コメディ・ライト小説(新)

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それでも君が好き
日時: 2020/01/11 15:34
名前: 七奈美 (ID: tVX4r/4g)

「さみーーーーーー‼」
私、東雲玲菜が住む北海道の2月は凍るような寒さでそんな中を片道30分かかる学校への道を私は今、歩いている。この寒さのなか学校に行き加えて数日後に学年末テストが待っている。学生の辛いところが詰め合わさったような2月だが私はもうひとつ悩みを抱えている。それは学校についたときから始まる。
「うわ,,,」
思わず口にしてしまったこの一言。その理由は明確だ。
(今日もいるよ,,,悪口言われるのは確定だな,,,)
目線の先にはこちらを鋭い眼光でにらむ山本里奈だ
彼女とは昔から馬が合わなかった。学年でもリーダー的な存の彼女は根暗な私がどうしても気に入らないらしい。
「あら~やっぱ今日もいるのか,,,まっ頑張れ」
いつも一緒にいる岡田文美はとても大人のような思考をしていて私はとても憧れている。そしてその隣で里奈と同じく鋭い眼光を里奈に向けているのは佐々木明菜 
「うわ,,,朝から出くわすとか最悪」
彼女はとても目立つ容姿をしていて正直モテる。しかし性格は明るいが裏が怖いため入学当初と比べるとモテなくはなっている
そしてその後ろでびくびくしているのは齊藤萌奈。控えめな性格で優しく、いわゆるオタクという部類の子である。
そして朝から里奈は噂をながしかき集めた仲間とわざとこちらに聞こえる声で悪口を言い始める
「ぅゎ,,,今日も来たよ(笑)」
なぜ人間は人の悪口を言いたがるのだろうか。うちら4人は里奈に嫌われている。悪口を言われるのだって初めて制服に腕を通し登校するときから言われている。まあ,,,正直馴れた,,,といえば嘘になるが友達が居れば怖くない。これからも頑張っていける。そう確信していた。里奈は私のすることなすことすべてが気に入らないらしく、毎朝今日の目標という小学生かっ!と突っ込みたくなるようなきかくにも里奈は難くせをつけてくる。
「立てている代表委員が目標できてないくせに目標にする意味(笑)」
はぁ,,,まーじでめんどい今すぐ辞書を持ってきて君に調べさせてやりたいよ「目標」の意味を。まあ当然ながら私はこのことを口にはできない。何事もなく平和に中1を終わるためだ
と、まあ色々な時間で私を遠回しにいじめてくるわけだが部活の時間になればすべては終わる,,,訳ではないらしい。隣で泣いている。彼女も彼女で明菜と男問題を抱えている。大体察しはつくけど,,,
「大丈夫?何があったの?」
「明菜が英二とキスしたって,,,」
まあそんな感じだよね当たり前的に
「また!?あいつも懲りないねー」
ちょっと大袈裟に言ってみるのが友達をなくさないコツだ。
「英二にね絶対にキスとかになるから王様ゲームなんてしないでってお願いしたのに,,,」
「まあ男ってこんなもんだからなー」
ギロリと彼女は怖い顔で私を睨む。可愛い顔が台無しだよ,,,
「ごめんごめん私からも明菜に言ってみるよ」
「ありがとう,,,!!!」
はいっ!とっても素直な可愛いありがとうがでました!ごちそうさまです!と、まあこんな感じで私は恋愛相談を5つ掛け持ちしている。おかげで貴重な昼休みが毎日潰れてしまう,,,
「今日ね彼と話せたの!」
こちらも可愛い笑顔で報告してくれてます。可愛いです、はい、こんな可愛い彼女なんだけどクラスのバカみたいに嫌われている奴を好きになっちゃってます,,,もったいないなー
「じゃあ今度はもうちょっと攻めてみますか!」
「え!!無理だよ~」
はあ,,,男に生まれてこんな可愛い彼女を作りたかった,,,!!!
こんな物語みたいな話を毎日毎日バリエーションもなく続けています。昔はもうちょいバリエーション豊富だったのになー
そんなことを家のTVを見ながら思っていると1件のLINEがきた。見てみると
(よー、LINEではなすの久しぶりだな!暇だからかまえ!)
めっちゃビックリしたなぜならこのLINEを送ってきたのは元彼の増田海斗だったのだから。部活内で連絡をしたりするときに話したりはしたけどLINEでしかも私事で連絡をよこすのは別れて以来だった。
しばらく放心状態に陥っていると、
(え?既読無視すか?ww)
と、きた。あっ一応先輩だし返信した方がいいよな、うん、
(あー、はい。どうかしましたか?)
ちょっとめんどくさかったので適当に返した
(だから暇だからかまえてー、てか敬語なのなwww)
と気まずい雰囲気などいっさいなく返してきたので正直冷静を装えなくなっていた。しかし、これがLINEのいいところでこの動揺が相手にバレることもない。
(一応先輩なので敬語は当たり前です。てかこっちも勉強しなきゃなんでLINEできないです)
動揺を隠しつつ連絡を途絶えさせるように仕向けたが予想外の返信がきた
(じゃあこの海斗様が電話で教えてあげよう|д゚)ジー)
正直良い迷惑だけど一応先輩だからなー、一応
(えーーーしょうがないから教えられてあげます)
(はあ?!しょうがないからとかなんだ!教えてあげねーぞ!)
(別に結構です(^-^))
((|||´Д`))
だんだん面白くなってきて結局9時ぐらいまでLINEを長引かせてしまった。しかも勉強なんて全然教えてもらえなかったし,,,
このことを誰かに相談した方がいいのか迷ったが他の人の恋愛相談でそんな暇はなかった。数日後テストも終わり勉強もしなくてよくなって久しぶりの部活がやってきた!部室にいくと誰もいなくて一人で準備をしていると
「一人で準備してんの?誰か来るまで待ってろよ」
なんと良いタイミングで裕也先輩がやってきた。
「つべこべ言ってる暇があったら手伝ってください。一応部長じゃないですか!」
「一応とはなんだ!部長だぞ?」
こんな会話は久しぶりでとても楽しかったが仮にも元カレの海斗先輩とこんなにも馴れ馴れしくしてもいいんだろうか。てか彼女とか居るって聞いたんだが,,,一応確認しといた方がいいよな、うん、
「あの、先輩って彼女作ったんじゃないんですか?」
「あぁ、由依のことか?もう別れたよ」
この一言で一気に怒りが沸き上がってきた。なぜなら私が急な別れ話にも冷静になんの抵抗もなく承諾したのはその美羽由依先輩が海斗先輩のことを好きで海斗先輩も由依先輩のことを好きで大切にするって思ったから別れたのに、由依先輩ともすぐに別れただと?!ふざけんな!別れたあともしばらくはずっと好きだったのに,,, 
「海斗先輩,,,なんでですか,,,?なんで由依先輩と別れたんですか?」
怒りを悟られぬよう冷静に聞いた。すると
「う~ん合わなかったっていうか、お前と付き合ってたときにどれぐらい大切にされてたんだろうって気づいて、またお前と付き合いたいって思ったから」
「っ,,,!そっそれはこっ告白ですか?!」
「まあね」
少し心は揺らいだが怒りの方が勝り
「お断りします」
丁重にお断りした。復縁とか無理だしね
「知ってたよでも好きでいるのは良いだろ?絶対にお前のこと振り向かせてやるから覚悟しとけよ」
一気に顔が熱くなった先輩ってこんなこと言う人だっけ?
