コメディ・ライト小説(新)

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Family.月の館にて。
日時: 2019/12/21 13:03
名前: 蓮見月 (ID: 69bzu.rx)

【#1 プロローグ 太陽と月 】
「今日..新入居者さんが来る日よね。」
午前10時。壁に掛けられたカレンダーを見つめ、今日の日付を見る。其処には青色で星マークが。その下には小さく『入居者s11時到着』と書かれている、勿論書いたのは私。時間を確認しつつ、館の掃除を進める。勿論庭の手入れも。しばらくして、掃除が一段落尽き、テラスに座っていると、
『にゃぁ~』
と言う鳴き声が聞こえた。鳴き声が聞こえた方を見ると、其処には可愛らしい黒猫が。
「くろ~、何処へ行っていたの?」
そう黒猫に問いかけ、寄ってきたくろを抱き上げ、膝の上へ乗せそっと撫でる。
「どんな人が来るのかしら…楽しみだわ~」
くろを撫でながらそう呟いて、
くろも楽しみよね~?と応えなど返ってくるわけもないが、問いかけ、くろを撫でながら、時計をチラチラと気にしつつ、約束の時間が来るのを待っていると、視界の端に、玄関の前に佇む人影を見つけた。
「誰かしら…もしかして……新しい入居者さんかしら…。」
と思い時間を確認すると、まだ約束の時間の5分前だった。
くろを膝の上から地面に下ろし、玄関の前に佇む人影に近づいていき、
「あなたが新しい入居者さん…?」
そう人影に声を掛けた。すると相手は、突然声を掛けられ少し驚いた様子で、一瞬目を見開き、此方を向いて、笑みを浮かべ
「あッ、はい!私が約束した者です!今日からお世話になります!唄繰魅音(ハイクリ ミオン)です!」
と丁寧に挨拶をしてくれた為、
「私はこの館の大家の月橋美怜(ツキハシ ミレイ)よ。これからよろしくね。」
と挨拶を返し、中へどうぞと玄関の扉を開け、彼女を中へ招き入れ、開けて頂いてありがとうございます!と感謝を述べる彼女に気にしないで良いわ。と微笑み掛けた。私は、その彼女の明るい笑顔を見て、まるで『月と太陽』の様だ…と思った…。

[プロローグ終。]

Re: Family.月の館にて。#2 ( No.1 )
日時: 2019/12/21 13:03
名前: 鳴海埜 (ID: 69bzu.rx)

#2【黒猫と鈴】
魅音さんを招き入れ、自分も中へ入り魅音さんの分のスリッパを用意する。
魅音さんは、館の中へ入ってすぐ、広いッ!と声をあげた。確かにこの家…館は広い。玄関から入ってすぐの処には、螺旋階段があり、天井にはシャンデリアが。2階建てで屋根裏付きの洋風の造りになっている。興奮気味の魅音さんの姿を見て、私はついクスッと笑ってしまった。瞳を輝かせ、興味津々と言った様子で館内を見渡す彼女の可愛らしさに思わず笑みが溢れてしまう。    
「魅音さんの部屋は、右の階段を登って右の突き当たりの207号室よ。」
そう彼女に部屋の場所を伝え、荷物を置いたら自由に見て回って良い、と許可を出した。魅音さんは太陽のような明るい笑顔を見せた。       
魅音さんの姿が見えなくなって、ふと大事なものを渡すのを忘れていたことに気づいた。私は急いで魅音さんの後を追いかけた。魅音さんの姿を見つけ、私は駆け寄った。       
「コレ。無くさないように気を付けてね。」              
と青いリボンの付いた鈴を渡した。すると魅音さんは、      
「コレは…?」
何に使うんですか、と聞かれた為、 
「この館広いでしょ?もし迷ったらその鈴を鳴らして。くろが魅音さんの部屋まで案内してくれるから。」   
そう彼女に説明して、試しに鳴らしてもらった。するとにゃぁ~と黒猫の[くろ]が寄って来た。本当に来たくろに、魅音さんは少しビックリしていたが、可愛いですね、とくろを撫でているのを見て、私は少しほっとして、魅音さんに笑いかけた。
  


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