コメディ・ライト小説(新)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

最強テンプレを書いてみたかったんです。
日時: 2019/11/04 20:55
名前: ラー (ID: uI2pxZHD)

題名通り主人公が最強なテンプレです。テンプレすぎてもあれなのでちょっと変えますが、テンプレです。今更と思うかもしれませんが、一つはこんなのも書いてみたかったんです。なので飽きる人も多いと思いますが読んで頂けると幸いです。では次から本編です。

Re: 最強テンプレを書いてみたかったんです。 ( No.3 )
日時: 2019/11/14 20:41
名前: ラー (ID: uI2pxZHD)

「………」

「では、単刀直入に言います。あなたは必要ありません。」

(ま、だろうなー。いくらなんでも一桁はやりすぎたな。)

「………ですが、こちらも召喚した責任があります。」

そう言われ、袋を手渡された。

「これは?」

ジャラジャラ音がする。

「金貨15枚です。これくらいあれば一ヶ月は過ごせるでしょう。その間に職を見つけ生活してください。」

「じゃあ俺はこの城を追い出されるって事か?」

「まあそうなりますね。」

「それはいつだ?」

「そうですねー、では占いで決めましょうか。この水晶に手を当てて下さい。」

(どう考えても怪しいだろ………<鑑定>)

[転移の水晶]
#レア度が低いため場所指定はできない。一度使ったら壊れる

(今すぐ追い出す気じゃねぇか……まあここで断ったら怪しまれるだけだしなー。)

薫はため息をつき水晶に手を置く。

手を置いて数瞬後、水晶と薫の体が眩い光に包まれる。

「あはっ、すいませんね?あなたみたいなゴミをいつまでもこの城に置いておくとこの城が穢れますので。」

とても気持ちの悪い笑顔でそんな事を言ってきた。

「恨まないで下さいね?まあ恨んでもどうにもできないんですけどね。」

(こいついい性格してんなー。)

転移はそこまで時間がかからなかった。

一際強い光を発し、王女が軽く目をつぶった時には既に薫は消えていた。


ーーー


他のクラスメイトside

薫が転移石で飛ばされるちょっと前に、他のクラスメイトは食堂にたどり着いていた。

「おぉー!!すげぇ!!」

食堂には「勇者歓迎!!」の垂れ幕と共に机に豪華な料理がこれでもかと言うほどあった。

「勇者様方!どうぞお好きな席にお着きください!」

食堂の中央にいる男…燕尾服を着ているため使用人だろう…が、そう声を出した。全員が豪勢な料理に圧倒されつつも席に着く。席に着いた時にグループは4つだった。石井のグループと陰キャ1号のグループと佐藤のグループと小鳥遊のグループだった。

「では、勇者様方!本日はとても記念すべき良き日です!勇者様方の召喚に成功し、魔王討伐の光が見えてきました!ですが、今はそんな暗いことは考えず、目の前にある料理を楽しんでください。では勇者様方、どうぞお召し上がりください。」

その言葉を合図に食事が始まった。


ーーー


「うまっ!」

そう声をあげたのは石井だ。

「えっまじ?……うおっ!本当だ!超うめぇ!」

岡本もビックリするぐらいうまい。

「……なあ?皆よ?これからどうすんだろうな……」

「あ?何だよ悠人?急によ?」

「いや、だってよ?今はまだこんなうまい飯が食えてるから良いけどよ、いつかは魔王討伐に行かなきゃいけないんだろ?さっき王女様が見せてくれた魔法でもうここはファンタジー世界なんだってのは分かってる。俺らが強いのも分かってる。でも、死ぬかもしんないんだぜ?」

今の状況を冷静に判断することができたのは、木ノ下 悠人という石井たちとよくつるんでる奴だ。

「まあなー、けど俺らは勇者だぜ?死にやしねぇよ。なあ石井?」

「そうだぜ悠人。岡本の言う通り俺らは勇者だ。あの王女様の反応を見る限り多分俺らめっちゃ強いぜ?」

「………まあそうだよな。それにしてもこの料理うまいな。」

「あっ!それ俺が食おうと思ってたやつ!」

「取ったもんがちよ!」

周りを見渡しても、皆それぞれ楽しそうに料理を食べていた。


ーーー


薫side

「えぇーっと?ここはどこだ?」

薫は今生い茂る森の中にいる。

「あの石ランダムに飛ばすって書いてあったしなー。まあ別にどこでもいいか。あっ、あと、ステータスオープン。」

ーーーーーーーーーー

木崎 薫

種族 ???