そんなことを思っていたら部員の人たちが来て先輩は去っていってしまった。その日の帰りに友達と別れ歩いていると後ろから海斗先輩が走ってきた。めっちゃ息切らしてんじゃん
「ハァハァ,,,送る」
「え?いやいいですよ。一人で帰れますし」
「いいから!」
無理やり手を引かれて家路についていたが会話が一切ないっっ,,,!
普通あるでしょ!恋愛小説とかだったらさー、
「なあ,,,」
おっ?ついに展開が!?
「お前な、せっかくさっき俺から告白したんだからなんか喋れよ」
,,,まあそうゆう人ですよね先輩はさ,,,
「あ,,,はい,,,うん、じゃあなんで私なんかに告白したんですか?」
ちょっと呆れたな,,,うん、
「それはさ、さっきもいっただろ?何度も言わせんなよ」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」
あっ,,,思わず声にしちゃった(笑)いやでもそれ以外に言うことあります?!
「おいおい言いすぎだろ。告白だって結構勇気いるんだぞ?」
いや、しらねーよ。こっぴどくこっちをフッたくせに今さら何いってんだ。
「知りませんよ!あんなにひどいフり方したくせにいまさらお前のありがたみに気づいた的なこと言ってきてこっちの気にもなってください!」
自分の思ってたことをぶちまけてしまい言い終わってハッとした
「すっすいません,,,」
「いや、お前が言ってることは正しいよ。その通りだよな。あんなにぶちまけて別れてすぐ新しい女作ったくせにいまさらってなるよな。」
内心その通りだよ!と叫んでいたがちゃんと反省してくれてそうだったのでそのままにしといてあげた。その後気まずい雰囲気が流れつつも私の家に着いた。
「送ってくれてありがとうございました。では、また明日」
「おう,,,またな」
ちょっと寂しいという気持ちがあったがそのまま家のなかに向かった,,, グイッ
「えっ,,,?!」
唇になにやらあたたかいものが触れた。こっこれってくっ唇?!内心パニックになってて状況を把握するのに時間がかかった。
「ごめん,,,でも俺本気だからさ考えといてくれよな」
その後海斗先輩はすぐに帰ってしまった。しばらく放心状態に陥っていて気づくと家に入っていた。心のなかはぐちゃぐちゃだった。きっと心のなかでは海斗先輩を忘れられていない自分もいた。でもすぐに新しい彼女を振ったことに対する怒りもあった。
「どうしよ,,,」
複雑な心境のまま電気もつけずにソファーに座っていたのだがそのときあることに気づいた。
「あれ?お母さんたちは?」
すでに帰っているはずのお母さんたちがいなかったLINEしてみるが既読がつかない。何かあったのだろうか,,,不安になっていると固定電話の着信音がなった。
「はい,,,?」
「もしもし○○病院ですが東雲さんのお宅でしょうか?」
「はい,,,」
「実は東雲直也さんと東雲美亜さんとお子さんらしき子達が交通事故にあいまして今病院で手当てを受けているんですが」
「え!?」
「○○病院にきてもらってもいいでしょうか?」
「はっはい!」
祖父母に連絡し、病院に連れていってもらった。
「あの!家族は無事ですか?」
「意識はなんとかありますし、なんとか会話もしようと思えばできますがあとどれくらいもつかはわかりません。もう,,,手遅れです」
「そっそんな,,,」
皆死んじゃうの?なんで,,,?
「パパ、ママ、竜馬、莉愛大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ、もうパパたちは死んじゃうけど頑張っていけるからね、将来苦労しないようにお祖父ちゃんたちに話はしといたから。」
「ママたちは玲菜のこと見守ってるから,,,頑張ってね」
「お姉ちゃん、頑張ってね、俺も天国で頑張るから!それと俺が将来の夢を叶えられない代わりにお姉ちゃんが叶えてね。見守ってるから」
「ねぇね,,,痛いよ,,,苦しいよ,,,助けて,,,?」
莉愛は涙を流しながら私にうったえるその姿は見ているこっちが苦しくなるほどのもので中1の私にとっては苦しみ悔しいそれ以外の感情なにものでもなかった。そうだよね莉愛、まだ小学1年生で体も弱い方で怪我してるから痛いのは当然だよ,,,。竜馬もサッカー選手になるって頑張ってたのに私のことばっかり気にしやがって,,,パパもママも私を支えてくれてまだ親孝行なんもしてないのに,,,
「私もやだよ、まだ皆でしたいこといっぱいあるのに,,,やだよやだよ,,,」
我慢しきれず号泣した。それにつられて皆も涙を流していた。そのあといつも通り皆で雑談をした。たった数分だったがの最期の家族の会話だった。
数週間後にようやく学校に復帰した。その数週間の間、葬式、私の将来、住む場所を親戚同士で集まり周りにの意見を聞きながら決めていたためだ。
「玲菜、大丈夫だった?」
文美と明菜、萌奈は心配する言葉をかけてくれる。
「うん!大丈夫だよ?今日はちゃんと部活もいくから!」
「そっか,,,楽しみにしてる」
里奈も雰囲気を察してかなにも言ってこなかった。そして部室に行くと海斗先輩が一人で部活の準備をしていた。
「誰か来るまでまってたらいいじゃないですか」
声をかけてみる。
「,,,玲菜,,,」
「そうゆう雰囲気やめましょ。大丈夫ですから!」
やばいちょっと泣きそう,,,そんなことを思っていると、ぎゅっ,,,抱きつかれてる,,,?!
「海斗先輩,,,どしたんですか?」
「辛いよな、我慢すんなよせめて俺の前ではちょっとは甘えてくれ」
今まで誰にも触れられなかった場所を触れられたみたいになって自分でも制御ができなくなった。
「海斗先輩,,,辛いです、信じられないです、だって家族が,,,家族が,,,居なくなっちゃった,,,どうしよう,,,私,,,私一人になっちゃったよ,,,もう,,,もう,,,誰もいないの!!!」
いままで我慢していたものが一気に溢れていって号泣した。しばらくして落ち着くと入り口のところに数人の部員がこちらを見ていることに気がついた。やばい、見られてた,,,
「海斗先輩,,,大丈夫ですから、ありがとうございます」
ペコリと頭を下げて逃げるように部室から出てトイレにこもった。
しばらくして部活に戻ると何事もなかったかの様に皆は接してくれてこんな友達や先輩をもってよかったなって実感した。その日は一人で帰りたいと友達にお願いしていつもと違う家路についていた。
もう誰もいないんだよな,,,わかっていても心のどこかで願っていた。家に帰れば皆が笑顔で待っててくれる。待っていてくれるって,,,気づけば家の前に立っていた。少しの期待をもってドアを開ける。
「居るはず,,,ないよ,,,ね」
家にはいってベッドに倒れた。私は祖父母に無理を言って家族と住んでいた家の2階をリフォームして私一人でこの家に住みたいと頼んだ。最初は渋っていた祖父母も私が懸命にお願いすると仕方なく許してくれた。そんなことを思いながらボーッとしていると電話がかかってきた。
「誰だろ,,,?」
誰かも確認せずに耳に当てると
「あ,,,玲菜、海斗だけどさ、明日さ休みじゃん。英二と正也と萌奈つれてお前んちに遊びに行くから!」
「は?!海斗先輩?!ちょっと待ってくださいよ!いきなりすぎます!」
「じゃっ準備しとけよ!9時に行くからな!」
「え、ちょっとまっ,,,」
まあ冗談だよね,,,軽く受け流しとこう、うん、
~次の日~
[ピンポーン]
まじで来たわ‼やべーなんの準備もしてない,,,!
