コメディ・ライト小説(新)
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- 人狼さんは人間と仲良くしたい(連載再開っ!)
- 日時: 2019/07/19 13:22
- 名前: 星宮 ◆eGF1HwHBIw (ID: 1.75.9.6)
7/18 連載再開します!急に失踪して申し訳有りませんでした!
3月末の出来事。
1人の少女が森を散歩していた。
しかし、少女は迷ってしまう。
そんな途中出会ってしまったのだ。
人の姿であって人ではない”人狼“に______
人狼は少女に向けてこう言った。
「僕は、人狼だから、嫌われます。人間さんと仲良くしたい...人間さん、僕と友達になってくれませんか?」
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はじめまして、又はこんにちは。オリなり板で活動している星宮です!
「小説書いてみたかった」という動機で書き始めた始末であります。
当作は人間×人外の日常系(?)コメディです。
投稿スピードは遅いですし、駄文ですが楽しんでいただけると幸いです。
<character>
・人間さん/稲沢永奈
人間の少女。桜町東中学3年。茶髪ツインテ。男勝りな性格 (ただし礼儀はちゃんとある)。性格から想像できないが、実家はそこそこお金持ちで永奈はお嬢様だったりする。が、実家の空気は嫌いという理由で親戚の家に住んでいる。一人称は私。
・人狼さん/弥月
人狼。性別不詳の14歳。茶髪ショート。耳や尻尾がある。しっかりしてて、寂しがりな性格。森に暮らしている。一人称は僕。名前は永奈命名。
・妹さん/一宮雪乃
人間の少女。桜町東中学2年。黒髪ショート。ムードメーカー。永奈が住んでる親戚の家の子。永奈を姉のように慕っていると同時に永奈もまた、雪乃を妹のように可愛がって可愛がっている。一人称は私。
- Re: 人狼さんは人間と仲良くしたい ( No.1 )
- 日時: 2019/05/07 16:48
- 名前: 星宮 ◆eGF1HwHBIw (ID: 4Sz5tcpQ)
第0狼 人狼さんは人間と出会う
稲沢永奈。それが私の名前。
それなりに家柄がいいとこに生まれるも、男勝りな性格である自分には家の空気に馴染めず、親戚の家に暮らしている始末だ。
現在は3月末。春休み真っ只中であり、もう少ししたら中学の最後、3年生になる。
そんな私は今、森の中を散歩しているのだが...
「迷ったな...これ」
辺りを見渡すも木ばかり。
来た道すら解らなくなってしまった。
「でも、一直線に進めば森の端に辿り着ける筈。進むか!」
戸惑っていても、人が来るとは限らないし、私は動いた方がいいと思った。
今は夕方。夜になったら何が起こるかは解らない。
私は意を決して走り出した。
________
_____
「...さっきから同じ所ばかり通ってる気がする」
あれから走ること数十分。一向に出口は見つからない。
「日も暮れてきたし...まさか野宿しないといけないの...?」
そんな嫌な想像が思い浮かぶ。
この森は木の実とかが豊富なのが不幸中の幸いなのだろうか。
「走るの、キツくなってきた...」
長時間走っていたせいで、かなり体力を消耗した為走るのを止め、歩く事にした。
すると、木の影から何かが動くのが見えた。
「まさか、熊...」
こんな所で熊に遭遇したら不味い。
恐る恐る後退して、ある程度距離を取ったら走って逃げよう。
しかし、予想は裏切られる。
「安心してください、熊じゃありませんよ」
そんな、少年の様な声が聞こえたと思うと、木の影からひょこりと、狼の耳や尻尾を生やした人が出て来た。
性別は解らないが、年は私と大体同じだろうか。
「な、なんでこんな所に人が?」
尻尾云々、聞くべき事は他にもあるが、私は咄嗟の出来事に頭が追い付けず、そう聞いてしまった。
「それはこちらのセリフですよ...僕は人間じゃないんですから。それより、この姿を見て驚かないんですか?」
「それは迷って..って人間じゃない...!?」
私は一瞬自分の耳を疑う。が、やはりこの人は人間じゃないようだ。動く耳や尻尾が証拠だろう。