レベル1

年齢16歳

力・9999999+

魔力・9999999+

速さ・9999999+

耐久・9999999+

スキル

≪武神≫
#全ての武術を最大限使用できる。

≪賢神≫
#全ての魔法を最大限使用できる。

≪精霊神≫
#全ての生き物・精霊を使役できる。

≪創造神≫
#創造の力を得る。この力に例外はない。

≪アイテムマスター≫
#全てのアイテムを最大限使用できる。また、出すことも可能。

≪スキルマスター≫
#あらゆるスキルを持ち、最大限使用できる。なお、スキルレベルは全てMAX。

≪無限の成長≫
#終わりがなく、いくらでも成長できる。

ーーーーーーーーーー

「創造神ってすげぇんだな。」

流石にこのステータスはやばい。

「それにしてもレベル1なのは意外だな。………最大まで上げちゃうか?」

そうして薫は<創造>を行う。作るものはレベルアップに特化した雑魚。

そしてできたのがメタルスラ○ム………ん?メタルス○イム?何それドラ○エパクってるやんって思った人。だってしょうがないじゃないか、銀色のスライムが出てきたんだから。

「こいつなんて名前だ?<鑑定>」

[経験値スライム]
#倒すと1億レベル上がる。

「………わお。」

そして、倒した。

「ステータス何か変わったか?」

見た感じだと変わってなかった(実際は宇宙を咳一つで壊せるほど強くなっているのだが)。レベルは唯一1から9999999+になっていた。

一通り終わって周りを見渡すと女性の叫ぶ声が聞こえてきた。

「おぉー、テンプレだ。けど俺創造神だしな、力抑えた方が良いよな。」

そう言って自分に制限を掛ける。最初は2分の1、10分の1ってやっていって、丁度良くなったのが10の68乗分の1。つまり無量大数分の1だった。

「えぇー、これでもこの世界の魔王と同じくらいかー……。」

チートである。

「まあとりあえず、助けに行くかな。」


ーーー


声がした所に着くと、金髪碧眼超美少女の女の子が魔物、レッドウルフに襲われていた。ちなみにレッドウルフっていうのは見た目から付けた名前だ。実名は知らん。

「大丈夫か?」

「た、助けて……」

「了解した。」

「したら、魔法を使ってみるか。」

そうして試しに使ったのが、

「<地獄炎ヘルファイア>」

ドス黒い炎がレッドウルフに凄いスピードで向かう。

本来レッドウルフはスピード型。にも関わらず少しの回避行動も許さず<地獄炎ヘルファイア>はレッドウルフに着弾した。ドス黒い炎は着弾したら瞬く間に身体全体に燃え広がり一瞬でレッドウルフを灰にした。

「うーむ、結構抑えた魔法でこれかー。」

悩んでいると、

「あ、ありがとうございます!」

さっきの美少女が頭を下げてきた。

「あぁ、どういたしまして。それで、君は?見たところ戦闘ができそうではないけど。」

「あっはい。それはですね…「姫様ー!出てきてください姫様ー!」

(姫様?……ふーん、なるほどね。本当にテンプレだな。)

そして現れたのは燕尾服を少し改造し動きやすくしたものを着た初老だった。

「あっ、ここにおりましたか姫様。どこかお怪我は?魔物に襲われませんでしたか?……む?」

ここでようやく俺の方を見る。

「誰だ貴様、もしや姫様を狙う賊か!」

そう言って腰に下がっている剣を抜いてきた。

「いや、俺はこの子を助…「貴様!姫様を襲おうとしただけではなくこの子などと呼んだな!ここで処刑してくれる!」

人の話を聞く気がないようだ。

「やめなさいアドルフ!この方は私を救って下さった命の恩人です!」

「何?本当か?」

「ああ、本当だ。レッドウルフに襲われてたその子を助けたんだ。」

「だからその子と呼ぶなと言…「アドルフ!」

(うわー、面倒臭そー。てかレッドウルフって名前合ってんのかよ。)

「取り敢えず人の話を聞いてくれ。」

「………すまない。姫様の恩人に失礼なことをした。」

少し頭を下げてきた。

「まだ実害は受けていないし大丈夫だ。」

「そうか、感謝する。」

一応まとまった。

「……それよりも姫様!何で途中で馬車から離れたのですか!?」

「私の勘がこっちへ行けと申したので。それに、ほら。この方ともお会いできましたし…///」

何故か頰を赤くしている。

「それとこれとは違うでしょう!姫様はこの国の王女なのですよ!?」

「へー、王女様なんだ。」

アドルフが、あっ、と言う顔でこちらを見てくる。

「な、何だ貴様。まさか我等を脅すつもりか?」

そう言って剣に手を掛けている。

「まさか、へーって思っただけだよ。」

「アドルフ、バレてしまっては仕方がないでしょう。私はこの国の第2王女。アリス・イズ・ワンダードです。気軽にアリスとお呼びください。」

「姫様!」

「何?アドルフ。別によろしいでしょう?この方は命の恩人ですもの。」

「ぐっ……」

「いやー、流石に王女様に呼び捨てはどうかと思…「アリスではダメですか?」

うるうるした上目遣いでこっちを見てくる。破壊力は抜群だ。

「い、いや。分かったよアリス。」

「はい!では、あなたのお名前を教えて欲しいのですが。」

「ああ、俺の名前は木崎 薫だ。」

「カオル?でございますか?」

「ああ。」

「珍しいお名前ですね。」

「まあそうだろうな。」

「ではカオル様。命を救っていただいたお礼として私の家へ招待しようと思うのです。」

「なっ!姫様!恩人だからと言ってこの様な得体の知れない男など!」

「黙っててくださいアドルフ。それで、カオル様?よろしいですか?」

「ああ、ありがたく受けさせてもらうよ。」

(色々見て回りたいしな。)

