コメディ・ライト小説(新)
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- シェアキャンパスライフ
- 日時: 2019/03/21 23:21
- 名前: USB (ID: 0C/btS2q)
初めまして!気ままに気まぐれに。
無知ながら書いているため、あれ、実際こんなんじゃないよなどあっても大目に見ていただきたいです!フィクションなので!
文章は語彙力が引くほどないため稚拙です。
*登場人物*
伊井田 双葉(いいだ ふたば) ♀ 大学1年生
下北 陽(しもきた よう) ♂ 大学2年生
榎木 知花(えのき ちか) ♀ 大学1年生
畑山 大樹(はたやま だいき) ♂ 大学1年生
随時追記していきます。
- Re: シェアキャンパスライフ ( No.1 )
- 日時: 2019/03/22 02:36
- 名前: USB (ID: 0C/btS2q)
―――次は終点、上野です。お降りの際はお忘れ物のないよう、ご注意ください。
アナウンスが流れると、急いで食べ物をしまう人、荷物棚からキャリーケースを取り出す人、すぐに立ち上がり出口に向かう人などさまざまで、皆それぞれ新幹線から降りる準備を始めていた。
そんな中、東北からはるばるこの地へやってきた一人の女、伊井田双葉は、両耳にイヤホンが刺さったまま爆睡している。
上野駅に着き、次々と人が降りていく中、双葉はハッと目を覚ました。
「あれ、ここ……うわやばっ!」
幸いキャリーケースを荷物棚に上げず足元に置いていた双葉は、急いで取っ手を引っ張り出し、新幹線を降りた。
「うわあ…」
地元とじゃ比にならないレベルの人の数。エスカレーターに乗るのさえ行列ができている。もう階段で行ってしまおうと階段を見ると、階段も大勢の人で埋め尽くされており、双葉は呆気にとられていた。
突っ立ってても仕方がないので、階段を登ろうと階段の手前でもたもたしていると、背後からは「チッ…」と舌打ちが聞こえてくる。
(怖っ!都会怖い!私こんなとこで4年間も生きていけんのかな…)
4年間。そう、双葉は今年から大学生なのである。親元を離れ、一人県外へ。心細さも多少あったが、それ以上に関東地方というワードだけでワクワクしていた。
それもさっきので打ち砕かれたのだが。
降りた駅は上野、つまり東京都内であるが、ここから電車へ乗り換え本当の目的地へと向かう。大学は東京都内ではないのだ。
しかし双葉は地方出身。頭では別の県だと分かっていても、関東は全部東京、と思っている節がある。
そして当然、新幹線の改札は抜けることはできても乗り換えは一筋縄ではいかない。
(なんでこんなにいっぱいホームが!!!?)
田舎から初めて出てくれば誰しもそう思うだろう。完全に田舎の思考回路である。
しかし親切なことに、何番線は何線という表記はされており、出発時刻も電子掲示板に書かれている。双葉は「電子だすっげえ!」というレベルであり、乗り換えの心配よりも都会の興奮の方が大きかった。
興奮も収まり、双葉は何とか電車に乗ることが出来た。と言っても当然座れるわけもなく、人の圧迫に耐えながら立っていた。
この女、満員電車というものが初めてなのである。双葉はこの時、もう二度と電車に乗らないと心から思った。
「着いた!」
目的の駅に到着。人の数も徐々に減っていき、着く何駅か前には双葉も席に座ることが出来た。
そして本当の目的地はこれから生活していく家。楽しい大学生活を送るために双葉が選んだのはシェアハウスだった。
もちろん楽しさは求めているがそれだけではない。頭がそんなに良くない双葉が通う大学は私立大学。それも奨学金を借りなければ学費が払えない。もともと裕福ではないので、家賃や生活費も考慮した結果シェアハウスが妥当だと考えたのだ。
