コメディ・ライト小説(新)

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先輩、好きになってもいいですか?
日時: 2019/08/23 13:53
名前: ワカミ (ID: EdiyMVMu)


 

 苦手意識を持ったことなんてなかった。

 だけど、毎日いじってくる先輩に、苦手意識を持っていった。

 あの日までは⎯⎯

Re: 先輩、好きになってもいいですか? ( No.1 )
日時: 2019/09/09 19:22
名前: ワカミ (ID: EdiyMVMu)

「今日もバッチリ、暁 秋華ですわ!」
いつものように訪れた朝。外には春を感じさせる風が吹いている、5月下旬。
そんな中、暁 秋華は、朝の決めセリフを自分の部屋で叫ぶ。
「……なんちゃって!」
もちろん、学校でそんな口調ではない。いたって普通に過ごしている。

異性の意識は出てきたものの、まだ恋などはしていない。
友達はたくさんというほどの人気者ではないし、いない訳でもない。
そんなどこにでもいる新中学1年生だった。

しかし、秋華は1年2組の委員長になったのだ。
秋華自身がやりたいというのもあったが、秋華の親友⎯⎯明奈に押されたのもあった。

「秋華ー!委員長なんだから早く行くって昨日行ってたじゃない!」
秋華の部屋の真下にあるリビングから、秋華の母の声がした。
その声に、はっと我に帰った秋華は、
「そうだった!私、委員長に選ばれたんだ!」
と叫びながら、一段飛ばしで階段を掛け下りる。

秋華は、最後の5段というところで、一段飛ばしで下りたからかこけてしまった。
「ったーい!」
顔に広がる痛さに思わずそう叫ぶ。
「まったく秋華ってば…」
そんな秋華をあきれたように見つめる秋華の母だった。

Re: 先輩、好きになってもいいですか? ( No.2 )
日時: 2019/09/09 19:24
名前: ワカミ (ID: EdiyMVMu)

「いってきまーす!」

準備が整った秋華は、そう言ってリビングのドアを閉めるのもそこそこに、
家を飛び出す。

「いってらっしゃい、気をつけて」
その様子をリビングのドアから覗いていた母があきれたようにそう言った。

秋華は頷きながら、学校への通学路を走った。
途中、クラスメートと思われる男の子が
「おはよう、暁さん」
と言ったような気がした秋華だったが、本気になって走っていたからか、風の音に紛れていた。

そして、通学路の途中にある下り坂についたとき。
勢いよく下りてしまい、こけてしまった……ような気がしたが、坂の終わりで秋華は誰か
に支えられているのに気がついた。

顔を上げると、先輩と思われる男の子が秋華を抱き止めていた。
「大丈夫か?お前、すごい勢いだったけど…」
そう言われて、秋華は、自分の顔が赤くなっているように感じた。
息が切れているのだろうか。秋華にはよく分からなかった。

「す、すみませーん!」
その場に居れなくなった秋華は、走ってその場から立ち去るのであった。

Re: 先輩、好きになってもいいですか? ( No.3 )
日時: 2019/09/02 21:05
名前: ワカミ (ID: EdiyMVMu)

朝、なんとか先輩との出来事を思い出さずに過ごせたものの、退屈な1時限目の授業では思い出してしまう。

1時限目の授業は、数学。秋華が1番嫌いな科目だ。
数学と言うこともあって、秋華はより、朝の出来事を思い出してしまった。

なぜ、あんなにドキドキしちゃったんだろう、と考える。
もしかして、先輩のことが好きになっちゃったのか。
そう考えると、顔が熱くなってくる。手も汗でびっしょりだった。
目の前に彼がいるわけでもないのに。

いっそ、明奈に相談しようか、とも思ったが、明奈も恋愛未経験。その上恋愛に興味すらないのだ。

「誰か頼りになる人はいないかな…」
小声で言ったつもりが、静かだった教室に響き渡った。
もちろん、黒板にチョークで文字を書いていた先生にも聞こえていた。
先生は振り返ると、
「どうした。暁。委員長だからといって、一人に任せるわけないだろう」
と言った。どうやら委員長のことについてだと思ったそうだ。
良かった、と秋華は思ったのだった。


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