「ありがとうございます!それでは馬車に戻りましょう!」

とても綺麗で良い笑顔だった。














Re: 最強テンプレを書いてみたかったんです。 ( No.4 )
日時: 2019/11/14 22:24
名前: ラー (ID: uI2pxZHD)

薫は今馬車に揺られている。

「カオル様?気分が優れませんか?」

「ん?いや、こんな豪華な馬車に乗ったのは初めてだからさ、色々感動してんのよ。」

実際には馬車に乗るのさえ初めてだが、それを言っても何の得にもならないので黙っておいた。

「そうでしたか!私もこの馬車は気に入っているんです。座席もフカフカですしね!」

本来馬車というものは座席は硬くて痛いものだ。だがこの馬車の座席は全然硬くなく、とてもフカフカしたソファのようだ。

「この座席はフカフカしてて痛くなくていいな。何を使ってるんだ?」

「それはアドルフに聞かないと分からないですね………」

今アドルフは御者をしている。てっきり御者は別にいてアドルフは護衛だと思っていたのだが違ったようだ。護衛兼御者とは、大変そうだ。

「そうか、まあ後で聞けば良いだろう。」

「はい、私が後で聞いておきますね。」

「それは助かる。俺はアドルフに嫌われているようだしな。」

「アドルフは忠誠心が強いんです。本来は良い人なんですが、私の事となるとどうも………」

「良い部下じゃないか。」

「はい!けどやっぱり初対面の人に威圧的なのはどうかと………」

「そうだアリス、話は変わるんだが。」

「はい?何でしょうか?」

「アリスはこの王国の第二王女なんだろ?そして今から向かっているのはアリスの実家もとい王城って事だ。」

「はい、そうですね。」

「第二王女って事は少なくとも一人は姉が兄がいるんだろ?」

「はい、私には3つ上の姉がいます、けど………」

「けど、どうしたんだ?」

「私と姉は仲が悪いんです。王位継承権は姉が既に得ているのですが………」

「じゃあ何で仲が悪いんだ?」

「それが………分からないんです………何か一方的に嫌われているようで………」

「そっか………何か辛気臭くなったな。別の話題にしよう。」

「………そうですね!」

そう言ってアリスと色々な事の話を沢山した。


ーーー


他のクラスメイトside

「皆様!お食事の方は如何でいたでしょうか?」

そう聞かれると皆が口々に「美味かったです!」と言う。

「そう言っていただけるとこの料理を作ったシェフ達も喜びます。では、食事が終わり早々で申し訳ありませんがこの国の王様が皆様をお呼びしています。今から王の間にお越し下さい。」

皆が了承の返事をする。

「では、私の後をついて来てください。」

そう言って執事は歩きだす。他のクラスメイトも席を立ち後に続く。

「ねえねえ杏里?王に会ったら直ぐに魔王討伐に行ったりするのかな?」

「んー、どうだろうね。何か声が震えてるけど桃子は怖いの?」

「そりゃあ怖いでしょ!だって戦わなくちゃいけないんでしょ?」

「まあねー。」

杏里と呼ばれているこの女性は佐藤 杏里。女子唯一のバランス型だ。一方杏里に話しかけたのが三上 桃子。スピード型だ。

「ま、桃子が怖いって言うなら私が守ってあげるよ!」

「杏里………!」

「でも私がやられちゃったらごめんねー。」

「もう!そんな事言わないでよ!」

「えへへー、ごめんごめん。」


ーーー


執事がこの城で一番大きいであろう扉の前で止まる。

「皆様、この先が王の間になります。たとえ勇者様方とはいえ無礼を働くことはおやめください。では入ります。」

執事が王の間の扉をノックする。

「入れ。」

王の言葉だろう。その声を聞き扉の両側についていた2人の兵士が扉を開ける。

「では皆様、入ります。もう一度言いますがくれぐれも無礼を働くのはおやめください。」


ーーー


「良く来てくれた、勇者達よ。」

王の開口一番の言葉がそれだった。

「既にシンディアから聞いているとは思うが、今私たちは危機に面している。そこで勇者達の力を借りたい。良いだろうか?」

誰が返事をするか迷い皆で目を合わせる。

「えっと、はい。分かりました。出来る限りのことはします。」

そう声を上げたのはクラス委員長である峯島 智樹だった。峯島は俗に言うイケメンという奴でリーダー性を発揮した今の発言だけで黄色い声を上げる女子が数人いる。

「それは助かる。勇者達は非常に優秀なステータスを持っていると聞いている。だがそれでも魔王には届かないだろう。そこで今日からこの城の兵士達と共に訓練を受けてもらう。そこで勇者達には経験を積んでもらいたい。」