「本当に来たんですね」
「おう!」
「寒いなかご苦労様ですけど、お帰りください」
ドアを閉めようとすると、ガシッ
「なにも閉めなくても,,,!寒いなか頑張ってきたんだから,,,な?いいだろ?」
うぅ,,,むさ苦しい男三人でもここで見捨てるのには結構な勇気がいるんだよなー。しかも萌奈もいるし...
「すぐに帰ってくださいね」
「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ」
うるさい人達だなもー。仕方なく家のなかに入れたが何をするんだ男が女の家で,,,
「よし!ゲームするぞー!」
「お静かにお願いします」
私は一人で本でも読んでようと、部屋を出ようとすると
「おい、なに出てこうとしてんだよ。お前もゲームすんの!」
「いや、私は結構です」
「いいからいいから」
海斗先輩のゲーム機を握らされると色々な説明をされたが顔が近くて全く集中できなかった。
ゲームなんて得意じゃないのにな、なんて思ってたらあっという間に負けてしまった。その日は夜までずっと皆でゲームをしていたけど、どうしても素直に楽しめなかった。
「じゃあそろそろ帰るわ」
「うん」
皆が帰るとき少し寂しい感じもしたけど、また来るからななんて捨て台詞までかまされたのでほっとしたのも事実で,,,その日から部活がない日や休日は私の家に集まって遊ぶのが日課になっていた。
「今日もうちくる?」
あれから数週間後、私の家にくることは変わらず続いていた。
「おう、ちょっといくの遅れるかもしれんわ」
「りょーかい」
今日は部活はあるものの早めに切り上げるとのことなので私の家でいつも通り遊ぶことになったのだ。
「あれ?まだ誰も来てないのか」
私は掃除がなかったのでいつもいっしょにきている友達を置いて一人で部活に来て準備をしようとしていると、背中に妙な視線を感じて振り返ってみるとそこには静かに笑いながらこちらを見つめる里奈とその仲間たちの姿があった。
「・・・なっなに?」
すこしの不安にのまれながらも聞くと彼女たちはクスクスと笑いながらこちらに近づいてきた。
「いやーね、別に目障りなだけならまだいいよ?でもさー最近正也にも手出してんだって?」
「・・・え?」
「正也は私の彼氏なの。あんたなんかに横取りされたくないんだけど?」
うわーお、見事なとばっちりだね。うざいわーでもこんなことをこの状況で口に出したら本気で殺される可能性が出てくるからな,,,そんな呑気なことを考えていると
「呑気に考え事してる暇あんの?」
「え,,,?」
何が起こるかを予想する間もなく腹部に強い痛みが走った。蹴られたのだ。次は背中、胸、顔と蹴られ殴られ立っていられなくなり床に寝転ぶ状態になってしまうと、里奈たちは待ってましたと言わんばかりに体全体に蹴りを何十発いや、何百発とくらわせ、ついには意識を失いかけていた。すると
「ん?これなに?ペンダント?」
「あれれ?家族写真かな?これ」
「え!?きも、学校にまでもってくるとかマザコン?ファザコン?(笑)」
「でもーこれーもういらないよね?」
「え,,,,,,?」
家族と撮った最後の家族写真が入ったペンダントが彼女たちの手にわたり、次の瞬間ペンダントが床に落とされ里奈の足で粉々に壊されてしまったのだ。失いかけていた意識も一気に戻りペンダントに手を伸ばす。しかし、里奈はその私の手を踏みつける。
「そんなに大事なものだったんだ?でもねあんたみたいなやつの家族なんてどうせ死んで当然なやつらなんだからいいじゃん」
この言葉で私は頭の中のなにかが切れた気がした。立とうとすると足や腕に激痛が走るがそんなの関係ない。残った力をふりしぼり立ち上がった。そして何かを叫ぼうとしたその瞬間、部室の扉のところに人影が見えた。海斗だ。
「おめーらなにやってんだ?」
海斗は起こった状況が詳しくは理解できておらず驚いたようにこちらを見ている。
「なっなんでもないんです。玲菜が怪我をして寝転んでたから心配して見に来てただけなんで、」
と、里奈はいいわけをしながら私の方を絶対に言うなよと言わんばかりににらんでくる。私も言ったらこれ以上のことをされると思うと恐怖でなにも言えなかった。
「ほんとか?玲菜。」
「はっはい。なにもないです」
「ほんとうになにもなかったんだな?」
海斗はゆっくりと近づきながら私に問う。そして目の前まで来たとき、私の耳元で
「無理すんな、お前は俺が守ってやるから」
それはこれ以上ないというほどの安心感がある言葉だった。私はずっと我慢してきた涙を目に溜めながら
「里奈たちに暴力をふるわれたの。この傷も里奈たちが私につけたもので。」
足が震えていた。でも目の前で優しく微笑んでくれる海斗を見ているとそれも落ち着いた。
「おい、里奈っていったな?お前ら玲菜と同じクラスか?」
「はっはい」
「じゃあ一人ずつ名前言ってけ」
海斗は一人一人の名前を聞いて先生に報告しておくとだけ告げると里奈たちに部活に戻るように指示した。里奈たちがいなくなると極度の緊張状態から解放され思わず座り込んでしまった。まだ足の痛みはとれないままだ。
「玲菜?大丈夫か?」
「はい,,,来てくれてありがとう」
「玲菜?!どうした!」
「え?」
裕也がぎょっとした目で私を見る。なんでだろ?そしてあることに気づいた。涙が見境なしにあふれでてくるのだ。
「あれ?泣くつもりなんてないのにな,,,っ」
「玲菜,,,」
「こわかった,,,本気で死ぬかと思ってこわかった,,,ペンダントも壊されてもう,,,もう,,,」
「保健室行くか」
しばらく泣いていた私を抱き締めていてくれた海斗は優しく微笑みながら言った。
「あ,,,海斗先輩、足が痛くて歩けないから先生呼んできてくれませんか?」
「一人にしておけるかよ」
そういうと私をお姫様だっこして部室を出た。
「え!?海斗先輩?!ちょっ,,,大丈夫なんでおろしてください!」
しかし海斗先輩はそんな私の言葉を無視して廊下を歩く。視線がいたいよ~。そのあと保健室で手当てを受け、帰るまで海斗先輩は側にいてくれた。あんなに拒否していたはずの海斗先輩からの言葉や行動がだんだん心地よいものになっていることにはじめて気づいた。どんなにひどいことを言っても私を好きだといってくれた海斗先輩,,,意外と別れたときよりも成長してるんだな。不覚ながらも思ってしまった。次の日私はたいして傷は深くないものの念のため休めと祖父母から連絡があり朝から家でだらだらしていた。すると1件のLINEが入った
(玲菜、大丈夫か?今日学校休んでたみたいだけど)
海斗先輩からだった。
(はい、大丈夫です!明日は行きますから)
(そっか今日の放課後部活ないから遊びに行ってもいいか?)