「はい。僕は人狼ですので。人間さん、迷ったのであれば家に泊まりますか?あ、でも人狼の家に泊まるなんて嫌ですよね...?」
「人狼...本当にいたんだ。て、家に泊まっていいのか?私としては有難いんたが迷惑じゃ...」
人狼なんて、伝説上の存在だと思ってたし、もっと毛深いイメージがあった。尻尾と耳がなかったら普通の人間だぞ、これ。
「僕は構いません。ただし、条件があります」
私は“条件”という言葉に反応して、唾をごくりと呑み込む。
人狼さんは少し間を開けた後、再び口を開いた。
「僕は、人狼だから、嫌われます。人間さんと仲良くしたい...人間さん、僕と友達になってくれませんか?」
- Re: 人狼さんは人間と仲良くしたい ( No.2 )
- 日時: 2019/05/07 21:37
- 名前: 星宮 ◆eGF1HwHBIw (ID: Ueli3f5k)
第0.5狼 人狼さんは人間を家に招く
「なんだ、そんな事か。喜んでなるよ」
もっと、ハードなものを想像していたので、すこし拍子抜けるも、快く承諾する。“人狼だらか嫌われる”なんて言ってたし、1人じゃ寂しかったんだろう。
「ほ、本当ですか!?僕は人狼なんですよ!」
「それがどうしたっていうんだ?」
「むぅ...貴方は変わった人間さんなのですね」
「うぐっ!親とかによく言われるけど出会ってばかりの人に言われると傷つく!」
人狼さんの悪意無き言葉は私の心の傷を軽く抉った。なんでこんなタイミングであの実家の事を思い出さなきゃいけないんだよ...
「な、なんかごめんなさい...えっと、では僕の家に案内しますね」
「大丈夫だって。案内、お願いするよ」
「は、はい!しっかりついてきてくださいね」
人狼さんの謝罪を受けると、人狼さんは歩き出したので、私はその後ろを歩く。
「人間さん、ついてこれてます?この森の奥は僕が人間から身を隠す為に人間の方向感覚を狂わせる波長を出しているので」
「まじか。通りで私が迷った訳だよ...」
「でもその波長が出てるのはロープが張ってある場所より奥なので普通の人は入ってこない筈なんですが...」
「うえっ!?気づかなかった...」
移動中、そんな感じで人狼さんと話をした。
ロープに気づかなかったって...自分が馬鹿過ぎる...
________
_____
「着きました。ここが僕の家です。どうぞ、上がってください」
「お、お邪魔します」
人狼さんに招かれ、私は森の奥地にある人狼の家へ足を踏み入れる。
外見も、内装もとても綺麗で、森の喫茶店のような雰囲気がある。これ、人狼さん1人で作ったのかな?だとしたら凄いぞ。
「これから夕飯を作ろうと思いますが...人間さんは苦手な物とかありますか?じゃがいものうま煮とえのきの味噌汁と白ご飯にするつもりですが...」
「あ、ああ。苦手な物は特にないかな。あと、こっちが泊めて貰う立場だし手伝うよ」
「い、いえ!人間さんはお客さんなのでそこのソファーで寛いでてください!」
「わ、解ったよ」
人狼さんの気迫に圧されて、手伝う事はしない事になった。
てか、人狼って狼っていうくらいだし、生肉とか食べるかなって思ったけど、メニュー名からして普通に和食だ。肉や魚は無いし。まぁ森で暮らしているなら植物系が自然と多くなるのかな?
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_____
「できましたよー」
「お、美味しそう!」
見た目もちゃんとした和食だ!準備中の時に“名前だけで見た目は別物”って想像してた自分を殴りたい。それと、ちゃっかり箸もついてる。
「「いただきます!」」
二人揃ってご飯を食べ始める。
味も美味しい。まぁ見た目がちゃんとしてて、味が駄目ってそれはそれで凄いしな...
「人間さん、お口に合ったでしょうか?」
「とっても美味しいよ。それとさ、その“人間さん”って呼び方、どうにかできない?私は稲沢永奈って名前があるんだし。人狼さんはどんな名前?」
そう聞くと、人狼さんはピタリと動きを止める。
あ、聞いちゃいけなかった...?
「じ、人狼さん...?」
私は恐る恐る人狼さんに声をかける。
「僕、名前無いんです...」
「ご、ごめん!」
やっぱり聞いちゃいけなかったやつだー!!
私の馬鹿!なんであんな事聞いたんだよ!