「訓練かー、大変そうだなー。」

「桃子は訓練した方が良いと思うよー?」

「なんでよっ!」

「あはは!何となくかなー?」

「ひどい杏里!」

「では早速訓練に参加していただきたい。ウォンバート、皆を案内しろ。」

「ハッ。」

食堂からここまで案内してくれた執事の名前はウォンバートと言うらしい。

「では皆様、私について来てください。」

ウォンバートは王に一礼してから王の間を出る。

他のクラスメイト達もそれに習って一礼をしてから出る。

「訓練がどんなのか楽しみだな。」

「やっぱ悠人もそう思うか?」

「まあな、俺達が今どんだけ強いのか確認したいしな。」

「えぇー、俺はあんましやりたくねぇな。」

「岡本が乗り気じゃ無いって珍しいな。」

「兵士の訓練っていうと鬼教官とかがいそうだからさ………」

「「た、たしかに………」」

石井、岡本、木ノ下は鬼教官がいないことを願いつつウォンバートの後をついていく。

そんな中クラスメイトに冷ややかな眼差しを向ける者がいた。

「たかが3桁で調子に乗ってるのに魔王討伐なんて出来るわけないでしょうに………」


ーーー


薫side

「父上!只今戻りました!」

「おぉ!アリスか!無事でよかった!」

そこでアリスの父、ワンダード王国の王と薫は目が合う。

「してアリスよ、そこの男は誰だ?」

こっちを指さしながら言う。

「あの方はカオル様です!ここに戻ってくる道中に魔物に襲われたところを助けていただいた命の恩人です。」

「襲われた?護衛にアドルフが付いていたのではないか?」

「王様、申し訳ございません。私が付いていながら王女様を危険な目に合わせてしまいました………」

「そうか。またアリスが何かしたんだろう?あまりアドルフに迷惑をかけるでないぞ?」

「はい…ごめんなさい………」

「それで、カオルと言ったか?」

「そうですね。」

「この度は娘を救っていただき感謝する。そのお礼にしばらくこの城の滞在を許そう。見たところアリスもかなり懐いているようだからな。」

「それは助かります。」

「うむ。」

「じゃあカオル様?行きましょう。父上、また次の機会に。」

「うむ、あまりカオル殿に迷惑をかけるなよ。」

「もうっ!父上ったら。」

「ははは!ではカオル殿、アリスを頼んだぞ。」

何故だろう、嬉しそうな表情で王がこっちを見てくる。アリスも熱い眼差しで見てくる。

「え、えっと?ま、任されました?」

「ははは!そう恐縮するでない。アリス、お前の隣の部屋が空いていただろう?そこにカオル殿を案内するんだ。」

「了解です父上!」

俺が一礼して直ぐにアリスが俺の手を引っ張っていく。

「王女様に変な事をしたら私が切るからな。」

出る際にアドルフにそう耳打ちされた。


ーーー


一応制限付きの薫のステータス書いておきます。

ーーーーーーーーーー

木崎 薫

種族???

レベル9999999+

年齢16歳

力150000 (9999999+)

魔力150000 (9999999+)

速さ150000 (9999999+)

耐久150000 (9999999+)

スキル

≪武神≫
#全ての武術を最大限使用できる。

≪賢神≫
#全ての魔法を最大限使用できる。

≪精霊神≫
#全ての生き物・精霊を使役できる。

≪創造神≫
#想像の力を得る。この力に例外はない。

≪アイテムマスター≫
#全てのアイテムを最大限使用できる。また、出すことも可能。

≪スキルマスター≫
#あらゆるスキルを持ち、最大限使用できる。なお、スキルレベルは全てMAX。

≪無限の成長≫
#終わりがなく、いくらでも成長できる。

ーーーーーーーーーー

魔王のステータスは100000程度と考えています。他のクラスメイトは魔王を倒せるまでに成長できるのか!?もしかしたら伸び代が凄い人がいるかもしれないですね………



Re: 最強テンプレを書いてみたかったんです。 ( No.5 )
日時: 2019/11/15 17:47
名前: ラー (ID: uI2pxZHD)

(ふむ、一国の王城なだけあって廊下も煌びやかだな。)

「カオル様!お部屋に着きましたよ!」

「ん?ああ、ここが?」

「はい!今日からカオル様が住む部屋はこちらになります!」

「ん?住むってどういうことだ?」

「………え?」

「ん?」

「お住みに………ならないのですか?」

(え、えぇぇぇ!?何で住む前提で話されてたんだ!?)

「えっと、住んで良いのか?」

「はい!もちろんです!」

(まあ、住ませてくれるっていうんだったら、ありがたい……かな?)

「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて、しばらく住ませていただくわ。」

「えっ………しばらく………ですか?」

(いや、めんどくせぇーー!)


ーーー


「おう……ちょっと引くぐらい豪華だな。」

部屋に入るとリゾートホテルを軽く超える内装と対面した。

「はい!何せこの国の王城ですからね!」

「こんな豪華なとこにタダで住めるとは思ってなかったわ、ありがとな。」

「えっ?タダじゃありませんよ?」

「………は?何?金取られんの?」

「ふふ、まさか、そんな訳ありませんよ。私の話し相手になって欲しいだけです。ダメ……ですか?」

(その上目遣いは卑怯だろ……)