(もちろん!来てください!)
正也たちと久しぶりに遊べるとおもいとてもワクワクしていた
ピンポーン
「正也たちかな?はーい、」
ドアを開けると
「あれ?海斗先輩だけ?」
「おう、悪かったか?」
「いえいえ、一緒に遊びましょう!」
「なあなあ」
ゲームをしながら海斗先輩が話しかけてきた。
「はい?」
「前みたいにため口で話さね?」
「え,,,あ、はい。わかりました」
「なんだよ?不満か?」
「いや、そうじゃないけどさー」
「いや、切り替えはやっ」
「えー?ため口にしようって言ったのは海斗じゃん!」
「「ふっふははははははは」」
「いや、なんの話してたっけ?www」
「しらねwww」
「久々に二人で笑ったかもね」
「それな」
あのころはまじで幸せだった。
家族もいて先輩も同級生も皆が仲良くて,,,
「あ,,,れ,,,,,,?」
暖かい雫が頬をつたっていく。
「玲菜?」
「海斗,,,私どうしちゃったの,,,かな?」
「・・・どうした?」
「わかんない,,,ただ昔はよかったなーっておもっっ,,,!」
強引に引っ張られて海斗の胸へ飛び込む形になってしまった。私を抱きしめるあたたかさを感じて、このとき初めて気づいた。海斗は私を元気づけるためにあんな強引に家に来たんだね。しばらく抱きしめられていたけど少し苦しくなって顔をあげてみるとそのときの海斗先輩の顔がとても悲しい顔をしていて,,,
「裕也?どしたの?」
「いや、なんでもない」
「そか,,,,,,,,,,,,あのさ、この前の告白OKしてもいいよ」
「は?!あのな、そんなに簡単にOKしていいのか?」
「あんなに簡単に人のことフれるくせに、」
「はあ!?うるせーな」
こんな会話が幸せで、思わず微笑んだ。
「そんなに疑うんだったら私から改めて海斗に告る」
「・・・ちょっと聞いてみたいかも」
「あっやっぱやめる」
「えー、なんでさ」
「なんか、ちょっとキモい」
「しゃーねーだろ」
頭をかきながらはー、とため息をついてそっぽを向いてしまった。
「海斗?ねえってば・・・・・・すっ好きだよ海斗」
うしろからぎゅっとして恥ずかしさをまぎらわせる。絶対顔赤いって。
「・・・!!!あーもー、やめてよ。理性抑えられなくなるから」
「え,,,?」 
いきなり、こっちを向いて,,,ぎゅっ,,,
「え?なっ何をっ」
「ごめん、我慢できない」
あまりにも熱っぽい瞳で見られるからぼっと顔が熱くなる
「何が我慢できなっ,,,!!」
何が我慢できないの?と聞き終わる前に温かいものが唇に押し付けられる。
「,,,んっ」
「,,,っ!やめろ、まじで」
唇が離れたあとぼーっと海斗の顔を見つめていると、海斗はめっちゃ動揺していて、その姿を見ているとなぜか昔のことを思い出してしまう。
「前もこんなことあったね?」
「・・・そう,,,だな」
「昔には戻れないけど私ともう一度付き合ってくれないかな?」
最後の一撃だっ!このやろー!私にこんなこと言わせやがって!
「お前じゃなくて俺が言うことだろ。普通。」
「じゃあ、付き合うってことで」
「おう、よろしくな」
「・・・」
「ん?どした?」
「なんか新鮮だなーっておもって」
「なぜに?(笑)」
「前は全部LINEだったじゃん」
そう、前に付き合ったときは告白も別れるときも全部がLINEだったのだ。そのせいで誤解が生じて別れに発展したのだった。
「だなー。,,,あの、さ」
「ん?」
「俺らが付き合ううえでの決まりっていうか俺がお前に約束することを、今から言うからさお前もなんか約束してほしいこととかあったら言えよ」
「わかった」
「まず、1つ目は浮気は絶対にしない。2つ目は隠し事なし。この2つだけ」
「わかった。じゃあ私は付き合ってることを何がなんでも秘密にすることはしない。これだけ」
「それだけ?なんで?」
「秘密にしといたらさ、海斗のこと好きな人とかに盗られちゃうかもしれないもん」
「俺は物じゃねーぞ」
「知ってるもん!でも、やっぱり心配なんだよ,,,」
「ふっ,,,」
「笑うな!」
鼻で笑われて、ムカついて叩こうと拳をあげると
「ごめんごめん、可愛いなって思ってさ」
やさしい笑顔でそんなこと言われたら、反撃できないよ,,,
「,,,っ!もう知らない!」
「あれ?どした?あっ照れてんの?」
「照れてない!」
「嘘だ~w照れてるべ?」
「,,,っ!もう嫌いになるよ!」
「いいよ、また惚れさせるから」
うぐっ,,,!つっ強い!なにも言えずに一人で悔しがっていると
「ごめんな、可愛くてついからかっちまった」
ニカッと爽やかな笑顔で言われると私も逆らえない。そんなこんなで世間で言うイチャイチャというものをしていると、あっという間に時間はたった。
「あっそろそろ帰らないと、」
「そっか,,,」
少し寂しいな~なんて思っていると、私の心を見透かしたように
「寂しい?」
「んなわけ,,,ないじゃん」
「んな顔すんなって」
「だって,,,誰もいないんだもん」
「・・・」
あっやばい!あざとい女って思われた?!心配で私は無理やり笑顔を作ってみたけど
「ごめんな、一緒に居てやれなくて明日の朝1番に迎えに来るから」
「うん,,,!ありがとう」
結局また、海斗に謝らせちゃった。責めたい訳じゃないのにな。裕也は私の方をいとおしそうに見つめたあと切ない顔を一瞬だけ見せて去っていった。
~次の日~
[ピンポーン]
「来た!!」
ドアを開けると、 
「よっ!おはよ!」
「うん!おはよう」
「昨日あのあと一人で泣かなかったか?」
「泣くわけないじゃん」
「ほんとか?」
「だって寝落ちするまで電話してくれてたじゃん」
「あれ、ほんとに寝てたのか!」
「当たり前」
そう、海斗はあのあと家に帰る途中からずっと電話をしてくれていた。夕飯とか食べなくていいの?って聞いたら今日親いないから後で食べるって言われてしまった。無理しないといいのにな,,,そう思いながら登校することになったのだが、とにかく目線がヤバい。
「れい~な~!おはよ!ってえぇぇぇぇぇぇ!」
「あっ文美、おはよう。」
「えっ玲菜?えっなんで海斗先輩と居んの?」
「付き合ってるから」
私が答える前に海斗が答えちゃった。即答だな~
「えっ!?まじ?!」
そうなるよね~
「うん、文美まじだよ」
「玲菜が言うならほんとだな」
「だからほんとだって(笑)どんだけ俺は信頼されてないんだよ(笑)」
「いや、信じる人いないでしょ」
「うわ、ひどっ!」
二人の会話を聞いていたらなんだか明るい気持ちになってきて笑ってしまった。
「「・・・」」
「ん?どしたの?二人して黙りこくって」
やばっ怒らせちゃった,,,?