双葉はスマホでマップを開き、歩みを進める。本来徒歩15分で着くはずが迷いに迷って40分かかってしまった。この女、かなりの方向音痴でなのである。地図は読めない、スマホでも迷う、一度通った道も覚えられない。本人は遺伝だと供述している。
「ここ、だよね」
ノース・サンシティ・ハウス。築1年であり、今年から双葉が通う、功聖大学の学生限定のシェアハウス。
2階建ての一軒家。自分の実家と同じくらいの大きさではないかと、双葉は思う。
ゴロゴロとキャリーケースを引っ張り玄関へ向かうと、右手にはインターホン。恐る恐る手を伸ばし、インターホンを押そうとしたその時――…
「あいったー!」
突然扉が開き、双葉のおでこに直撃。
「あ。ごめん」
扉から出てきた相手は、低いトーンでそう言った。涙目になりながら双葉が顔をあげると
「んお、男!!?」
双葉が驚くのも無理はない。シェアハウス。つまり一緒に暮らす。女ばかりだと思うのが当然。それなのに自分がこれから住むはずの家から男が出てきたのだ。
「すみません間違えました」
そう言い退散しようとしたのだが。
「伊井田双葉さん?今日から入居予定の」
「!??!?!う、うす…」
どうやら間違ってはいなかったようだ。
少し目つきの悪い黒髪の男。明るい印象はないものの、顔は整っている。
「俺、下北陽。大学2年。一応ここの管理人というか、大家というか。よろしく。」
「大家さん!!?よよよろしくお願いします」
大学2年で大家。何事だと、双葉は動揺を隠せない。「どうぞ、入って」と陽が促し、同様したまま双葉は中に入る。玄関は靴が何足も置けるくらいに広く、少し奥へ行くと階段がある。
陽に案内されるがままリビングへ行くと、そこにはきれいなクリーム色の長い髪の可愛らしい女の子と、少しチャラそうな茶髪の男がいた。
「あ、陽さん、この子新しい子っすか?」
「これでみんなそろったねー!」
「そういうわけで自己紹介しようか。俺はさっきも言ったけどここの大家で、放射線学科2年の下北陽。特技はリア充に対するヘイトですよろしく」
ヘイトが特技ってなんだよ闇抱えすぎだろ。
と双葉は心の中で突っ込みを入れる。
「陽さんち会社経営しててスゲー金持ちなんだ!あ、俺は畑山大樹。理学療法学科1年。陽さんは高校からの先輩で、俺は一週間前からここに住んでる。家事全般得意なんで使ってください!よろしく!」
「わたしは榎木知花!看護学科1年でーす!昨日からここに入居しました、ゴキブリは素手で退治できるので、出たときは任せてね。よろしく!」
GOKIBURI???
名前こそ聞いたことはあるものの、ゴキブリがあまり出ない地域で育った双葉はそれがどんなに気持ち悪くて恐ろしいものなのか知る由もない。ところで陽さんち会社経営してるってマジ?と、双葉の脳内は忙しい。
「ええっと、今日から入居します伊井田双葉です。看護学科1年です。人見知りなので馴染むの時間かかるかもしれないですけど、よろしくお願いします!」
緊張と人見知りの自己紹介の後、双葉はペコっと一礼。
この功聖大学、実は医療系の大学なのである。
すると知花がすごい勢いで飛んでくる。
「双葉ちゃんも看護なの!?一緒だね!」
「そ、そうだね、よろしくね!あ、ところで下北さん、さっきどっか行こうとしてたんですか?」
双葉がインターホンを押す前に陽が出てきた。ということは陽は外に用があったのではないだろうか。そう双葉は考えた。そして陽が外に用とかいうくだらないダジャレに、静かに笑いがこみ上げる。
「ああそれは、お前が予定時刻より遅かったから何かあったのかと思って。あとかたっ苦しいから陽でいいよ」
「あ、はい陽さん。ごめんなさい道迷ったんですよね」
「双葉ちゃんナビ使ってこなかったの?」
「いや、グー〇ルマップ見てきたんだけど…」
「ははっ、方向音痴じゃねーか!」
