コメディ・ライト小説(新)
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- 魔王に求婚されて困っています。
- 日時: 2019/11/16 00:10
- 名前: 夜型猫 (ID: 3pCve.u0)
学生です。
不定期更新。
◆あらすじ
魔王城で働く新米メイドのベアトリスは、ある日、魔王からプロポーズされる。だが、ベアトリスは持ち前の無表情と図太さを利用してプロポーズを避けた。
そこから始まる平和で愉快な魔王城ラブコメ。
- Re: 魔王に求婚されて困っています。 ( No.1 )
- 日時: 2019/11/16 00:28
- 名前: 夜型猫 (ID: 3pCve.u0)
「ベアトリス、結婚しよう!」
「お断りします」
一瞬の迷いもなく、プロポーズをぶった切った。
とはいえ、生まれつきの無表情に隠れているお陰であちらからはわからないだろうが、私もだいぶ動揺している。
世界を脅かす『魔王』の城で働きはじめて約二日。
なにげなく掃除をサボ……ゴホッゴホ。魔王城の中を散歩していると、バッタリと会ってしまった。この城の最高権力者、『魔王』に。
意外なことにまだ私と同じ十代半ばという年齢で王についている彼は、私を見るなり駆け寄ってきて、急に私をプロポーズしたのだ。
驚きすぎて、遠回しに断ることができなかった。
「……」
「……」
微妙な沈黙が流れる。
最初に口を開いたのは魔王だった。
「一介のメイドごときに断る権利があると思っているのか!」
魔王らしい暴言だ。
……なんて、ぼけーっと他人事のように聞いているわけにもいかないな。
よしっ、私集合!脳内臨時会議を始めるっ!
「魔王って頭大丈夫なの? 人権って言葉知らないのかしら?」
「ちょ、それ不敬ですよ。んー、どうやって断ろうか」
「好きな人がいる、とか言ってみようか」
「いないけどね」
「仮に好きな人を設定したとき、魔王が私が好きだと言った人を殺す可能性があるわ」
「尊い犠牲者よ」
「我ながら酷いな。でも、結局問題を先伸ばしにしているだけで、殺したあと断る理由がなくなるわ」
「やっぱり権利があるようにしたほうがいいわね」
「そうね……どうしましょうか」
泣いてみた。
勿論嘘泣き。
「なっ、泣くな! お前には断る権利がある! 今のは冗談だ!」
「左様ですか」
ぴたりと泣き止んでみせると、渋い顔をされた。
なんでだ。
「もしかして、今の嘘泣きか」
……。
「男に二言は」
「………………ない」
ねぇ、この魔王チョロいよ。
大丈夫かな?
こんなんで。
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