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コメディ・ライト小説(新)
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- 蒼井小学校マーチングバンド
- 日時: 2019/02/01 12:57
- 名前: riri@クソガキ (ID: U146x9qZ)
「続いての団体は、関東支部代表、蒼井小学校マーチングバンドです。」
女の人のよく通る美しい声が会場に響いた。そのとたん、わぁっと歓声が湧いた。「蒼井小ファイトーーー!!!!」や、「自信持ってーーーー!!!!」などの声援も凄まじい。私はあまりの騒々しさに、思わず耳をふさいだ。隣の幼馴染、奏も同じく耳をふさいでいる。アナウンスがあってから40秒くらいすると、さっきまでの凄まじい声援は消え、緊張感がピリピリ走った。これから、演技が始まるのだ。そう思うと、思わず身震いした。始まる!あの、蒼井小学校の演技が、始まる!
……「って思って、私の方まで緊張したの。演技も、素晴らしかった。お姉ちゃんのソロ、すっごい良かった!家でたくさん練習してたもんね。ずっと、ずうっと。本当に努力家だよ。お姉ちゃんは。」
私は、お姉ちゃんの遺影に手を合わせた。
私のお姉ちゃんは、12歳という若さで、交通事故で亡くなった。マーチングバンドの部長として大活躍し、優しくて、綺麗な、みんなが憧れるお姉ちゃんだった。事故で死んでしまうなんて、本当に神様は最低だ。そのせいで、お母さんはうつ病になってしまったし、お父さんもお酒をにあけくれたり、突然自殺未遂を起こしたりするようになってしまった。家族はもう崩壊だ。「亜由香、うちに泊まる?お母さんとお父さんが元気になるまで、うちに住んで良いよ。その方が、お互い身のためだ。」幼馴染の奏が言った。私は涙を流して、うなずいた。奏の優しさに、少し救われた。私はお姉ちゃんの遺影に手を振り、抱きしめてから、荷物をまとめて家を出た。
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