「いや、玲菜がそんなに素直に笑うの久しぶりに見たなって思って」
「うんうん」
「そんなことないよ。だって皆が側にいてくれるじゃない」
「うぅ,,,まじで可愛いよ、天使だよ!玲菜は!」
「そんなことないよ。文美の方が可愛いもん。」
「あっそれはないわ」
文美が謙遜する前に海斗が否定した。
「ちょっ、失礼だよ?!」
「別にほんとのことだし~」
そんな会話をしながら学校につくと朝から里奈に会ってしまった。
「ちょっと最悪なんだけど~朝から会っちゃった~」
周りに聞こえる大きな声で言ってくれたけれどもさ,,,ね。同じ学校なんだし当たり前じゃんとか思いながらも口にはできず無視して教室へ向かう。
「海斗大丈夫か?」
1年生のクラスがある3階へ行く途中に2年生のクラスがある2階で海斗に心配されてしまった。あんまり心配はかけたくないけど気にかけてくれたのは嬉しいなー,,,なんて呑気に思ってたら後ろからすごい殺気が,,,振り向いてみるとそこにはすごい形相で睨む萌奈の姿が,,,
「えと,,,萌奈?」
「なに?」
いつものように柔らかい声ではなく明らかに冷たい声。
「なんか怒ってるの?」
「ねえ,,,なんで二人が付き合ってんの?」
「え,,,なんでって」
「私だって海斗先輩のこと好きだったのに!」
「え,,,うそ,,,」
「嘘じゃないし、言わなかったのは悪いけどなんで玲菜なんかにとられなきゃいけないの!」
「ちょっと待ってよ、玲菜なんかってなに?確かに私はお世辞にも可愛いとは言えないけどさ今までそんな風に思ってたわけ?」
「うっ,,,そっそれはさ,,,」
「ひどいよ,,,」
私はそこに居られなくなり急いで3階へかけ上がった。いろんな人が心配の声をかけてくれるが、返事をする気になれずそのまま教室へいかずに理科室に逃げ込んだ。理科室には理科の鈴木先生がいて私が苦しくなったときにはいつも話を聞いてくれるのだ。バタンッ
ドアを乱暴に開けるとそこには一瞬驚いた顔をしたがすぐに優しく微笑みかけれくれる先生の姿があった。
「玲菜ちゃん、おはよう。どうしたの?」
「先生,,,せん,,,せぇ,,,うぅうっグスッ」
「どうしたの!なんかあった?」
「あのね,,,」
たどたどしい私の話をゆっくり聞いてくれて、話が終わると先生は一呼吸置いて私に話しかけた。
「私の時代はそんなことはあんまりなかったからよくわからないんだけどね、萌奈ちゃんはなにも言わずにいきなり玲菜ちゃんを責めて悪いと思うけど、玲菜ちゃんもそこ場から逃げてきちゃったのもダメだと思わない?」
そう言われてハッとした。確かに私は家族がなくなったからって優しくしてくれる周りに甘えていたのかもしれない。謝りにいかなきゃな,,,あれ?萌奈って3年生に彼氏居なかったっけ?そんな疑問がありながらも教室へ戻ると杏が走ってきて
「玲菜!ごめん!私,,,海斗先輩がとられたとおもったらちょっと悔しくて,,,これからはちゃんと応援するから!」
「ううん、私こそ逃げちゃってごめん。」
「ううんいいよ、家族が死んじゃったんだもん責めすぎたよ」
「これで仲直り?」
「うん!」
よかった,,,あれ?さっきも疑問に思ってたけど3年生に彼氏居なかったっけ?
「ねえ萌奈って3年生に彼氏居なかったっけ?」
ピタッ杏の動きが止まった。
「なんでしってんの?」
「だって二人で手繋いで帰ってたよね?つい昨日だったっけ?」
「あれは,,,さ王様ゲームの罰ゲームだよ」
「?,,,そうなんだ。びっくりしたよ彼氏いるのに海斗先輩のこと好きなのかと思った(笑)」
「なっなわけないじゃん」
萌奈さーん笑顔がひきつってますよー。すこし疑心暗鬼になっているとちょうどいいタイミングで噂の先輩が,,,
「萌奈いる?」
「せっ先輩!なんでいるんですか?」
萌奈が駆け寄る
「いや、今日帰れるかなーっておもって」
するとこの発言にクラスの男子たちが湧いて
「もしかして付き合ってるとか!?」
「よっ!バカップル!」
なんてはやしたてるから先輩は思わず
「うん、付き合ってるよ。それがどうかしたの?」
あちゃー萌奈さんどんまいですわ
「萌奈?やっぱ彼氏だったんだよね,,,?」
「,,,ごめんなさい」
「ん?どしたの?あっ付き合ってること秘密にしてた?」
「はい」
「まじ?萌奈,,,言ってよ」
「ごめんなさい」
「てかさ萌奈,,,なんで彼氏いるのに海斗先輩のこと,,,」
「・・・・・ごめん、話したくないっ,,,!」
「萌奈!」
萌奈は教室を駆け足で出ていった。まるで何かを守り隠すように,,,
「ねえ玲菜ちゃん萌奈が海斗となにがあったか知ってるの?」
「はい,,,」
「萌奈,,,俺と別れたいのかな」
「それはないです!萌奈の家族が離婚してそれと同時に転校して辛い環境のなかで先輩は救世主だったんです。だから,,,だから,,,」
あれ?涙?なんで?涙が見境なしにあふれでてくる。言いたいことはたくさんあるはずなのに言葉にならない。
「うん、玲菜ちゃんありがとう。ひとつひとつゆっくりでいいから教えてくれる?」
コクッ
私は海斗と付き合い始めたこと、萌奈が何かしらの理由で海斗のことが好きだったこと。ひとつひとつちぐはぐな私の話を先輩は優しく聞いてくれた。
「・・・そうか,,,話してくれてありがとう。俺さ萌奈が正直うざくてなんであいつのこと好きになったんだろうって考え始めちゃってさあいつも同じ考えだったんだな。」
否定のしようがなくて黙っていることしかできなかった。すると
「俺、あいつと別れるわ」
「え,,,」
「大丈夫。玲菜ちゃんは関係ないってちゃんと言っとくから」
それだけ言うと先輩はすぐに去っていってしまった。どうしようか悩んでいると後ろから文美が肩をぽんと叩いた。
「大丈夫だよ。私もついてる」
「でも,,,私のせいで二人が別れちゃうの,,,?」
「違う。玲菜のせいじゃない。自分を責めないで。」
文美はそう言ってくれるけどやっぱり責任は感じてしまう。ごめんね杏。そのあと杏から私に距離を置きたいと連絡が来てそれを私は承諾した。暗い気持ちで数日後に学校にくると靴箱になにか紙が入っている。
「なんだろ、」
私は紙の内容を読んで目を見開いた。そこにはキーボード入力されたそこには
(しね)
誰がやったかはすぐにピンときたが、証拠もないためなにも言えない。誰にも相談できずに数日間経過するも状況は相変わらずだった。しかしある日朝学校に行くと紙の間にカッターの刃が挟まっていて指先を切ってしまった。さすがにこれは危ないと思い、海斗に相談しに3年3組に向かった。
「・・・という訳なのどうしたらいいかな?」
「なるほどな、証拠がないってところがつらいけど,,,」
