コメディ・ライト小説(新)

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NO&TOUCH 
日時: 2019/10/18 16:53
名前: おおりば (ID: LOQQC9rM)

はじめまして。おおりばと申します。
自己満足の小説を書いていきます。第1作目ですので支離滅裂、ご了承ください。
初心者が執筆する小説を、暖かく見てくれたら幸いです・・・
不定期に更新したいと思います。

NO&TOUCH #1 正夢 ( No.2 )
日時: 2019/10/18 16:48
名前: おおりば (ID: LOQQC9rM)

『おーい』

『・・・おーい』

『・・・・・・聞こえてる?』

どこからか僕を呼ぶ声が聞こえてくる。
空が青く澄み渡って、草原が広がっている。居心地のいい空間だ。

『後ろ。後ろにいるよ。』

僕はふと後ろを見た。

『やっとだよ。やっと君に出会えた。』

白い、真っ白い光が僕に語りかけてくる。

『浮かない顔して、君はそんな顔じゃないだろ?』

とても馴れ馴れしくて、うざったい。

『・・・まあ、僕が誰だかわからないか。なら仕方ないね。』

顔も見えない、背丈は僕ぐらい・・・
漫画でよくある、「もう1人の自分」か?

『いいや、そんな者ではないさ。』

・・・!僕の心の中を読み取っている・・・

『うざったいって、それもしょうがないね。』

なんなんだこいつは・・・一体僕とどんな関係があるのか・・・

『まっ、出会える日を楽しみにしていてね・・・・・・』

ーーーガバッーーー

僕はベッドで寝ていて、寝過ごしてしまった。さっきの夢が気がかりだが、とにかく支度だ。
僕は自宅を出ると、いつもの頭痛が襲ってきた。まるで殴られたみたいに・・・
ふらつきながら何とか到着した、市立若葉中学校。
靴を履き替え、廊下を俯いて歩いた。教室を見たくないからだ。
周囲の視線をひしひしと感じつつ、俯いて歩いた。目があうのが怖いからだ。
「2−2」この看板が目についた時、足がすくんで、動けなくなった。
数分固まった。何人もの人に冷たい目で見られた。するとようやく体が進んだ。
ようやく自分の席に座れた。カバンを下ろして、寝たふりをする。

「おい」

背筋が凍りついた。2度と聞きたくない声が耳に入ってきた。
顔をあげると、やはりいた。僕は声が出せなくなった。
「お前、寂しくねーの?」
長田の問いかけに答えたいが、頭が混乱してしまう。取り巻きたちがニヤついている。
「長田さん、こいつつまんないっすね!」
「お、お前、そんなはっきり・・フッハハハハハ!」(ゲラゲラ・・)
顔がこわばって、笑うことも、泣くこともできない。
(お前ら席につけーー!こら長田!立ち歩くなといっただろう!)
「・・・・ずらかるぞ」
(ぞろぞろ・・)
救われた。担任が来なかったら僕はどうなっていただろう。


昼休みは地獄だ。僕には友達なんていない。できっこないのだ。
教室でおしゃべりする奴ら、廊下で戯れる奴ら、トイレに溜まる奴ら・・・
そんなこと、まるで夢物語だ。できっこない。
とりあえず、寝たふりでやり過ごそう・・・・

ガッシャーーーン!

頭にすごい衝撃が走った。首に液体が垂れている・・・
目を開けると、長田たちが大笑いしていた。首を触ると水がついていた。
周りには、茶色い破片が散らばっていた。教室の花瓶だ。
僕は恐怖で顔が青ざめた。それを見て長田たちはさらに盛り上がっていた。

血だ、血が垂れている。


ーーーしっかりしろ!大丈夫か!ーーー
父の声がして、目が覚めた。
白い壁と天井。多分ここは病院だろう。長田たちにやられたのだろう。
「優人、目が覚めたのか!よかった・・・」
父は安堵して、ため息を吐いた。母も胸をなでおろした。
「優人!一体何があったの?教えて!」
母は目を見開いて聞いてきたが、僕は黙りこくってしまった。
「父さんは心配したんだぞ。聞かせてくれないか?」
両親から聞かれて、四面楚歌だ。