このやろう大樹めあとで覚えとけ。双葉はそう思った。
「でもまさか男女一緒だとは思いませんでした」
「まあ、それだと寮と大差ないし。俺と大樹的には女子いてくれた方がいいし」
「うんうん!」
いやうんうんじゃねーわ。陽さん完全に私欲だわ。男女シェアハウスってテ〇スハウスかよ。
と、双葉の心の中では鋭い突っ込みが巻き起こる。
一通り自己紹介も終わり、双葉は自分の部屋に案内される。女子は二階。部屋の中は10畳間程度で想像より広かった。荷物は今朝届いたらしく、しっかり私の部屋に運ばれていた。段ボールなどの荷物をこじ開け、しっかりと生活できるように、双葉は自分の部屋を作る。
明日は入学式。私の大学生活は、今日ここから始まった――…。
- Re: シェアキャンパスライフ ( No.2 )
- 日時: 2019/03/21 23:44
- 名前: USB (ID: 0C/btS2q)
シェアハウス生活を始めて数か月経った。当然、それぞれの性格も知り、関係性も変わってきている。
双葉の人見知りという概念はここでは既に取り除かれ、素をバンバン出しまくっている。つまりボケ要因へとジョブチェンジした双葉だが、陽が絡むと突っ込みになる。
さっぱりした性格である反面、素直になれない面もあったりする。
知花は天然である。と、いうよりアホの子である。双葉とは既に呼び捨てで呼び合うくらい仲良くなっており、学校で出される課題に2人で死んでいることが多い。アホではあるがスペックが高い。頭も良い。ある意味裏表がない人物ともいえるだろう。
大樹という人間は家事と突っ込み以外ポンコツである。勉強、運動、その他、家事以外何をやらせても駄目である。対象的に何でもできる知花にはバカにされつつもいろいろ教え込まれている。元気だけが取り柄。こんなポンコツでも、この家のお母さん的存在なのである。
陽は本当にここの大家なのだろうか。というくらい特に家のこと何もしない。ゲームをするか漫画を読んでいることが多い。対リア充のヘイト語れば本当に誰かが止めるまで言い続ける。ボケ要因だが、双葉が絡むと突っ込みになる。つまりお互い様である。基本根暗。陽という名前なのに陰キャ。
こんな感じだが、それぞれがしっかりとノース・サンシティ・ハウスで十分楽しく生活している模様。
「双葉ー、明日わたしたち何限からだっけー?」
「2限じゃなかった?」
「あ、俺もだ!陽さんは?」
「2限」
夕食時。大樹はキッチンで夕食の支度を、残りの3人はリビングにいた。この家はキッチンとリビングが同じ部屋にあるという、いわゆるダイニングキッチンという構造。ぐつぐつと何かを煮込む音に、どこか懐かしい食欲をそそる良い匂いが部屋一面に漂う。
「じゃあ陽さん送ってって!駐車場も2キャンだし!」
「え、まあべつに良いけど」
この大学には第一キャンパスと第二キャンパスがある。距離はそう遠くはないが、普段生活していて会うことはほとんどない。双葉、知花が所属する看護学科、大樹が所属する理学療法学科は第一キャンパス、陽が所属する放射線学科は第二キャンパスであり、学生用の駐車場も第二キャンパスにしか備えられていない。
そしてこの家での車保持者は陽のみ。といっても、免許は全員持っている。実家から出て暮らしてるわけなので、当然みんなこの辺の人間ではない。そのため、わざわざ車を買っていないのだ。
ちなみに双葉はほぼ青森寄りの岩手県、知花は千葉県、大樹と陽は宮城県といった圧倒的東北率。陽は宮城で車を購入し、ここまで乗ってきたという。理由は地元のナンバーが良かったのと、寒冷地仕様がギリ必要な県で寒冷地仕様を買いたかったからだそう。非常にどうでもよく贅沢である。
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