「どうしたらいいかな?証拠を見つけて先生に報告しておくといいかなって思ったんだけど,,,」
「よし!俺に任せとけ!」
それから数日後学校に行って靴箱を見るといつもの悪口が書いてある紙ではなく(ごめん)と書かれた紙が入っていた。もう大丈夫だと思い安心していると海斗が歩み寄ってきて
「おっ?ちゃんと謝ったな」
と、安心していた。
「どうやって里奈と萌奈に謝らせたの?」
「んー?どうやったかって?うーーーーーんとね」
期待を胸にワクワクしながら答えを待っていると
「・・・やっぱ秘密」
「は?なんでさーーーー」
あれだけワクワクしながら待っていたので喪失感がどっと押し寄せてきた。
「ひどい,,,私被害者なんだよ?!」
「まあまあ」
「もう!」
「こらー、いちゃいちゃすんなー」
と、呆れたように鈴木先生がうちらの前に立つと海斗は急にあらたまって
「鈴木先生今回の件ありがとうございました」
と深々と頭を下げたのだ。
「えっ?ちょっと待ってどゆこと?」
「まあこれも秘密だな」
と、意味ありげに笑うものだから私は一人疎外感を感じていた。しかし海斗はふっと笑うと
「ごめんごめん冗談だよ。鈴木先生にあいつらのこと協力してもらってたんだ。」
「 えっ そうだったの? 鈴木先生,,,ありがとうございました。」
鈴木先生はニコッと笑って
「いいのよ 玲菜ちゃんのためなら。それより私も協力してやっとの思いで手に入れたその証拠、先生に提出しないの?」
「そういえば俺も気になってた」
私はびっくりしたが二人は私のことをまじまじと見つめて答えを催促するものだから私はゆっくり一つずつ話していった
「その証拠を先生に提出することで 里奈の人生が狂ってしまうかもしれないでしょう?いくら私にひどいことをしたからといって その人の人生を狂わせるなんて 私にはとても耐えられない。だから,,,」
話終わって私ははっとしたせっかく二人が頑張って手に入れてくれた証拠を先生に提出しないなんて二人はめっちゃ怒るに決まってる 私は急いでは二人に謝ろうとすると海斗が
「あーあ、 せっかく頑張って手に入れた証拠のなのになー」
「 私だって夜遅くまで残業して先生がいなくなってから二人でめっちゃ話し合って計画してやっと手に入れたのよ?」
「うっ,,,ごめんなさい」
一人でしょぼくれていると二人は突然笑い出して
「 ごめん冗談だよ怒るわけないじゃん玲菜がそうしたいんだったら俺はそれに従う」
「 もうこんなことなんてもう絶対にしないんだからね 分かった?」
「はい!」
それから数日後私は先生に 証拠を提出しなかったらため、里奈達に疑惑の目を向けられたが訳を鈴木先生が説明してくれたらしく次の日ちゃんと里奈達と直接はなし仲直りができた。 それから 2ヶ月間ほど 平和な日々が続いた。だが海斗が部活を引退した 9月頃から ある異変があらわれたのだ。それはある日の帰り道のことだった 私たちはいつものように 帰路についていると 前方から長い髪をなびかせたある女の人が走ってきた。私はびっくりして思わず 海斗の腕にしがみついてしまった。なぜなら彼女は 海斗に思いっきり抱きついたのだ。そして上目遣いを駆使し海斗に話しかける。
「 もうなんで会いに来てくれないの私 数ヶ月も待ったのよ それなのに海斗ったら LINE もくれなかったじゃない」
と、その女の人は嘘泣きを始めた。何とも子供らしいが少し愛らしい外見をしており 杏に似ていて 男性にモテそうなそんな雰囲気を持っていた。海斗は目を見開いて彼女をよく見て 何だお前かびっくりさせるな と言った。
「知り合いなの?」
私は動揺を隠しながら 私なりに 冷静に海斗に 聞いた。
「あ、こいつは 2年前に 転校してしまった俺の元クラスメートなんだよ」
彼女は海斗に抱きついていた。(もしかして 元カノとか,,,?) そんなゆうやに失礼な考えを私は止めることができなかった。だって彼女だったら昔の女関係とか気になってしまうでしょ? そんな言い訳を心の中で繰り返していると海斗が
「優香。いいから家に帰れ」
「何で?せっかく海斗に 会えて嬉しかったのに」
優香と呼ばれたその人は海斗を、きっと睨むと私の方を向いた。 「あなた海斗の彼女?」
「はいそうです。」
きっと海斗と同い年だから私からしたら年上の存在だろうと思い敬語 で返事をすると 優香さんはいきなり私を怒鳴りつけた。
「あんたどうやって海斗を誘惑したかは知らないけど この人は私の元カレなのいや、今の彼氏でもあるわね。だからすぐに別れてよね海斗は私の彼氏なのよ」
優香さんはとても美人だったから その顔で怒鳴りつけられるととても迫力があった。まるで小説や漫画のような展開を自分が体験すると思ってなかったので 私は そこにいられなくなり海斗にごめんと短く叫んでから走って 家の中に駆け込んだ。そして私は泣き崩れた。海斗に元カノがいたなんて知らなかったから それに優香って人はとっても美人で私とは比べ物にならなかったもの きっと明日や明後日にでも振られるに決まってる。もしかしたら今日振られてしまうかもしれない 。そんな不安が胸いっぱいに広がりその日は眠れなかった いや、眠りたくなかったのかもしれない。 夢の中に逃げ込みたくなかったから。
次の日 朝学校に行こうとすると家の門の前に海斗が立っていて 私の姿を確認すると 走ってきて ごめんと謝った 。私はなんであやまられたのかは わからなかったが
「どうしたの 昨日のことなら大丈夫だよ 私は海斗のこと信じてるもん♪優香さんって言うんでしょ 海斗の同級生 いいなぁあんな美人。私も美人になりたかったな~」
私は平然を装って海斗と普通に話していた。でも やはり彼氏っていうのは何でどうこうも彼女の気持ちは分かってくれるんだろう。
「大丈夫あいつとはもう何もないから心配するな」
私のことを安心させてくれる。でもその安心はその日のうちに崩れることになったなぜなら彼女は私の学校に 2年ぶりに帰ってくることになったのだ つまり私の学校にもう一度転校してきたということ だがそれはたった2ヶ月間だけらしい何でも親の仕事の都合らしいが2ヶ月というのはとっても長いもので 1ヶ月が経っただけで海斗と二人きりで過ごせる時間はとっても少なかったいや、なかったと思う。私はそんな私を見かねてかゆうやは遊園地に行こうと誘ってくれた
「 でも受験が数ヶ月後に控えてるというのにそんなことしてていいの?」
と、聞いてみると海斗は笑顔で
「自分の受験のより彼女の事の方が大切に決まってんだろ それに優香のおかげで二人で過ごせる時間も少なくて俺も苦労したんだからな 」
「優香さんと過ごせて楽しかったんじゃないの?」
私はどうしても素直になれずすねた口調になってしまうが海斗は
