コメディ・ライト小説(新)
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- mysterious?
- 日時: 2019/11/26 17:21
- 名前: 日向 (ID: D.48ZWS.)
こんにちは日向と申します!
まだまだ未熟ですがどうぞよろしくお願いします。
青春あり、時にはシリアスなコメディ系小説です(多分)。
スレッド作成日:2019/11/26
- Re: mysterious? ( No.1 )
- 日時: 2019/11/28 17:35
- 名前: 日向 (ID: D.48ZWS.)
[登場人物一覧]
・茂木 葵
・佐尾 七海 (番号3073)
・遠野 玲奈 (番号1007)
・八乙女 ハチ (番号8108)
・市川 オメガ (番号103)
・後藤 新 (番号5102)
・睦井 双葉 (番号6212)
・四宮 一華 (番号4381)
・呱々野 実子葉 (番号9358)
・四津川 充 (番号423)
・八戸 イチ (番号81)
・志智倉 一樹 (番号71)
・七瀬 嶺矢 (番号70)
・伊月 シオン (番号540)
・三ツ谷 ハルキ (番号328)
・生井 菜々斗 (番号217)
・来栖 彰人 (番号910)
・八雲 新志 (番号84)
- Re: mysterious? ( No.2 )
- 日時: 2019/12/01 16:21
- 名前: 日向 (ID: D.48ZWS.)
1話 クロスオーバー
「番号3073。」
ー…これが昔の私の呼び名。目を開けた先には、鉛色の職員たちが不機嫌そうに横顔を。
よいしょっ、グラついて立ち上がりながら暗い回廊を突っ切っていく。私は生まれた時…いや、物心ついた時からこの中枢施設にいる。ところどころでこぼこな壁は、手抜き感が凄い。四方八方から詰め込まれた燻んだタイルの真上から、同じような年齢の子供たちが無情に歩いてくる。そもそも私達は、孤児院から移動させられた集団で、私達のことを心配する人など誰も居なかった…と思うのが最もだろう。そんな私達は、毎日人体実験の実験台・被験者として登用されていて、 …その日が私の歯車を狂わせたのか…、そう思いたい。1つの狭い部屋にお邪魔すると、でっかいタンクと数人の子供達。さらにおまけで鉛色の職員たちが。なんだか神妙な空気が作られている。
「今回の実験は、このタンクの中に入ってもらうわ。深さ50m(メートル)のこのタンクに。生きるか死ぬか、あなた達次第ね。」
「し、死ぬ…。」
最悪の事態が頭に過ぎる。不可解そうに微笑む大人が、私の方をジロリ。重く開いた口から出る言葉は、まだ幼少期の私にも既に分かっていた。やっぱり…。
「まず番号3073。」
「…っ!」
やっぱりそうだった。お見事当たり。私の身長の倍ある天井を見ると、スッ…大きく息を吸うと、はやる恐怖を抑えながら、上へ立った。…下を偉そうに見下ろすと、青緑の世界。もはや底が見えなくて、地底の異世界にでも繋がってるのか、なんてどうでもいい想像をしてしまう。本当に生きて帰ってこれるのか。自問自答を繰り返すたびにこんがらがってくる。
…でも。覚悟を決めて。
「えいっ!」
ドボンッ
すぐすぐ青緑が滲んだ世界に吸い込まれてくる。真っ逆さまに降りると、髪の毛が逆立って世界が反転していた…。こんな幻想的な世界…ここにあっていいものか。密かに降りて、降りて行くと、
「うっ!」
感じたことない激痛、『苦しい』という感情が芽生えでた。上に上がらなきゃ…とっさにそう考えても、どうにもこうにも水圧に負けて体が釣鐘みたいに体が硬くなる。初めて見た世界は、私が生きるのを拒んでるように怖く感じた。そんなことを考えても…はぁ…はぁ…
どんどん、苦しくなって…もう、ダメ…。目の前の世界がかすれて行く。周りの美しい風景も、どんどんぼやける。…私の人生。短かったな…。私はゆっくりと目を閉ざし、やがて深い眠りに…その時、
ー…飛んだ。
弱そうに見つめると、いつしか燻んだこげこげの天井が。そして、下を見下ろすと、唖然とした人々が映っていた。
- Re: mysterious? ( No.3 )
- 日時: 2019/12/03 18:51
- 名前: 日向 (ID: D.48ZWS.)