不覚にもドキッとしてしまった。

「お、おう。そんくらいならいくらでも。」

「本当ですか!ありがとうございます!」

そう言って抱きついてくる。

「おい!?何で抱きつくんだよ!?」

「あっ……す、すいません……アドルフとメイドと父上以外と話すのが久しぶりだったので………」

真っ赤になりながらそう言うもんだからこっちまで赤くなってしまった。

「………」

「………」

「………」

「………」

「……まあ、嬉しかったけどな……」

そう言うとアリスは顔が熟れた林檎みたいに真っ赤になる。

「な、何言ってるんですか!!」

「い、いや、感想くらいは行った方が良いかなって思ったからさ。」

「そ、そう、ですか……」

「……あー、やめやめ!早く他の話をしよう。」

「そ、そうですね………じゃあ、カオル様はどちらの国の出身ですか?」

「そうだなー……その前に1つ。」

「な、なんでしょう?」

「俺のことも様付けじゃなくて呼び捨てで呼んでくれ。」

「いやっ、それはまだ早いのではないでしょうか……」

「じゃあ俺もアリス様って呼ぶぞ?」

「それは嫌です!!」

「じゃあ俺のことも呼び捨てで呼んで?」

「わ、分かりました………カ、カオル?」

「そう、それでいいよ。」

「………そ、それでは、カオルはどこの国の出身なのですか?」

「そうだなー、遠く離れたところってとこかな?」

「そんなに遠いんですか?」

「まあ普通の人なら行けないんじゃないか?」

確かに地球から来るには次元を超えるので嘘は言っていない。

「そ、そんなに遠くから………では、この国へは何をしに来られたんですか?」

「そうだなー、アリスに会うためだな!」

「っ!………むー!からかわないでください!」

「ははは、ごめんごめん。この国へは旅の途中に寄ったんだよ。」

(本当は飛ばされたんだけどな。)

「カオルは旅をしているのですね!あっ、ではここで引き止めてはまずかった………でしょうか?」

またも破壊力バツグンの上目遣いで見てくる。

「いや?別に目的のある旅じゃないからな。ここでアリスと会えて良かったと思ってるよ。」

「それは良かったです!」

太陽のような眩しい笑顔だった。

「あっ、そういえば飲み物がありませんね……紅茶は飲めますか?」

「ああ、俺は紅茶好きだぞ?」

「そうですか!それは良かったです。では、入れてきますのでちょっと待ってて下さいね。」

そう言ってアリスは立ち上がろうとして、

「キャッ!」

と言ってこちらに倒れこんできた。

咄嗟に腕で抱えるがバランスが取れず倒れてしまう。

「うおっ!」

ドサッ

「…………痛つつつ、大丈夫か?アリ……ス………」

顔の目の前にアリスの可愛らしい顔があった。どうやら押し倒す形になってしまったらしい。

「す、すまん。」

そう言っても動かないので心配になって顔を覗き込むと、顔を真っ赤にして潤んだ瞳でこちらを見てきた。

「カオル様……」

何故か様付けにもどっている。

「えっと、アリス、怪我はないか?」

聞いたのに答えてはくれない。

「お、おい。アリ…「カオル様!」

「うおっ!」

またもや急に抱きつかれた。

「ど、どうしたんだ!?アリス!?」

「カオル様、カオル様がいけないんです……同じ部屋で二人きりの状態でただでさえドキドキしているのに……私のことを押し倒すから………」

「わ、悪かったって、すぐ退くから。」

そう言ってアリスの上から退こうとするとさらに強い力で抱きしめられる。

「お、おい?」

「……嫌です……離れたくありません……」

(いつのまにこんなに好感度が上がったんだーー!?というか胸!小柄なのに妙に大きい胸が当たってるから!!)

「……カオル様。」

妙に艶めかしい声で呼ばれ、ドキッとしてアリスの顔を見ると、

「むぐっ!?」

思いっきりキスをされた。ちなみに人生初キスだ。

「むぐぐぐっ!?ぷはっ!お、おい!?急になにやってん…「まだ……まだ足りません。」

「おい!?ちょっ、待っ、むぐっ!」

またもキスされる。少し口が開いたらそこからアリスの舌が侵入してくる。

「!?!?!?」

アリスの舌と薫の舌が絡み合いくちゅくちゅといやらしい音が部屋に響いている。

たっぷりと十数秒ディープキスをしてから口を離すとアリスと薫の口と口に唾液の線ができていた。

「んっ!……はあ、はあ、………」

「………はあ、はあ、おい!?急にどうしたんだよ!?」

アリスの顔をよく見るととんでもないほど赤くなっている。

「わ、私は何てはしたないことを………殿方に対していきなりキスをするなどと……」

心ここにあらずといった感じでブツブツと呟いている。

仕方ないので声をかけると、

「おい?大丈夫か?」

こっちまでビックリするぐらい素早く顔を上げた。

「っっっ!!ご、ごご、ごめんなさい!!急にキスなんかして……嫌でしたよね……」

(う、うーむ、反応に困るなぁ?)

