コメディ・ライト小説(新)
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- ソレイユ!
- 日時: 2019/02/05 18:20
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
あちこちに眠るリング【守護のリング】を探す二人の冒険家が中心と
なる。興味でリングを探して居るはずがそのうち様々な過去が
解き明かされていく。
明るいノリとシリアス展開を合わせていこうと思います!
【第一章】エルフが持つ謙遜のリング >>01-05
【第二章】純潔のリングを託して >>06-09
- Re: ソレイユ! ( No.1 )
- 日時: 2019/02/02 13:37
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
この島を動かしているのは自由のリングの力があるからだ。
そのリングの持ち主はサイラという少女だ。彼女と共に冒険家に
なった少年レイヤ、二人は守護のリングを探す旅をしている冒険家だ。
彼らがやってきた島は自然豊かな島プリローダ島だ。
レイヤ「サイラ、しゃがんで!」
サイラの真上を弓矢が通り過ぎ後ろの大木に突き刺さる。弓を持つ
青年はレイヤとサイラを睨んでいた。
レイヤ「…この島の人か?俺たちは冒険家だ。よかったらこの島を―」
レイヤの右頬を青年の矢が掠った。
???「黙れ人間。お前らに案内するようなことはない」
サイラ「あ、あの…」
???「うるさい!さっさと消えろ」
その青年は弓を引く手の力を緩め何処かに行ってしまった。
サイラ「…もしかしてあの人、人間が嫌いなのかな?」
レイヤ「そうかもな。とりあえず彼の後を追ってみよう」
二人で意見が一致して歩き始めたその時、一人の少女に声を掛けられた。
彼女もエルフで長い金髪を三つ編みにしている。
???「貴方たちソラウに会ったの?」
レイヤ「ソラウ?さっきの男の名前か」
少女、ジュリアスはハイ・エルフと呼ばれ島をまとめているのだ。だが
彼女はレイヤたちに好きなように呼んでほしいと言われ彼女を
ジュリアスと呼び捨てにしたりしている。
ジュリアス「最近、やっと帰ってこれたのよ」
サイラ「帰ってこれた?じゃあ前までは何処かに行っていたの?」
ジュリアス「人間の奴隷よ。まぁ買ってくれたのが優しい人だったから
彼をこの島まで帰しに来てくれたのだけど、その日から彼は人間が
嫌いになったの」
レイヤ「だからあの時…」
レイヤは軽く処置された右頬の掠り傷を指で触る。
ジュリアス「でも悪い人じゃないの。頼りがいのある人だから…」
ジュリアスはレイヤとサイラを自身の住む家へ案内し客人として
向かい入れてくれた。そこでたまたまさっきの青年、ソラウと再会した。
- Re: ソレイユ! ( No.2 )
- 日時: 2019/02/03 17:01
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
ソラウがレイヤたちを睨む。
ジュリアス「ソラウ、彼らは敵ではないから大丈夫よ」
サイラ「自己紹介していませんよね。私はサイラ、こっちはレイヤです。
私たちは冒険家をしてるんですよ」
ソラウ「…用が済んだらさっさと帰れ」
ソラウはそう言い踵を返して廊下を歩いていく。
エルフ兵「大変だ!ダークエルフたちが来てるぞ!!」
ジュリアス「ダークエルフ!?彼らが…何故」
外に出ると褐色肌の男が軍を率いていた。赤い瞳孔には微塵も光を
感じられない。嫌な予感が過る。
ジュリアス「貴方は確か…ローゼ」
ローゼと呼ばれた男は剣を抜きジュリアスの首に当てた。
ローゼ「…謙遜のリングを渡せ」
ジュリアス「このリングは…そう簡単に渡せないモノです」
ジュリアスは赤い光を放つ謙遜のリングをしている手を握る。
ローゼが少し体を仰け反らせ、矢を避けた。その矢を放ったのは
ソラウだった。
レイヤ「ソラウ…」
サイラ「…あの人から瘴気を感じるよレイヤ」
サイラはレイヤに向けてそう言った。確かに様子が可笑しい。ジュリアスも
ソラウもそれを感じていた。
ジュリアス「…ロ、ローゼ…?」