「 なわけないだろ俺さあいつの束縛が嫌で別れたんだ あいつまだ俺の彼女とか言ってるけど俺は今の彼女はお前だけだ」
そんな嬉しいセリフを言ってくれているのに私は心の底から海斗を信じられなかった。それがとっても申し訳なくて私は 無理やり作った笑顔海斗に向け ちょっとトイレ行ってくるねと逃げた。本当は逃げないでちゃんと向き合って裕也を信じれないといけないのに 私はどうしてもどうしても優香さんのことが胸につっかかって離れなかった。
「もう,,,どうしたらいいの」
そんな泣きはらした顔で海斗のところに戻ると海斗はうつむいてごめんと苦しそうに言った。
「なんでなんでゆうやが謝るの?私が海斗を信じられなかったことが悪いのに何で海斗が謝るの?優香さんのことは私頑張るからさ、ね、謝らないでよ。お願い,,,はなれないで,,,私から離れないで 私さもうお家みたいに家族みたいに もう私の周りから人が離れていくのは嫌なの!!!! お願いだから!!!! 謝らないで,,, ごめんね,,, こんな彼女で,,,ごめんね ごめん」
私は消えそうな声で泣きながら言いたかったことを全て伝えた。海斗は私のことをギュッと強く抱きしめて
「ありがとうお前の話をお前の気持ちを ちゃんと話してくれて めっちゃ嬉しいよ」
その日は海斗と二人っきりで観覧車に乗って 自分の本音を話し合った。そして優香さんのことはもう私の胸に引っかからなかった。私の心の中で砂のように崩れていく優香さんの存在 は 今やとても清々しい気分にしてくれる 材料にすぎなかった 材料と言ってしまったことは悪いが私の中でそれほど優香さんの存在は気にならなくなっていた。
その次の日二人で登校していると後ろから優香さんが走ってきて、
「おっはよ♪か・い・と」
語尾にハートがつきそうなぐらいとびっきり甘い声音で海斗の背中に抱きついてきた。少し前だったらすぐにその場から逃げ出していただろうが今や私の心のなかに優香さんはいなかったので気にならなかった。なのでそこ様子をにこにこしながら見ていると気味悪がった優香さんが
「なに笑ってみてんの?...あー、もしかしてうちらがお似合いとか思ってる?」
「はい、外見だけ見たらお似合いだと思います。でも海斗の彼女は私なんでそこんところお願いします。」
冷静に対処できたよね,,,?一方の優香さんは鬼のような形相でぷるぷると震えていた。
「さき学校行ってるから」
吐き捨てるように言って優香さんは行ってしまった。
「いいの?」
「おう」
気持ち悪いぐらい爽やかな笑顔でにかっと笑う海斗の顔は絶対忘れないと心に誓った。その後海斗はすぐに受験の日を迎えた。その朝朝が苦手な海斗もいつもより少し早い時間に家でるようで6時前にLINEがきてその音で目が覚めたほどだ。
(よっ受験行ってくるわ)
(うん、いってらっしゃい‼落ち着いて頑張ってね😁)
(おう、ありがと)
その日は一日中海斗のことで頭がいっぱいだったので帰ってすぐに海斗に連絡し、解答速報の結果を聞くと
(大丈夫だよ。俺も頭がそんなに悪いって訳じゃねーしな)
(え?まじ?)
(失礼だなww)
よかった,,,なんとか出来たみたいだな,,,。そんなことを一人で思い、安心していると
(受験も終わったしどっか遊びに行こ?)
(行く)
返信に2秒もかからなかった。
(おお、即答だなww)
(もちのろん!)
(どこがいい?)
うーん受験が終わったばかりの3月はどこがいいだろうか,,,。悩んだ末
(海斗の家行きたい)
(...まじで言ってる?)
LINEを送ったあとで後悔した。めっちゃ恥ずかしいこと言っちゃったやーん・・・
(今のなし!うん、ごめんね)
(いや、いいよいつも玲菜の家ばっかりだし,,,)
(ほんとに?!)
(うん)
まじか,,,OKしちゃうんだ,,,。
(じゃあ明日は空いてる?)
(うん、9時に行くね、おやすみ)
(おうおやすみ)
やばくない?進展ありすぎだよ?まじめに,,,そんなこんなで今、海斗の家の前にいます。
「ふぅ~」
深呼吸してからチャイムを鳴らす。
家の中からバタバタと音がしたかと思うとドアが開いた。そこにはラフな格好をした海斗が立っていて普段学校で見る制服やジャージの格好とまた違って海斗がイケメンに見えた。 なんかこういう の新鮮だね そう言って苦笑いする海斗の顔は少し緊張の色が見えた 海斗の部屋に向かうと 部屋は黒と白のモノトーンで統一されていてとても清潔感のある部屋だった ちょっ と適当なところに座っててとかいとは席を外したが 男の人の部屋に来たのは初めてでどこにすればいいのかわから ずそこに立ち尽くしていた めっちゃ緊張してんじゃん 戻ってきたカイトにそう言われ改めて自分がカイトと同じぐらい緊張していることに気づいた
「俺の部屋に二人きりですが」
改まったカイトの態度に私も緊張が走った。
「 なあ玲奈 何 お前って何俺と付き合ってくれたの?」
「どしたの?急に」
「ちょっと気になってさ」
「 ,,,みゆちゃんと付き合い始めてから 私ずっと海斗のこと好きだったのに海斗私のことストーカー呼ばわりしてひどい態度 をとったでしょ?それに関してはすごく腹が立ったけどやっぱり海斗の事見てると昔のこと思い出してどうしても海斗のことを忘れることができなかった。だからずっと諦められなくてそれでみゆちゃんからの相談を受けてしかもみゆちゃんに私との付き合ってること言ってないからただただ嫌味にしか聞こえなくてそんな関係がずっと続いたからすごい苦しかったけど 別れてからずっと私海斗のこと見てたら,,,かな,,,?」
「なんかめっちゃ一途じゃん,,,」
「そうだよ!!私はめっちゃ一途なの!」
「なんか,,,すんません,,,てか、座んねーの?」
「え,,,?あ、男の人の部屋って初めてで,,,」
「ん、」
海斗は両手を広げて手でこっちにこいと手招きしている。うつむきがちな海斗の顔は少し赤くてそんな様子を見ていると胸が甘く締め付けられる。
私は勢いよくと海斗の胸に飛び込んだ。
「おっ!?」
勢いがよすぎたのか海斗は後ろに転がってしまった。
「わっ!」
「びっくりし,,,た」
顔をあげると数センチ先に海斗の顔があって硬直する。顔に熱が集まってくるのがわかる。
「あー、えっとごめん、おもいでしょ?」
なんとか気まずい雰囲気を抜け出そうと笑ってごまかし、起きあがろうとすると腕を引っ張られて気づけば海斗の腕のなかにいた。
「ごめん、もうちょっとこのままでいさせて?」
「う...ん」
「ほんとに大好き、もう言葉では表しきれないわ」
「そういうのをね...」
「ん?」
「なんでもない」
この時海斗に聞こえない小さな声で「愛してるっていうんだよ」だなんて恥ずかしいことを言ってしまった私は海斗に聞こえていなかったことをただ願っていた。