薫はここで注意しようか迷う。だが、

「ま、まあ、俺も嬉しいっていうか、アリスのエロい一面が見れて良かったっていうか……」

「う、うぅぁぁ……」

さっきあんなに大胆だったとは思えない程うろたえている。

「ま、まあ、ありがとう?」

「はうっ!?………」

パタリ

「ん?……え、えぇぇぇー!?」

アリスはいきなり倒れてしまった。

「ど、どうすりゃ良いんだ?これ………」
















Re: 最強テンプレを書いてみたかったんです。 ( No.6 )
日時: 2019/11/18 00:57
名前: ラー (ID: uI2pxZHD)

「………ん、んぅ………うにゅ?」

「起きたか?」

「…………」

「何だ?どうかしたか?」

「な、な、何でカオルがここに居るんですか!?」

どうやらテンパっているようだ。

「何でって、アリスがここを案内したんだろ?」

アリスは周りを見渡し、ここが自分の部屋でないことを確認する。

「何で私はカオルの部屋のベッドにいるのですか?………………まさか?」

「いや、そのまさかは違うと思うぞ?ていうか覚えてないのか?」

「な、何をです………あっ!」

思い出したのか、みるみるうちに顔が真っ赤に染まっていく。

「………」

何故かこっちを恨めしそうな目で見ている。

「お、おい?何で俺をそんな目でみるんだ?」

「………うぅぅ………」

(何か唸ってるし………)

そのとき、この最悪とも言って良いタイミングで、

コンコン

「失礼します。アドルフです。お食事にお呼びいた………?」

アドルフがベッドで涙目で赤くなっているアリスと目が合う。

「………貴様、やりおったな?」

何か盛大な勘違いをされたようだ。

「王女様を………無理矢理………傷物にしおって!!」

剣をシャランと抜き、剣先をこちらへ向けてくる。

「おい、それはお前の勘違いだ。」

そう言ったのだが、

「何が勘違いだ!?現に王女様がお前のベッドで泣いておるではないか!?………やはり命の恩人とはいえ男と一緒にするべきではなかったか………」

アドルフは心底お怒りになっている。

「はぁー………逆だ。」

「認めたな!………逆?」

「襲われたのはお…「わぁーー!!」

アドルフに説明しようとするとアリスが大声を出して遮ってきた。

「あぁ、王女様………このクズ男に無理矢理やられ、精神を壊してしまったというのですか……」

「おい!ちょっとひとの話を聞けよ!?」

こちらをキッ!と見て、

「カオル、と言ったな。貴様、その首私が直接切り落としてくれる!!」

おぉぉーー!!と叫びながら剣を構えて走ってくる。………が、

(え、おっそ………)

まるで止まって見えるため、試しに<鑑定>でステータスを覗いてみる。

ーーーーーーーーーー
アドルフ・バトラー

種族 白狼族

レベル58

年齢54歳

力・1242

魔力・54

速さ・1139

耐久・982

スキル

≪剣術≫レベル28
#剣を一定以上鍛錬した者に授かる。レベルが5上がるごとに技が解放される。

≪棒術≫レベル12
#棒の鍛錬を一定以上した者が授かる。レベルが5上がるごとに技が解放される。

≪生活魔法≫レベル18
#生活に必要な物が魔法で出せる。レベルが5上がるごとに使える魔法が増える。

≪礼儀作法≫レベル45
#礼儀作法を一定以上習得したら授かる。

≪力の解放≫レベル4
#これを行うと力と速さが1.2倍される。だが、1回使ったら1日はダルさが続く。また、1回使ったら1日あけなければ使えない。10回使うと1レベル上がる。レベルが10上がるごとに性能が上がる。

ーーーーーーーーーー

(へぇー、54歳で白狼族ねぇー………えっ!?白狼だと!?)

よくよくみると………いや見ても分からない。

(多分だが、白狼の特性で耳や尻尾を隠せるのか?)

「うぉぉぉー!!その首打ち取ってくれる!!」

そんな事を叫びながら剣を振り下ろしてきたので適当にかわし、後ろに周り剣を持っている右手の肘の関節を極める。

「ぐっ!!」

関節を極められたアドルフは剣を落とす。

「おいアドルフとか言う狼のおっさん。」

「っ!?何故お前が俺が狼だと知っている!?」

「見た。」

「見た?」

「ステータスを。」

「な、なるほど。ステータスを見られたのか…………は?ちょっと待て!お前俺のステータスが見れるのか!?」

どうやら<鑑定>はメジャーなスキルではないらしい。

「それに、どうやってお前は俺の後ろにまわったんだ?動きがまるで見えなかったぞ?」

「普通にだが?」

「ふっ、そうか。普通にか………」

(早く誤解を解きたいんだがな………というかアリスは何をやっているんだ?)

アリスのほうを見ると、青ざめた顔で目の焦点が合っていなかった。

「え、えぇぇーー………」

「………申し訳ありません王女様。自分は王女様を守れませんでした………」

(アリス聞いてないぞ?)

只今絶賛放心中のアリスはアドルフの言葉は耳に入っていなかった。

「剣神とまで呼ばれたこの私が、手も足も出ずにやられるとはな………調子に乗りすぎたか………」

(えっ!?こいつ剣神とか呼ばれてたの!?この強さで!?)