言えない。絶対言えない。

いじめられているなんて、親の前で言えない。
隠し通してきたのだから。迷惑をかけたくないから。
長田たちに報復を受けるのが怖いから。

僕は嘘をついた。はしゃぎすぎて、花瓶に突っ込んでしまったと。

両親は聞いてきた。「いじめられていないか?」と。
言えるはずもない。だって、「怖い」から。
なんとか押し通して、家に帰った。

翌日、首の周りに包帯を巻いて登校することになった。
今朝も頭痛がひどい。数倍威力が増したようだ。
教室に着くと、隣に机が一つ置いてあった。席替えでもしたのだろうか。
花瓶が一つになっていた。破片は片付けられて、長田も居た。
長田たちの行為は、隠滅された。周囲の人たちによって。みんな長田の味方をしている。
僕が勝手に、事故を起こしたことになっている。
長田は珍しく僕に絡んでこなかった。不思議に思いつつ時間を潰した。

クラス朝礼が始まると、ざわつき始めた。
(えーでは、昨日知らせていた転入生の紹介をします。)
突然のことだった。僕の心配もなしに始まるものなので、少し頭にきた。
(では、どうぞこちらへ。)

ボサボサの髪で、どこか怖い目つきをした男子だった。
長田たちは黙って見ている、次の獲物にするつもりなのか。
彼の第一声を待っている・・・

「霧島圭です。よろしくお願いします。」
『まっ、出会える日を楽しみにしていてね・・・・・・』

それは、夢の少年の声だった。

NO&TOUCH #2 現実 ( No.3 )
日時: 2019/10/30 17:27
名前: おおりば (ID: LOQQC9rM)

僕は頭が混乱した。
あの夢は正夢だったのか?それとも偶然なのか?色々な考えがよぎった。
しかしこんな僕を尻目に、自己紹介は進んでいく・・・

いや、進んでいない。
彼は黙っている。

(どうしたんだい霧島くん、何か言うことはないのかい?)
「・・・特に。」

担任の目つきが冷たくなっている。
生意気な子供だと思っているのだろう。きっと。

「強いて言えば、せいぜいよろしく。」

クラスが凍りついた。転校してきて早々この態度。
長田の方を向くと、すこし微笑んでいた。

よし。

やっとだ。やっと地獄から解放される。
霧島くんには申し訳ないが、ターゲットは君になる。

自己紹介が終わった後、僕は心が晴れ晴れした。
隣にいるが、こう言いたい。

「僕の身代わり、ありがとう霧島くん。」

「・・・え?」

・・・最悪だ。
やってしまった。声に出てしまった。一言も喋らない僕が口に出してしまった。
慌てて振り向くがもう遅い。長田がいる。後ろに。

「お前今なんつった?身代わり?」

長田の剣幕に圧倒され、顔が青ざめていく・・・
取り巻きの圧力にも恐怖を感じている・・・

「お前ごときが言葉喋んじゃねえよッ!!!」

僕は殴られることを覚悟し、目を瞑った。
ぶたれた音も聞きたくないので、音も聞こうとしなかった。


痛くない。
目を開けると、長田たちは離れていた。
教室には担任がいた。担任と霧島が話している。
僕は危機を回避できたようだ・・・

昼休みも寝たふりで突き通せたし、授業中に嫌がらせを受けなかった。
こんなに楽な1日は、この中学生活で初めてだ。
気分上々で家に帰った。いつもの景色が、心なしか綺麗に見えた。

「なあ」

体が固まった。

「月村くんだよね」

霧島だ。

「君、夢見た?」

僕はハッとした。
そう言えばあの夢はなんだったんだ・・・
僕もこらえきれずに言った。

「・・・見た。君の声の光を。」

霧島の昏い顔が、嘘のように、パッと明るくなった。

「本当に?君が夢の光?」

「・・・僕にとっては、霧島くんが夢の光だけど・・・」

「じゃあ、あれは正夢だったんだ!」

霧島に手を差し出された。

『手に触れないで』『近寄んないで』『可哀想だね』『生きるなよ』

泣いてしまった。
今までの苦労と、痛い思い出がフラッシュバックして、余計に涙が溢れる。
霧島という、仲間。初めて思いを共有したからか、心がひらけた。

僕が僕じゃないみたいだ。

夕焼けの景色が、心に刻まれた。静かな道路に、泣き声が響く。
母親と住むアパートが小さく見える。背負った古いカバンが重い。

「大丈夫、君は悪くない。悪いのは君以外の人だ。」

「・・・なんで、僕のことを知っている?」

「知ってるよ。あからさまに孤立していたもの。」

そんなに目立つなら、教師が助けてくれるはずなのに・・・

「そんな人一部だけだよ。教師を信頼し過ぎてもいいことないよ」

考えが読まれている。バレやすいのか、察しがいいのか。

「もうすぐ帰らなきゃな。」

結局話し相手をしてくれるだけだったか・・・
僕は背を向けて歩き出した。
また手を引かれて、

「なんなら、月村くん、僕と友達になろうよ。」

と言ってきた。


・・・友達だって!?



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