ソラウ「ジュリアス様!!」
ローゼが剣を振り下ろす。ソラウが駆け出す、剣が彼女を斬り裂く寸前で
サイラが結界を張り、レイヤが剣で応戦する。
ソラウ「なっ!?」
サイラ「よかったギリギリセーフだよね」
ジュリアス「皆さん…!」
レイヤ「これで俺たちが悪者じゃないことを証明してやるよ」
レイヤはローゼの剣を弾き隙を狙って一閃する。ローゼも結界を使い
剣の攻撃を防いだ。剣と剣がぶつかっているのを全員が見守っていた。
ソラウ「退け!」
レイヤが少し後退する。そのすぐ前を何十本もの矢が通り過ぎる。
数本はローゼの片腕に刺さった。
- Re: ソレイユ! ( No.3 )
- 日時: 2019/02/03 20:22
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
サイラ「答えろ七のうちの一つの力【謙遜】よ。燃える赤の光よ、
全てを繋ぎ止める鎖へと姿を変え、瘴気を纏う者を拘束し瘴気を
焼き尽くせ」
サイラがパンッと両手を合わせるとジュリアスの謙遜のリングから
赤い光が輝き光は鎖へと姿を変えた。その鎖がローゼを拘束すると
彼から黒い瘴気が抜けていくのが見えた。少しして彼の体が力を
無くし前のめりに倒れた。ジュリアスは兵士たちに彼を中に運ぶよう
命令した。
ソラウ「今のは…七の魔術!何故お前が…」
サイラ「いや私にも分からないよ。でもあれでローゼさんは元に戻ったはず」
レイヤ「彼が何か握ってるかもな」
****
建物の中に入り、ベッドの上で眠っているローゼは申し訳なさそうな顔を
していた。
ジュリアス「気にしなくていいのよ。何があったの?」
ローゼ「…影の一族と名乗る人物に瘴気を埋め込まれた。なんとなくだが
記憶はある。悪い迷惑を掛けたな」
ソラウ「…サイラ悪い人間じゃないんだな…」
ソラウは照れくさそうな顔をしながら彼女にそう言った。
ジュリアス「そうだわ!貴方たちこのリングを探してるのでしょう?
これ、貴方たちにあげるわ」
ジュリアスはサイラの右手の人差し指にリングを嵌めた。
ローゼ「…あの男はリングを探して居ると言っていた。気を付けろ
奴らを侮ってはダメだ」
一方、別の場所では一人の男がいた。目元を仮面で隠しているためか
表情は見えないが何処か哀しそうな人物だ。彼がローゼを操った張本人
クラウス。クラウスはリングの力を感じ取りある場所に立った。
- Re: ソレイユ! ( No.4 )
- 日時: 2019/02/03 20:46
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
ジュリアス「…誰かがここに来たみたいね」
ローゼは上半身を起こした。
ローゼ「俺を操った人物は…何処か哀しそうに見えた」
サイラ「じゃあどうにかすれば仲良くできるかな?」
レイヤ「分からないが…一応、行こう。ソラウも来るか?」
ソラウは頷き、椅子から腰を上げた。レイヤたちの後に続くように
部屋を出たときジュリアスは不安そうに彼を見つめた。
ローゼ「大丈夫、もしかするとこれでソラウの人間嫌いは消えるかもしれない。
彼をここに縛る必要はもうなくなるだろ」
ジュリアス「そうですね…」
****
そこに立っていたのは仮面をつけた男だった。名前をクラウスと言い
影の一族の一人。
クラウス「初めまして虹王…そのリングまで一足遅かったみたいです」
クラウスの右肩に一本の矢が刺さる。
ソラウ「…ローゼを操り、ここを襲った罪は重い」
レイヤ「ソラウ」
クラウス「…そちらも今は初めまして影の王子様」
サイラを虹王、レイヤを影の王子と彼は呼んだ。
クラウス「…戦う気はもうありません。リングは奪わなくても良い、
取られていたら引き返せ、それが命令だから」
クラウスは矢を抜き地面に捨てた。
サイラ「あ、あの…仲間になれませんか?」
サイラの言葉にクラウスは首を横に振った。それはできないと。
クラウスは彼女たちに背を向け何処かに消えていく。
全員の目に何処か哀しそうな彼の姿が映っていた。
ソラウ「影、か…」
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