厳かに行われた『風峯学園』入学式。いつもとは違う張り詰めた空気は、居心地が悪くて。はぁ…つい昨日まで、楽しみにしてたのに。この気持ち返せー!なんて突っ込みたい。言い方悪いけど、さっきからのろのろのろのろ話ばっかしてて。なんの勉強にもならないし、そんな時間があったらスマホでも見たい。左右には薄っぺらい紅白幕。そして手前には偉そうな学園長さんが威厳を示している。そして…横には七海。ふぁーとあくびを出すと頭を下げてゆらゆら…。明らかに寝てる。こんな日に寝るなんて、飛んだ奴だよ…。
『えー、これで風峯学園入学式を閉会いたします。』
ー…来た!
この言葉を待っていた!よしっと小さくグーポーズ。なんか古びたイスを後にすると予想外の事が…待っていた。
『入学時調査テスト』
「え。何これ…。」
ざわめく。期待を裏切るような気持ち。その一行は、私のハートを粉々に砕いた。ただでさえ真っ白なのに、憎々しい気持ちが募っていった。でも、そんな一瞬もまたまた私を裏切った。
「何これ、質問?」
「なんだー簡単ねー。」
そこに書かれてたのは、ちょっとした質問。安心を持ちつつも、好奇心という名の疑問を抱えて、私は白紙に突っ走った。
- Re: mysterious? ( No.4 )
- 日時: 2019/12/05 17:56
- 名前: 日向 (ID: D.48ZWS.)
『緊急召集』
「まーた召集…。」
ー…これは誰にも言えない、私達だけの秘密。葵にも。
私は地面を軽く蹴るなり、フワッと浮いた。空から見る景色は、やっぱり綺麗。ストンっと学校の白屋根に乗っかると、近くにあったまともじゃないエレベーターに…。
「あ、間に合った?」
「七海ちゃんそんなに慌てて気付かれなかった?」
「気づかれたら厄介ですからね…。」
ただたんに鉄張りの部屋。なんかマンガとか小説にありそうな“アジト”っぽい感じ。その真向かいに座っていたのは玲奈とハチ。そして他のモブキャ…
「そういえば七海。あなた入学式で寝てたわよね?」
「げっ一華!」
「その虫を見るような目やめなさいよ!ほっんと気に食わないんだから…。」
ー…おのれ、一華…。
キッ!っとした目で一華を睨む。こんな人格のやついたら迷惑なんだよね。昔から喧嘩ばっか。歩く災害とでも名付けたいくらい。もうちょっと言ってやろうかと思ったけど…
「全員、こっち。」
これぞ神出鬼没。それがオメガ。キリッとした目でアイコンタクトを送ってきた。その目力には、誰もが圧倒されるくらいに。ふぅ…と一つ咳払いのような何かを入れると、
「みんな。今日は“ターゲット”について話がある。」
「ターゲット…。」
「例のアレか。」
「それで、何か証拠が?」
恐る恐る好奇心の目を回らせる。聞きたいような、聞きたく無いような。
「そう。今回の入学時テストを集めた結果、学園内にいると…。見つかった証拠はただ一つ。ターゲットのイニシャルは、H・M。」
「H・M…。」
聞いたことのない単語。何故か私は、違和感を覚えていた。
でも、これは隠しておこう…。どうせウソ…。
…この名前もウソ。七海も玲奈もハチも全部…。
私達は生まれた頃から奴隷としてあしらわれて来た。この名前だって、自分で付けたもの。…こんな事も、大事な友達…葵になんか…。そう思うと胸が苦しくなる。でも…真相を知るためなら。私は悪魔にでもなる。
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