コメディ・ライト小説(新)
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- 散る花は僕らと重なるか。
- 日時: 2019/09/15 21:06
- 名前: LIL (ID: rCT1hmto)
寂しくて、愛おしい。
嬉しくて、愛おしい。
微笑んで、悲しい。
どんな感情を、どれほど散らせば君と僕は気が済むのだろうか。
『落ちた花弁』
新学期が始まって15日がたった。2年D組のみんなには悪いけど、正直言ってこのクラスはゴミだと思う。
授業は私語が絶えず、掃除もしない。それに校則なんて知らないように振舞って、いつまでたっても変われないような奴らだと感じた。誰かが変えなければ変われない。そんな奴らだ。
3時間目、移動授業。その道中に事は起こった。
「ヨォ!藤はらぁ」
歩いていた先の角から、突如1年の時のクラスメートが出て来た。そして彼らは運よく僕を見つけたのだ。
「・・・藤巻だけど・・。なに?」
「まぁまぁ、なぁ、今日みんなでカラオケ行くっけどお前もくるよな?」
そう提案され、少し驚いた。昨年度はそう言ったことに一度も呼ばれたことがなかったのだ。まぁ呼ばれても行くつもりはなかったが…。でも今回急に言って来たことには何か裏があるはず。
「みんなって、誰?」
「みんなはみんなだ、じゃあ今日の放課後に駅前のカラオケな!来いよ!!」
じゃあな!と言い残して友人たちと行ってしまった彼の背中をみて、あっけに取られていた。どうしようか。頭の中ではそれだけが残った。
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人物紹介
+藤巻 十(ふじまき とお)
志田高校2年D組
16歳
クラスメートを嫌っている。
少し勘が鋭い。
+雪乃 千花(ゆきの ちか)
黒鈴女学院3年
18歳
聡明
灰色混じりの髪が特徴。
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とりあえず、こんな感じで進めていきます。
上の話の続きから書いていきますね!よろしくお願いします。
- Re: 散る花は僕らと重なるか。 ( No.1 )
- 日時: 2019/09/21 16:13
- 名前: LIL (ID: rCT1hmto)
とりあえず、彼らの機嫌を損ねるのは面倒なのでカラオケには参加することにした。
だが、それもすぐに後悔することになる。
「じゃあ俺らトイレ行ってくるから。」
そう言ってカラオケの部屋を出て言って30分がたった。それでも一向に誰も帰ってくる気配はない。
まぁ自身嫌に感じていた勘が当たったのだろうか。11人全員で席を立った時に引き止めておけばよかった
のだろうか?とにかく、僕の目の前にはかなりの額になった伝票が置かれている。それを前にして
どうしろと言うのだろうか。考えていると部屋の電話がなった。フロントからだ。
「お時間の10分前になります。延長はいかがしますか?」
「あ・・・いえ、大丈夫です。もう出ます。」
切ってからは、後10分でこの金額をどう用意するかだった。店員さんに事情を説明するか・・・
家族に謝ってお金を持って来てもらうかしかない。だが、運の悪いことに家族は今日全員出払っていて
近くにいないのである。
「とりあえず、出るしかないか・・・」
フロントへ言って伝票を出すのと同時に事情を説明した。店員さんはひどく困惑したように慌てていた。
「あの・・・そのかた達に電話することは可能ですか?」
「あ、多分できると・・・。」
鞄の中から携帯を取り出して、化石と化した彼の電話番号に電話をかけた。だが、それに答えるはずもなく
無念に諦めた。
「すみません、やはり出ないみたいです。」
「そうですか・・。本日中にこの額をお支払いしていただくことはできませんよね・・?」
「・・・はい。情けない話ですが、本当にすみません !」
それから店員の女性は黙って考え出した。こちらの都合なのにも関わらず真剣に考えてくれるのはありがたい。
「では、今回のみツケということにしますね。私が立て替えておきます。その代わりあなたは定期的に私の
元へ返しに来てくださいね。」
「そんな!!大丈夫なんですか勝手にそんなことされて!?」
取り乱すと、彼女はくすくすと笑いながら
「ええ、あなた志田高校の生徒さんでしょう?もし何かあっても学校がわかっていれば大丈夫だわ」
「ですが・・・・それではあまりにも迷惑では?」
「だから大丈夫です。藤巻さん。」
「??!!なんで名前を」
「みなさんが呼ばれてましたし、代表者のお名前ですから」
意外な展開に僕は唖然と彼女に頼るしかなかった。
- Re: 散る花は僕らと重なるか。 ( No.2 )
- 日時: 2019/09/21 17:04
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: U7ARsfaj)
はじめまして、友桃(ともも)と申します。
小説読ませていただきました。主人公の心情や状況がよくわかって、とても読みやすかったです。
藤巻くん冷静な子で、なんだかかっこいいなぁと思いながら読んでいました^^
あと、途中途中ちょっと笑えるところがあって面白かったです。しょっぱなから全然違う名前で呼ばれてるところとか、トイレに行くのに11人全員で席を立つところとか笑
続き楽しみにしてます。
執筆がんばってください(*´▽`*)
- Re: 散る花は僕らと重なるか。 ( No.3 )
- 日時: 2019/09/21 22:09
- 名前: LIL (ID: rCT1hmto)
友桃さん、ありがとうございます!!