それはもうびっくりした。だが、それは置いておいて、

「おいおっさん、もう一度言うが俺はアリスを襲っていない。」

「何を今更、別に弁明する必要はないのだぞ?私はもうすぐ死ぬのでな……」

「いいから聞け、アリスが俺のベッドで泣いているのはアリスのせいだ。」

「はっ!無理矢理やっておいて王女様のせいと言うのか!」

「無理矢理やってないし、そもそも襲われたのは俺だ。」

「な……何……?」

「いきなり俺はキスされて、その後羞恥心からかアリスがぶっ倒れたから俺がベッドまで運んだだけだ。」

「そ、そんな話が信じられるか!!」

「じゃあアリスに聞くと良い。」

そう言ってアリスの方に歩いて行く。途中放心状態から解け俺に気づいたアリスは、

「カオル!!」

と言って俺の胸に飛び込んできた。

「カオル………死んじゃったかと思ったよ………」

「俺がそう簡単に死ぬかよ。と言うかアドルフに説明が欲しいんだが。」

そう言うと、顔を真っ赤にしながら、

「………分かりました………」

と言い、

「アドルフ。」

「は、はい王女様!」

「カオルの話は本当です。私が……私がカオルに……キスをし、して、倒れました。」

言い終わったら顔を真っ赤にして俯いた。

「な、何と。それでは私の早とちりだったと………」

「分かったか?」

「う、うむ。この度は本当に申し訳なかった。」

土下座をかましてきやがった。

「そんなんは良いから頭上げろ。」

「本当にすまなかった。」

「良いさ、元々は説明しなかったアリスが悪い。」

「そ、そんなことは………」

「アドルフ、今回は私のせいでごめんなさい。」

そう言って今度はアリスが頭を下げた。

「お、王女様。顔をお上げください。」

「許してくれますか?」

「も、勿論でごさいます!」

「ほっ、それなら良かったです。」

「そ、そうですね。それにしても王女様?」

「はい?何でしょう?」

「男の人に急にキスするのは良くないですよ?」

「は、はい………」

もう顔は真っ赤っかだ。


ーーー


数日後

「では、王様。お世話になりました。」

頭を下げる。

「うむ、こちらも楽しかったぞ。初日は娘が迷惑をかけてすまなかったな。」

「ち、父上!!」

皆で笑う。

「そうかそうか、カオル殿ももう行くのか。アリス、見送りを。」

「はい、父上。」


ーーー


城の城門まで一緒に歩いてきた。

「………カオル?本当に行くのですか?」

「ん?そりゃそうだろうよ、元々俺は旅人なんだからさ。」

「………私も、連れて行ってくれませんか?」

「それは無理だろう?アリスはこの国の王女だろ?」

「そう、ですよね………」

見るからに落胆している。

「大丈夫だ。また会えるさ。」

「………はい!」

城門が開かれていく。

「カオル、本当にこの数日間楽しかったです。また、会いましょう。」

「ああ。」

城門は完全に開かれた。

「あ、そうだ。アリス。」

「はい?何でしょうか?」

「こっち来て。」

「はい?」

アリスがこっちにきたので………キスをする。

「っ!!」

アリスの体が強張るが、だんだんとほぐれていく。

「んっ、はっ……ふぅ……」

舌は入れないでおこうと思ったが、アリスから入れられる。

「んっ、はぁ、………はあ、はあ。」

「んっ、………それじゃ、じゃあな、アリス。」

アリスは顔を上気させながら精一杯手を振ってくる。

「さようなら!カオル!また会いましょう!」


ーーー


「さて、冒険者ギルドでも行こうかね。」














Re: 最強テンプレを書いてみたかったんです。 ( No.7 )
日時: 2019/11/23 17:59
名前: ラー (ID: uI2pxZHD)

ーーー

他のクラスメイトside

「これはこれは、勇者様方。ようこそおいでくださいました。」

そう言って頭を下げたのが今回指導を行う教官だった。

「先程説明を受けたと思いますが、改めて紹介をいたします。今回教官となり、勇者様方を指導させていただくゴート・アルベルトと申します。以後お見知り置きを。」

クラスメイトから拍手が送られる。

「さて、早速ではありますが皆様のステータスを把握させていただきます。」

名簿を取り出したゴートは名前を呼んでステータスを確認していった。

「流石は勇者様方。レベル1にも関わらず高いステータスでいらっしゃる。」

「褒められたのは分かったが、あんたはどうなんだ?俺らよりステータスが低い奴に教えられても意味はないと思うぞ?」

またも石井が声を上げた。

「ご安心下さい。私のステータスは魔力を除き全て700を超えています。」

「な、700!?」

それを聞いて小声で岡本に、

「お、おい。俺らって強いんだよな?」

と聞く。

「あ、ああ。たぶん教官もレベルを上げまくったんだろうな。」

「そっか、そうだよな。」

この推理自体は間違ってはいないが、この世界ではレベルを上げるのは至難の業だ。どこかのゲームみたいにポンポン上がったりはしない。………薫は別だ。

「それでは、早速訓練に入りましょう。」


ーーー


薫side

薫は今冒険者ギルドに来ていた。

「はぁー、でっかい建物だなぁ。」

二階建てだが、それなりに大きい建物だ。

「さて、入るかな。テンプレの絡みがあると面白いんだが。」

謎のお願いをして薫はギルドに入る。

中に入ると喧騒と酒臭さが真っ先に来た。

「おぉー、ザ・ギルドって感じだな!」

少しばかり興奮しながら受付と思わしき場所へ歩いていく。」

「こんにちは!今日はどのようなご用件で?」

受付に到達すると用件を聞かれたので、

「冒険者になりたくて。」

と言った。

「分かりました。ではこちらの紙に記入をお願いします。代筆も可能ですがどうしますか?」

「いえ、文字は書けます。」

そう言ってスラスラと記入していく。

「はい、ありがとうございます。それでは冒険者カードを発行しますので少々お待ちください。」

「分かりました。」

暇だったので目の前でカード作りの作業をしている受付の女性を見る。

髪は茶髪で肩の少し下くらいまで伸びている。目の色は黒で胸はそれなりに大きい。じーっと見ていると、視線に気づいたのかこっちを向いてニコッと微笑んできた。

あまりにも綺麗だったので少し頰が赤くなってしまった。

(やべぇ、可愛い……)

「お客様。そんなに女性をジロジロと見るものではありませんよ?」

(あっちゃー、結構遠慮ない視線を浴びせちゃったかな?)