「なあなあ俺がいなくなったら悲しい?」
「え?...そりゃ悲しくなくはないけど」
「留年すればよかった」
「は?!」
「いや、怒るなよ」
私は海斗がそんなこと言うものだから思わず声をあらげて軽く殴ってしまった。
「ごめん、でも冗談でもそんなこと言うのはよくないって~」
「冗談じゃない、お前と一緒にいる時間が短くなるのは耐えられないんだよ」
ドキッ冗談でも真剣な顔でそんなことを言われたらそうなのかなーなんて思ってしまう。
その後は二人で話していたがとにかく眠い。好きな人と居ると安心して眠たくなると聞いたことがあるがそんなことほんとうにあるのだろうか、そんな疑問を抱いていると海斗が水をとってくるといって部屋から出ていく。その後ろ姿を見ながら愛しさを胸に眠りに落ちていった。目が覚めると目の前に海斗の端整な顔があり思わず身を引くと
ドンッ
「ッッ~~!!!!」
後ろの壁にぶつかってしまいなんとか痛みをこらえる。
「んんっ,,,」
海斗のくぐもった声と共に海斗の目が覚める。
「あ、起きた、」
「ごめん、寝ちゃった...」
「んーん疲れてたんだろ?もうちょっと寝ててもいいよ?」
「いや、海斗との幸せな時間を1分1秒たりとも逃したくないから」「かわいすぎ...」
「っ!!...目大丈夫...?」
「はあ?」
嬉しかったけど素直に嬉しさを伝えられない私はかわいくない言い方をしてしまう。でもそんな私でもキスを落としてくれる彼はもしかしたら本当に頭がおかしいのかもしれない。言葉にならない幸せに包まれながらとびっきり甘い時間を過ごした。
「もう帰らないと...」
「そか...」
「送ってくれる?」
「当たり前」
家の前まで来ると彼は切なそうに顔を歪ませながらも無理矢理作った笑顔を私に向けながら別れの挨拶を口にする。そんな姿を見たら帰れないじゃん?
「帰りたくない...もうちょっと...だめ?」
「...っ!だめだよそんな顔でそんなこと言ったら」
「なんで?」
「いや、なんでもない。じゃあ電話しよ」
「帰ったら?」
「いや?今から」
海斗はスマホを耳にあてながら私に言う。
「もっもしもし?」
「ふっ、こんなに近くにいるのに変な感じだな?」
「ほんとだ...じゃあ...ね」
「そんなに悲しそうな顔すんな電話してんだろ?」
「うん!」
「よし、じゃあな」
「うん...」
私は海斗の後ろ姿を見つめながらその姿が見えなくなるまでずっと眺めていた。
「玲菜?どした?」
海斗の姿が見えなくなってすぐに海斗の声がスマホ越しに聞こえてきてハッとする
「あっなんでもない、今から家にはいるからちょっと待ってね」
「おう」
家に入り荷物をおいて手を洗い急いで海斗の顔が写っているスマホを見つめながらまた幸せな感情に包まれる。
「終わった?」
「うん、あとちょっとしたら夕飯の準備するから出来なくなるんだけど...」
「いや、台所にスマホ置いて?料理中の玲菜のこと見たい」
「え...いやー」
「だめ?」
うっ...可愛い...。
「...いいよ」
「じゃあ早速玲菜の料理中継始めましょう!!!!」
「はっはーい」
私は半ば強引に台所に立たされ料理してその様子をスマホ越しに彼氏に見られているという変な状況のなか今朝のおかずのあまりを使いチャーハンを作っていた。
「なに作ってるんですかー?」
すっかりリポーター気分の海斗はまるで現場中継のようにリポートをつづけチャーハンが、完成した。
「やっぱすげえな玲奈」
「 そんなことないよ海斗の方がよっぽどすごいよ」
「なんでだよお前の方が料理もできるし頭もいいし人からの信頼も沢山集めてる」
「 俺なんかとは天と地の差だよ、よくこんな俺と付き合ってくれたよな本当にありがとう」
「なによ、急に改まって...いいの私はあなたが好きなんだよただ単純に」
「電話でこんなことを聞けるだなんてな~たまにはいいもんだな」
「ほんとね、電話だと直接じゃないからなんでも話せちゃいそう」
「ほんとか?じゃあ色々聞いちゃおっかな~」
「あっやっぱ今のなし」
「えー」
「内容によっては答えてあげないこともないけど...」
チャーハンを頬張りながら画面のなかにいる海斗をチラ見する。
意外と真剣な顔で聞くことを考えてる海斗を見ながら最後の一口を口に運ぶ。
「よし!決めた!」
「お?なにかな~?」
「俺の好きなところは?」
「は?」
「答えてくれよー」
「え...いや...う~ん............一緒にいて楽しくて、話をしてもしてなくても気まずくなんなくて、側にいて安心できるから...かな?」
「うん...うん...ありがとな...」
顔を真っ赤にしてうつむいている海斗は私の心を鷲掴みにする。
「ね...ねえ!私のコトは?どこが好き?」
「えっ?俺?」
「うん!私は言ったもん」
「そーだよな...うん...玲菜は優しくて、気遣いができて、周りをいつも気にしてて、可愛くて、頑張りやさんなところ」
そんなこと思っててくれたんだ...すごい嬉しい!!!!
そのまま私は就寝するまで海斗と電話をしていた。

翌日

今日は海斗の合格発表の日。
「大丈夫かなぁ」
私は校門の前で海斗を海斗のお母さんと待っていた。
お母さんは可愛らしい人で突然彼女を紹介されたというのに笑顔で迎えてくれた。
「遅いですね...。大丈夫かな?」
「う~ん人が多いからねー」
「ちょっと探しに行ってきます」
「大丈夫?玲奈ちゃんまで迷子にならない?」
「大丈夫です!」
「じゃあ、お願いね?」
私は方向感覚には自信があったので人混みを掻き分け海斗を探す。
「あ!いたー」
人混みの中から海斗を見つけ、駆け寄る。
「あれ?玲奈?なんでここに?」
「遅いから迎えに来たの!どうだった?」
「まだ見れてない...ちょっと怖くって...」
可愛い海斗に惚れ直しながら掲示板の方に目線を向ける。
「915...915...915……あった!」
「え、うそ!どこ?」
海斗よりも先に番号を見つけた私は掲示板を指差す。
そこには確かに915と書かれていた。
「...た...」
「え?」
「やったぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
「うわぁぁ!」
急に叫んだと思ったら海斗は私を持ち上げいわゆる高い高いをした。周りの視線が痛い...。でもそれ以上に合格したことが嬉しくて恥ずかしさなんてすぐにどこかへ行ってしまった。
それから海斗のお母さんに合格の報告をし、その日は別れた。


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