コメディ・ライト小説(新)

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制服とおれんじジュース。
日時: 2020/10/08 18:33
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (ID: w1UoqX1L)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12710

 人を喜ばせる為にある言葉と言う魔法が、時には人を傷つけることがある。
皆、言葉の使い方を誤る時があるのにも、君の言葉は、いつも優しくて温かい。

 「微笑ほほえみさん、一年間、宜しくね!!」

______________________________


*ご挨拶
 どうも、皆様、雪林檎です。
この小説は処女作『花と太陽。』をベースにしています。
自分を変えたい方、など色んな方に愛される物語を書きたいと思っています。

*概要
 万年、ボッチ女子の芹香は“友達”を作るのも行動もせず鼻から諦めていた。偶然、バスの席が隣だった世界の違う太陽のような男の子・立花君に憧れて、同じ高校に入学したけれど──!?
オレンジジュースのように甘酸っぱく苦い青春が、ここから始まる!

*目次

prologue>>1

Character>>2

Chapter1>>3

Re: 制服とおれんじジュース。 ( No.1 )
日時: 2020/10/08 18:33
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (ID: w1UoqX1L)

* prologue *

 __________君と見る空は、きっと綺麗なんだと思う。

ある時は、真っ青な眩しいぐらいの綺麗な空。

ある時は、紫と朱色がグラデーションになった空。

 いつか、前を向いて空を見上げられるように。

君の隣で笑顔でいられるように。


 今の自分から、私は、変わりたいんだ。

 特別なオレンジジュースを手にした時から、私は、君を真っすぐに追い続けてる。

甘くて、苦い、そんなオレンジジュースが変わる為のきっかけ。



Re: 制服とおれんじジュース。 ( No.2 )
日時: 2020/10/08 18:33
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (ID: w1UoqX1L)

* character * 

微笑 芹香〔ほほえみ―せりか〕
 教室の隅っこでいつも本を読んでいるような万年ボッチ女子。
すぐ諦めるタイプでコミュ障。
生真面目かつ律儀な性格だが恥ずかしがり屋。

立花 陽介〔たちばな―ようすけ〕
 人気者。
 体育会系で、リーダー的存在もつとめられるコミュニケーション能力の持ち主。
みんなの盛り上げ上手。
笑顔がとっても可愛い。

椎名 観月〔しいな―みづき〕
 高嶺の花。
 教養深く、情熱的な、お嬢様。誰もが一度は憧れるような存在。
どこか冷めた言動が目立ち、滅多に笑顔を見せない。
大人っぽい立ち振る舞いをする。
陽介達と行動を共にしている。

錦織 洸〔にしきおり―こう〕
 普通の男子より落ち着きのある紳士な男子。
陽介とは中学からの友達。
観月は幼馴染。
スマートでクールな性格。

* 舞台 *

太陽高校
 自由な校風を掲げた高校。
大きな図書館など設備が充実している。

Re: 制服とおれんじジュース。 ( No.3 )
日時: 2020/10/11 14:14
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (ID: w1UoqX1L)

* 第一章 *

orange1>>3

orange2>>4

Re: 制服とおれんじジュース。 ( No.4 )
日時: 2020/10/08 18:15
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (ID: w1UoqX1L)

orange1「知ってるよ」

 



       他の誰よりも君だけが凄く、煌めいて見えるんだ。 








 「た、たたた、た、ち……ばな、く、くん……っ」
 
夜の買い物。

 母に頼まれ、醤油と片栗粉をカゴに入れて、そして自分の好きなお菓子を店員さんに出したところ_______それは、立花君だった。

 「ふ……っ。キョドリ過ぎだっつーの、てか、こんな時間でも微笑さんが出歩くなんてね。クラスの奴に会わないようにこの時間帯でバイトしてんだけど……まあ、微笑さんだからいいか」

そんなようなことを苦笑交じりに話す立花君を私は凝視していた。


 「な、なななな、何で、私の名前……っ」 

 学年一の人気者の貴方様のような世界の違う人間が地味で陰気臭いこちらの世界の闇と化した万年ボッチの私の名前を知っているなんて可笑しいでしょ!!!?




 _________「……知ってるよ、微笑ほほえみ 芹香せりかでしょ?」

 私を目を見開いてしまう。
我知らず、両手を握り締めていた。

 商品を袋に入れ終わった立花君は優しくにこっと微笑みを浮かべた。
 「ご会計、980円です」
瞬きを繰り返して、会計をしていることに気が付いた私は慌ててお財布からお金を出す。
 
 「丁度、980円をお受け取りました。レシートと商品です、ご来店ありがとうございました」

「どうぞ」と渡されたレシートとコンビニの袋を受け取る。


 このまま、帰るのかぁ……結局、何にも変わらず、今までと同じく明日も普通に、隅で過ごすんだよね。

 ……何だろう、凄く、苦しい……。
 
 目尻が、かあっと熱くなる気がした。
ぎゅぅうっと胸が縮んで締め付けられる感覚がまた、する。

 星々に負けない輝きを目の前で見てしまったら、こんな気持ちになるんだ。






 ________「微笑さん、待って……!」




 腕をグイっと掴まれ、咄嗟に身構えてしまう。そして、恐る恐る振り返ると息を切らした立花君が立っていた。

 額から首筋にはうっすらと伝った汗の跡が。
 そして、いつものように屈託のない太陽みたいな笑顔を浮かべた。
 
 「はい、これ。奢り、ね」


 手に渡されたのは、果汁100パーセントのオレンジジュース。
「お菓子には、ジュースが必要でしょ?」
不思議そうにしていた私の顔を見た立花君はそう言って、じゃあねと手を軽く振ってレジへと戻っていく。