「人間さん...永奈さんは悪く無いですよ」
「で、でもっ。...なら私が人狼さんの名前を考える!」
「!?」
私は突如の思いつきを口走ると、人狼さんは固まってしまう。
「嫌...だよな」
「い、いえ!とても嬉しいんですけど...その、迷惑じゃ?」
「あのな、私は泊めてもらってる立場なの!それに私達は友達だろ?友達が喜ぶ事はしてやりたいよ」
「...そうですね。ならお願いします、永奈さん」
私が人狼さんに微笑んでやると、人狼さんはにっこり笑った。
さて。名前、どうすっか。
人狼さんの性別解らないし、男女どっちでもいける名前がいいな。
あと、人狼に関連してる名前...
人狼は満月の日に狼になるイメージだし、“月”は使おう...そうだな...
「“弥月”って名前はどうだ?」
- Re: 人狼さんは人間と仲良くしたい ( No.3 )
- 日時: 2019/05/09 16:57
- 名前: 星宮 ◆eGF1HwHBIw (ID: LIwDSqUz)
はい!こんにちは、星宮です。
これから各話毎に後書きならぬ前書き(という名のコラムとか)を書くことにしました!
「そんなのいらね」って方は飛ばしてください。
各話は第○狼って形にしていますが、前話といい今話といい、“0.”という形にしてあるのには理由があります。
それは、まだ永奈が中3になってないからです!
いわばプロローグ的なものです。
本編こと、第1狼は永奈が中3になってからにするのでね。
では、プロローグの最後、第0.9狼、スタートです!
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第0.9狼 人狼さんは人間と約束する
「弥月...凄いいい名前ですね。有り難うございます、永奈さん」
「どういたしまして。気に入ってもらえて何より」
気に入ってくれたのは、弥月さんの言葉だけじゃなくて、尻尾や耳からでも解る。
だって、尻尾が千切れそうなくらいの速さで振ってるからな。
「あの...月って言葉が入ってるから思ったんですが、永奈さん、人狼は満月の日に狼になるって思ってます?あ、違ったら聞かなかった事にしてください」
「違うの!?」
「はい。今の人間社会では僕ら人狼は一体どんなイメージを持たれてるんですかね...人なんて食べたりしないのに“食べないでください”って言う人間さんも居ましたし...」
弥月さんは嫌な事を思い出したのか、ため息をついて唸る。
じゃ、じゃあ私の人狼に対する知識は通じないのか。
「あれ、ならその名前も実は嫌だったり」
「そんな訳ないですよ。永奈さんがくれた名前じゃないですか。さて、料理が冷めてしまいますので、早く食べてしまいましょうか」
「りょ、了解」
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夕飯と入浴を済ませ、先程食事した場所で弥月と話をしていると時計の針は午後11時を過ぎていた。
因みに、呼称が弥月さんから弥月に変わってるのは、弥月が“永奈さんがつけてくれた名前なんですから、呼び捨てで構いません”と言ったからである。
「永奈さん、そろそろ寝ましょうか」
「もう夜の11時だもんな。そうするか」
弥月に提案され、私はその提案に乗る。
そして弥月に案内されて寝室に入ると、そこはまるで和室だった。
と、いう事は寝るのはベッドじゃなくて敷き布団か。
夕飯といい和室といい弥月は和が好きなのか...?あ、でもソファーもあったから和洋混合か。
「では、今から布団を出しますね。といっても普段は僕1人なので布団も1枚だけなのですが...」
弥そういいつつ、弥月は押し入れから軽々と敷き布団と掛け布団と枕を順に持ってくる。
なにこの布団、ぱっと見だけれど凄い気持ち良さそう。これも弥月が作ったのか?
