんだけど!」
美乃里はよっぽど私のリアクションが面白かったのか、ケラケラと笑う。
その向こうで、吉野くんがトイレにたったタイミングで、
有紗もこちら側に寄ってきた。
「なになに、恋のお話ですか?」
「今ね、初音に好きな人いないの?って聞いてたの。
そしたらいないっていうからさ~。」
「今から見つけたらいいじゃん。ゼミも始まったことだし!」
有紗が意地悪く笑うのに、
「いや、ゼミはさすがにないわ!」
と切り返しながら、私は箸に手をつけた。
「でもさー、吉野くん、いい感じじゃない?
野球部でばんばんスポーツできたらしいし、顔もそこそこだしさ」
有紗の言葉に、私の箸が止まった。
予感的中。
私の心中を察したのか
「やっぱり、有紗は吉野くん狙いなの?」
と、美乃里が代わりに聞いた。
「いや、そんなんじゃないよ!さっき見守るって言ったじゃん!」
有紗は慌てて両手を振りながら、
「とりあえず、美乃里と吉野の後ろをつけることから始めるね」
と、美乃里に、笑顔を向けた。
ぼんやりとしていた線が
少しくっきりとしてきた三角関係。
私はそこに交わることなく、
ただ3人を見つめているだけだった。
交われない、と思った。
現に、私は吉野くんとは、挨拶を交わす程度。お互いのことを何も知らないのだ。
それに、私には、有紗のような積極性もなければ、
有紗についていこうとも、なかなか思えない。
そして美乃里のような、男性に対する理想もない。
どうして私はここにいるんだろう。
いっそメガネ達の中でおとなしくしていた方が
ましだったのじゃないか、とすら思った。
もちろん、その後に、
とんでもない展開が待ち受けているとはこの時は知らなかったのだが。