一応話しかけられたので応える。

「すいません。あまりにも綺麗だったので、見惚れてました。」

自分でもよくこんな言葉言えたなとは思った。

「あら、お世辞でも嬉しいです。」

「いえいえ、お世辞だなんてとんでもない。」

「ふふっ、ありがとうございます。」

一応会話にはなっただろう。

少しばかりホッとしていると後ろから声をかけられた。

「おいガキ、何一丁前にソーラさん口説いてるんだ?あぁ!?」

「おっと、ここで絡まれるとは予想外。けど、受付のお姉さんの名前ゲット。」

「あ?何言ってんだ!?ここはお前みたいなガキが来るところじゃねえんだよ!悔しかったらお家に帰ってママに慰めてもらいな!」

自分に自信があるのだろう。ガンガン上からものをいってくる。

「ジンバさん!そうやって弱い者イジメをするのはやめて下さい!」

ソーラさんが庇ってくれる。

「おいおいソーラよ?俺よりこんな乳臭えガキを優先するのか?それと、いい加減俺のものになれよソーラ。」

「嫌です!何で貴方みたいな人のものにならなきゃいけないんですか!」

「俺のものになれば将来安泰だぜ?何せ俺は冒険者ランクBだからな!」

得意顔でそんな事を言っている。

「えーっと、ジンバとか言ったっけ?」

「あぁ?お前まだ居たのか?早くお家に帰ってママの所に行ったらどうだ?」

「何言ってらか知らんが、ソーラさんも迷惑してるんだから諦めたら?」

「何だとてめぇ!」

そう言って胸倉を掴んでくる。

「ジンバさん!」

ソーラさんが心配してくれている。

「舐めた口聞きやがって!お前はもう許さねぇ、今ここで一生動けない体にしてやる!!」

一生動けなくなるのは困るので抵抗する。

「えぇーっと、<火炎ファイア>」

手からサッカーボール並みの火を出してジンバにぶつける。

「ぐ、ぐがぁああぁー!」

随分悶えている。

「はぁー、これに懲りたらソーラさんのこと諦めなよ?」

ジンバは消火に必死だ。

ふと気づくと周りがシーンとしている。

「おい、今魔法を無詠唱で撃なかったか?」

「あ、ああ。俺にもそう見えた。というか無詠唱で魔法が出せるってやばくないか?」

周りは小声でそんな事を話している。

(あらら、そう言えば魔法って詠唱いるんだっけ?)

今思い返せば最初にアリスと会ったときにも無詠唱で撃っていた。

「ぐっ、覚えてろよ!」

消火に成功したのか、火が消えているジンバはそう言ってギルドを出て行く。

「……あっ!だ、大丈夫ですか?」

受付のソーラさんが心配してくれる。

「はい、大丈夫です。」

「そ、そうですか。それにしても強いんですね。その歳で魔法が使えるなんて……それも無詠唱……」

「いえいえ、そんな事はないですよ。それよりソーラさんは大丈夫ですか?」

「はい、私も大丈夫です。助けていただきありがとうございます。あのジンバって言う人には前から苦労していたんですよ。あっ、カードできましたよ。」

カードを手渡された。

「ありがとうございます。」

「はい、では今からカオルさんは冒険者ランクGの冒険者となります。頑張ってランクを上げてくださいね。」

「分かりました。あと、冒険者ランクって最大何なんですか?」

「最大ランクはSです。世界にSランクの冒険者は3人しかいません。カオルさんもSランク目指して頑張って下さいね。」

「最大がSランクっていうと、さっき絡んできたジンバって人はBランクでかなり上なんですかね?」

「いえ、ああ言っていましたがジンバは今Cランクです。見栄を張ってBと言ったんでしょうね。」

「そうだったんですか。」

「はい。それではカオルさん。Gランク冒険者としてこれから頑張って下さい。早速ですが、依頼は受けますか?」

「それじゃあお願いします。」

「分かりました、討伐系はゴブリン10匹の討伐。その他は薬草採取等ですが、どうしますか?」

「ゴブリンの討伐をお願いします。」

「大丈夫ですか?カオルさんが強いのは分かりましたが、初めての討伐です。パーティーを組んでみては?」

「アドバイスありがとうございます。検討してみます。」

「では、依頼は受注できました。期限は一週間です。それまでにゴブリン10匹の右耳を持ってきてください。」

「了解です。」

「では、お気をつけて行ってらっしゃい。」

そうして受付を離れる。

(さてと、パーティーを組めと言われたけどどうするかな?)

後々考えれば良いと思い、今は宿屋を探すことにした。




Page:1 2



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。