コメディ・ライト小説(新)
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- 会長様、専用。
- 日時: 2019/05/13 19:01
- 名前: *~*優奈*~* (ID: onOgwpiJ)
閲覧頂きありがとうございます!
優奈と申します。
数年ほど前まで、こちらで何作か投稿させて頂いておりました。
初見の方が多いかと思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。
前作も全く同じ題名で小説を投稿しておりましたが、
リメイク版としてまた再執筆させて頂きます。
私はタメ&呼び捨て、全然大丈夫です!
お友達も募集しているので、お気軽に声をかけてください!
/キャスト/
⚫織原 弥生 ♀/高校1年生
最悪なきかっかけで、ある意味の有名高校に入学してしまう。
失敗は多いが真っ直ぐで心優しい。
人一倍の努力家。バカ正直。
⚫九条 律 ♂/高校2年生
公立明和高校生徒会会長。
カタブツ会長。成績優秀なのは生まれつき。
たまに口が悪いが、実は誰よりも心配性。
⚫海堂 臨 ♂/高校1年生
生徒会会計。
とても人見知り。常に無表情で言葉は棒読み。
ぼんやりしているように見えて、観察力が鋭い。
⚫三倉 忍 ♂/高校2年生
生徒会副会長。
お気楽で好奇心旺盛。楽しいことが大好き。
根は真面目のしっかり者。
キャラクターは今後も増えていく予定です。
小説を読んでくださった方は、なるべくご意見、ご感想等
残して行ってくださるとありがたいです。
更新待ちの方はお気軽にお声かけください^^
最低限のマナーは守って頂きますよう、宜しくお願い申し上げます。
- Re: 会長様、専用。 ( No.1 )
- 日時: 2019/05/13 22:52
- 名前: *~*優奈*~* (ID: W7E9cx6g)
/第0話:プロローグ/
「行ってきます!」
玄関の扉を押し開ける。
目が覚めるような肌寒さの中、朝日が私を照らし出す。
公立高校の受験日。
向かうは第一志望校。
この日のため、勉強に時間を費やし、全ての遊びを犠牲にした。
うん、いける気がする。
―――それは交差点で、長い信号を待っていた時のこと。
緊張と高鳴りを抱える私に誰かが声をかけてきた。
「やっほー、まさか受験生の子?」
声の持ち主に振り返れば、しつこい量のピアスに目が止まった。
中途半端に伸びた髪、色の抜けきった金髪、ニヤリと微笑む口元。
嫌な予感がした。
「どこの高校受けるの?」
「え・・・」
着崩した紺色のブレザーは高校生だという証だ。
この近くの生徒だろうか。
「・・・急いでるので、」
「冷たくない? てか俺んとこ受けなよー」
たぶんこれは、ナンパっていうやつ・・・?
ああ、信号早く青にならないかなぁ!
そうだ無視!
こういう時は相手にしないのが一番!
「俺んとこ、明和高校ってんだけどさあ」
「は、はあ・・・」
明和高校・・・
聞いた事がある。この当たりでは有名な学校。
悪名高い、という意味で。
私の周りであの高校に入ろうなんて人、聞いた事が無い。
「人間が最後に行き着く先」だなんて言われてるくらいだ。
ましてや自分が入学なんて考えた事すらもない。
「私・・・もう行きます」
やっと信号が青になってホッとしたと同時に、
突然腕を引っ張られた。
「そんな事言わないでさ、見学ついでに俺とデートでもしようよ!」
「え、ちょ、」
容赦なく、ぐいぐいと腕を引かれる。
このままじゃ電車に乗り遅れちゃう!
今までの努力がパーになるのは絶対にイヤだ!
死ぬ気でこの腕から逃げなければ。
「は、離してください」
「どこ行くよー?」
「おい、そこの君たち、何してるんだ!」
遠くから大声が聞こえたと同時に、警察官が走ってきた。
私を捕まえていた男子生徒の腕に手をかける。
「ん? その制服は、また明和高校か・・・」
警察官は、やれやれ、と深くため息をつく。
やはりここの生徒はたびたびお世話になっているらしい。
期待を裏切らないやんちゃ高校だ。
とにかく助かった。
「とにかく、話を聞こうか」
男子生徒を逃がすまいと強く腕を組むと、
ひと息つく私に目を向けた。
「君も一応、成り行きを聞かせてほしいので」
「え、いや、私・・・今日受験・・・」
「悪いね、すぐに終わるから」
「でも急がないと、」
「まったく、お前は懲りずにまた騒ぎを起こしやがって」
「すんませーん」
気の抜けた声を出す男子生徒を連れ、警官はさっさと私に背を向ける。
一歩、二歩、とそのあとを追った私は、力なく地面へうなだれた。
「勘弁してよ・・・」
青ざめる私を急かすように、
乾いた風がひとつ、音もなく吹いた。
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