「僕は別の部屋のソファーで寝ますので、どうぞごゆっくり」
弥月はそう言った後、ペコリとお辞儀をして部屋から出ようとする。
私は布団に気を取られ唖然としていたが、我に帰ると弥月を引き留める為尻尾を掴む。
「ひゃ!?え、永奈さん!?どこ掴んでるんですかぁ!?」
弥月は一瞬ビクッと体を震わせると甲高い声をあげ、その後真っ赤になった顔をこちらに向ける。
「す、すまん。でもソファーで寝ちゃ風邪引くだろう!?」
「そうですけど...尻尾を掴む必要は無いですよね!?」
「引き留めなきゃって思って咄嗟に何か掴もうとした結果、尻尾が一番掴みやすかったから」
私はそう正直に話すと、そこからはお説教コースだった。なんとも、人狼の尻尾はとても繊細なんだとか。だから不用意に触ってはいけないだとさ。
その後は説教中に弥月が寝落ちしてしまったので、弥月を布団に入れ、私はソファーで寝ることにしたのだった。
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翌朝。早朝に弥月が私がソファーで寝てる事に気づいて、何故か1時間程の説教をされた後、朝食を食べ、私は家に帰る準備をした。
「永奈さん、帰られるんですよね?森の出口まで送りますね」
「ああ、頼む。1人じゃまた迷うだろうからな」
「解りました。なら、ちゃんとついてきてくださいね」
「了解」
行きと同じく、先に行く弥月の後ろを歩いて、森の中を進んでいく。
やがて、ロープがある場所を越えた辺りで、弥月は私の隣を歩く様になり、出口が見えてくると立ち止まって私に声をかけた。
「永奈さん。その...また、僕の家に来てくれませんか?」
「勿論だ!なんたって私達は友達だからな!なんなら近い内、私の家にも来いよ!その耳と尻尾さえ隠せば大丈夫だろ?」
「はい!永奈さんの家、行ってみたいです!そして、約束です。僕はロープがある場所で待っているので、また来て下さい!」
「ああ、約束だ!また必ず行くよ。今日はありがとな!」
私と弥月は約束をし、互いの手を強く握る。
そして、手を離すと後ろを向いて歩き、少し振り替えって小さく手を振った後、再び後ろを向くと、振り替える事無く歩き続けた。
- Re: 人狼さんは人間と仲良くしたい ( No.4 )
- 日時: 2019/07/18 18:47
- 名前: 星宮 ◆eGF1HwHBIw (ID: NlHa02Hm)
お久しぶりです、星宮です!
もう覚えてる人はいないと思いますが...
プロローグだけ書いて失踪した人です(
今日から連載再開します!
明後日から私は夏休みなので文を書く時間は十分ありますので
小説書くのは久々なので文の書き方が以前と変わってるかもしれません。はい。
最後に...
みなさん、急に失踪して申し訳有りませんでした!
2ヶ月半ぶりに人狼さんシリーズ再開します!
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第1狼 人狼さんと永奈の妹
4月某日。
私、稲沢永奈は本日から桜町東中学校の3年生となった。
今は始業式が終わった後で、これから下校である。
「えいねえー!」
「うわっ!」
校門に向かっていると、何者かが、元気な声と共に後ろから抱きつかれる。
私が振り向くと、そこには黒髪ショートで小柄の少女がいた。
「急に抱きつくなよ、雪乃」
私は少女から少し離れると、少女の頭を撫でる。
私が呟いた“雪乃”という単語は、この少女の名前だ。
彼女は一宮雪乃。1歳下の後輩であり、私が居候している親戚の家の子で、私を姉のように慕っている。私にとって、雪乃は妹みたいな存在だ。
彼女が先程言った“えいねえ”は雪乃による私の呼び名。
「いーじゃん。減るもんじゃないんだしさー。それに待ち切れなかったんだもん。人狼さんに会いにいけるから!」
雪乃は幼い子供の様に目を輝かせる。
人狼さんこと、弥月とは、あの日以来、一緒に遊んだりしていて、その中で雪乃や親戚の人達の話もした。
話の後、弥月が“妹さんに会ってみたい”というので、帰宅後に雪乃に話したら、快く了承してくれた。訂正。行く気満々になった。
それで今日は、雪乃を連れて弥月に会いに行く事にしたのだ。
「ほら、早くいこーよ!」
余程早く会いたいのか、雪乃はぐいぐいと、私の右腕を引っ張る。
私は特に抵抗することもなく、素直に引っ張られる事にしたのだった。
だって、弥月に会いたいのは私も同じだからな。
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_____
「あんま走るなよー」
「はーいっ!」
一人先に森の中に入っていく雪乃に注意をしつつ、私はその後を歩く。
「あーー!」
突然、何かを見つけたのか、雪乃は大声を、出すと走り出した。
その後、ドンッという音がする。雪乃が何かとぶつかったのだろう。
「雪乃!?」
私は心配になり、走って様子を見に行く。
すると、雪乃は倒れていた。
土の上ではなく、倒れた弥月の上に...