とても励みになります☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
- Re: 散る花は僕らと重なるか。 ( No.4 )
- 日時: 2019/09/21 22:37
- 名前: LIL (ID: rCT1hmto)
あの後、仕方なく彼女に任せて店を出た。正直初めは突拍子のない人もいるものだと思ったが、
その提案のおかげでひとまず難を乗り越えることができたのだ。
だがしかし、これからが怖い。今日僕が払えなかったことを彼らが知ったら面倒だろう。だがだからといって
彼らの分のお金を払う義務はない。第一彼らは「トイレに行く」と言って部屋を出たのだ。もともとは払うつもりだったの、かもしれない。明日、学校で今日のことを話すべきか・・否か・・・。
「藤巻さん!!」
すっかり夜になり、人通りの多い道で後ろから突然名前を呼ぶ声がした。反応はしたものの聞きなれない
その声の主に戸惑った。そうこうしているうちにその主はどんどん近づいて来た。
「あのー!藤巻さんてばっ!忘れ物です!!」
ついに僕の肩を掴んだ。咄嗟に振り返るとさっきの彼女だった。
「えっと・・雪乃さん・・?」
「ほら、名前は覚えてるのに生徒手帳忘れてますよ!」
そして目の前に差し出された生徒手帳にはびっしりと自身の個人情報が刻まれていた。
「うわぁっすみません!」
「気をつけてください。。。。でもこれでより信用性は高まりましたよ。」
ニコニコする彼女は先ほどのカラオケの制服よりもより似合った制服に身を包んでいた。
「・・?その制服は黒女の制服・・。」
「はい、私の学校は黒女です。」
「なんでそんな名門私立のお嬢さんがバイトなんかしてるんですか?」
そう言うと彼女の顔色は暗く曇った。少し俯いた後、絞り出すように
「色々あるんですよ!お嬢さんにもっ。」
深そうな事情が垣間見えた。だがそれは簡単に口に出していいものではないことくらい高校生なのだから理解している。世の中様々な事情がある。人によってそれは違うし、重さも異なる。僕にも事情はある。だが彼女の重さとは異なるのだ。決して安易なものではない。
「とりあえずありがとう。わざわざ届けてくれて。」
「いえ、それでは。また」
さっきとは違い、しっかりと微笑んで彼女は去っていった。暗いはずの夜、それでも光が転々と輝くその中を1人歩いて行く背中。そこにはわずかに悲しみが滲んでいた。。。
- Re: 散る花は僕らと重なるか。 ( No.5 )
- 日時: 2019/10/20 11:52
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: U7ARsfaj)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1a/index.cgi?mode=view&no=10985
お久しぶりになっちゃいました、友桃です。
雪乃さんがめっちゃいい人ですね。
すごく美人さんな雰囲気の上に接し方がとても気さくで好きです。
藤巻くんも「もともとは払うつもりはなかったのかもしれない」なんて、人がいいですね……!
とても冷静な雰囲気だけど、やっぱり目の前で起きたことを受け止めるのが難しいのか、それとも天然なのか、どっちだろうと気になってます。
ふたりの雰囲気どちらも好きなので、これからどういう関係になっていくのか楽しみにしてます。
更新頑張ってください^^
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