 「………っ」

 ………、………優しいか。きゅんと来たよ、もう!!!
くしゃくしゃっと自分の髪を触って、頬を叩く。
 
 手に持ったオレンジジュースを見つめる。
カチカチ、と蓋を回して開ける。

 口へとオレンジジュースが入ったペットボトルを運ぶ。
  「……美味しいし……」
甘くて、苦い__________矛盾した味。

 何故か、笑顔になれるそんな魔法の飲み物だと私は思った。
だってオレンジジュースを見る度に心が温かくなる気がする。

 一歩一歩、立ち止まることもなく歩く。恐くて不安だと思っていた暗い道も堂々と歩けた気がした。


 何だか、立花君が居るみたいで。
 

彼は、陽介と言う名前の通り、明るくて周りを惹き付け巻き込む才能がある。
 ……いつもカッコいい彼は、どんなことも屈託のない笑顔を浮かべてする。
今さっきだって「お菓子にはジュースが必要でしょ?」って言って小さな気遣いをしてきたし。



    ________『知ってるよ』



 誰も、私のことなんか見てないし知らないと思ってたのに。
きっと、私のことなんか影としか、と言うか壁としか見てないって思ってたのに。

 「どこまで、カッコいいんだろぉ……」

はあ、と私は一人、夜空を見上げ溜息を吐いた。



Re: 制服とおれんじジュース。 ( No.5 )
日時: 2020/10/11 14:00
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (ID: w1UoqX1L)

orange2「夢」


 中学は別だった。

 でも、高校入学前から一方的に知っている。

中学三年生の頃、出会った。

 
 刺激物。



誰もを包み込んでしまう太陽の光のような人。優しい笑顔。





 _________「ただいま」

靴を脱ぎ、はいっとコンビニ袋を手渡す。
お母さんは花も綻ぶ笑顔を浮かべ「ありがとー」と言う。 

 「暗い中、ごめんね。勿論、何にもなかったよね?」

 心配げな顔になって、私の手を握ると頭を優しく撫でてくれる。
「うん、大丈夫だった。心配してくれてありがとう」
私はそう言うと自室へと階段を上がる。

 
 うちは、お父さんがいなくて、母子家庭で。
看護師のお母さんは一人で私を養い続けてくれてる。

 幼い頃は、その大変さを解らずに甘えてしまった故の___この性格は怠慢と自己責任の象徴。
 でも。
その事を放っておくのはもう、駄目で。
お母さんの為にも自分の為にも、変わらなくちゃいけない。

ぎゅっと拳を作る。



 胸が五月蠅いくらいにどっくん、どっくん脈打つ。
変な汗と生唾が込み上げてくる。

 「……お、おは……っ」


 ___________「おはようっ!」



この声は、と思い顔を上げてみると立花君が教室に入っていた。
 すぐさま、皆に囲まれる立花君はわざわざ、私のいる後方に振り返って、「微笑さん、おはよう!」と言う。
満面の笑みで。
  
 私は、石のように硬直してしまう。
 立花君は優しいから、って解っているのに意識してしまう自分が、怖い(、、)。

 「あ、……おは……よ、う」

ぼそぼそと蚊の鳴く声で返す私とは正反対だ。
 自覚をすればするほど、恥ずかしくなる。


 「――――あの、邪魔なんだけど」

顔を動かすと、彼女を見てよろけてしまい、足が絡んで転んでしまう。

 クラスで一番、綺麗だって言われる椎名さんが、居たからだった。
 艶やかなロングストレートの髪に睫毛の長いくりくりの瞳。
雀斑そばかす黒子ほくろ一つない真っ白な肌。

 眩しい……っ!

椎名さんはキツく言い過ぎたのかと思ったのか、気まずそうに目を逸らしていた。
すると、椎名さんの横から出てきて、
 「大丈夫ですか?」
と言いながら手を差し伸べてきたのはこれまた、眼を瞑ってしまうほどの顔面の人だった。
 
 スラリと背の高く、何処か冷たげだけど優しい目つきの男の子_____錦織君だ。

「あ、……いえ……大丈夫で、す」と言った私は手に力を込め、立ち上がると会釈を何度もした。

 迷惑かけた……、それもあんなビックな二人に。
あんな出入り口の前で固まっていたら言われた通り、邪魔に違いない。
 「……はあ」
失敗ばかりだ。変わりたいって思ったのに、何も、まだしてない。
挨拶も、笑顔も、何もかも。

 立花君みたいになりたい。

ずっと、思ってるけど実現は出来なくてただ、悔しい。

 立花君みたいに皆を笑顔に出来て挨拶も大きな声で言える、そんな人になりたい。
今はまだ、夢を思い描いているだけに過ぎない______



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