「いたた...」
雪乃がゆっくり起き上がってくる。
「わっ!ご、ごめんなさい!だ、大丈夫!?」
雪乃は、倒れた弥月に気がつき、弥月の体を揺らす。
「は、はい。大丈夫です...」
「いや、大丈夫じゃないだろよ」
顔を少しあげた弥月に、遅れて到着した私が話しかける。
「ふえ、永奈さん?という事は、隣の方は永奈さんの妹さん?」
「ああ、そうだ。それより立てるか?」
「は、はい...何とか」
近くにある木を掴み、弥月は立ち上がる。
私は見ていられなかったので、肩を貸すことにした。
雪乃はどうしたらいいか、呆気にとられてる様だ。
「雪乃、私が右を支えるから左を支えてやってくれ」
「う、うん!」
雪乃は自分のせいだと解っているからか、私の言葉に素直に従ってくれた。
「弥月の家、確か薬あったな。ここからだと弥月の家の方が近い。案内できるか?」
「はい」
私と雪乃は、弥月を支えながら、弥月の家へ向かう事にした。
- Re: 人狼さんは人間と仲良くしたい(連載再開っ!) ( No.5 )
- 日時: 2019/07/20 12:52
- 名前: 星宮 ◆eGF1HwHBIw (ID: CjSVzq4t)
星宮です。
0.9狼で言った様に前書き(という名のコラムとか)書きます。
完全に私が書きたいだけなので、本編を見たい人は飛ばしてください。
今回は主人公たる永奈の名前の意味(?)です
“永”の漢字も“奈”の漢字も、“永遠”という意味が込められています。
また、“奈”には、“優しい”という意味もあります。
完全に自己解釈なのですが、“優しい人達と末永く幸せに”という意味を私は永奈という名前にこめています。
この事を踏まえて読んでもらえると、また違った印象を感じれると思います。
では、第2狼、開始です!
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第2狼 人狼さんと怪我
「少し染みるぞ」
「んっ!」
弥月の家にて。
私は薬箱から傷薬をとりだし、弥月の、倒れた時についたであろう傷に薬を塗っていく。
どうして、こんなことになったかと言うと、雪乃が走って弥月とぶつかったからだ。
弥月の上に倒れた雪乃はかすり傷ですんだが、弥月は血が出てしまっている。
しかも、ふらついていたので、私と雪乃で弥月を家につれていった。
そして今、弥月の手当てをしているのだ。
「ごめんなさい...人狼さん」
「謝らなくていいですよ。妹さん...確か、名前は雪乃さんでしたっけ。雪乃さんがかすり傷で済んでよかったです」
雪乃が申し訳なさそうに謝ると、弥月は雪乃の頭をそっと撫でた。
「優しいな。自分が怪我したっていうのに、まったく」
「優しいのは永奈さん達ですよ。僕ら人狼と仲良くしてくれる人間さんなんて、滅多に居ませんから。あと...お願いなんですが、僕をベッドまで運んで欲しいのですが...」
「了解。怪我したのなら横になった方がいいもんな。雪乃、手伝ってくれ」
「う、うん!わかったよ、えいねえ!」
私達は弥月のお願いに応え、弥月をベッドまで運んだ。
________
_____
数時間後。
「弥月、大丈夫か?」
「はい。お陰様で普通に歩けるまで回復しました」
手当て後、ベッドで寝た為か、弥月は言葉通り、普通に家の中を歩いている。
「しかし...もう夕方ですね。僕が怪我したばっかりに...ひゃい!?」
弥月が驚きの声をあげているのは、私が弥月の頬を引っ張ったからだ。
「いいか、弥月。よーく聞け」
「え、えいなさん...?」
「えいねえ...?」
私は弥月の頬から指を離すと、顔を近づける。
「今回、お前は一切悪くない。自分が悪いと決めつけるのはよせ。今回は相手が私達だから良かったが、相手が悪い奴だと、お前の決めつける癖を利用して責任を負わせてくるかもしれないからな。雪乃も覚えておけよ」
「はい。肝に命じておきます」
「うん、気を付けるね」
よし。ちゃんと聞いてくれてなにより。
私は二人を一瞥した後、手をパンパンと叩く。
「じゃ、この話はおしまい!家の門限まで、まだ2時間あるし遊ぼうぜ!」
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