コメディ・ライト小説(新)
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- アメのち蒼色 [短編]
- 日時: 2020/01/23 20:25
- 名前: 餅果 (ID: D.48ZWS.)
初めまして、餅果と申します!
文才は…ほぼ少ないと言える程度ですが、どうぞよろしくお願いいたします!
[補足!]
・私の理想とかいろいろ詰め込みすぎて崩壊することも!そこのとこはお許しくださいませ
・週1で更新目指します。毎話事、短いですが!
・荒らしはご勘弁を!
スレ作成日 1月15日
episode 1 「文化祭と慢心」 >>01 episode2「スーパーアクター」 >>02 episode3「無血革命」 >>03
- Re: アメのち蒼色 ( No.1 )
- 日時: 2020/01/19 19:47
- 名前: 餅果 (ID: D.48ZWS.)
episode1 文化祭と慢心
____文化祭。
1年に1度、高校の中で盛大な祭りが開かれる。
辺りには揺れる旗、男子部員の掛け声、女子部員の黄色い声…それが一斉に重なって盛り上がりを紡ぐ。強いて言えば…出会いの場でもある。
「そう言えば部長、今年の科学部の出し物何か検討していますか?」
「…出し物かぁ。まぁ、なんとなく検討してるかな。それとなくだけど。」
「部長、なんとなくとそれとなくってほとんど同じ意味ですよ?」
『日向井高校』の2階、科学部の部室の中で副部長の『新木 沙穂』と部長の『桜田 美秋』の会話がこだましていた。
もう成熟した春。
桜は全て萎んで散り、若葉の匂いを奏でている。そして部活動後の片付け。下の校庭には、運動部員が散らばっていた。
「で、部長は何を考えたんですか?」
沙穂がビーカーを濯ぎながら、美秋の方向へ30°顔を向ける。
シンクから飛び散った水滴も『風情』と言うのか、変に光っていた。
「私は一応考えたんだけど…やっぱり去年とは違って『屋台』とかいいかなって。」
いつでも笑顔を絶やさない美秋が、沙穂に向かって柔んだ笑顔を。
放課後の夕焼けが差して少し素敵な笑顔にも…見える。
「あー、屋台ですか…。この前実験でやったカルメ焼きとか、アイスクリームとか…。」
「そうそう。あれ結構人気だったし…地域の人にも科学に触れてもらえるかなって思ってさ
ちょっと新境地っぽいけど…ね。」
照れ笑いなのか、いつもの笑顔なのか分からない微笑みをかます。
「さすが、部長。」そう思ったのか次第に沙穂にも笑顔が整って行った。
そして、5時。
最終下校時刻まで10分。夕暮れの空気が流れて、耳に触る。
「…じゃあそろそろ、最終下校時刻なので帰りますね、部長。」
「あ、そっか。じゃあ私はまだ残るけどまた明日。」
部室から沙穂が去る。
そして気配も見えなくなると、美秋はため息を机に置いた。
「…やっぱり、沙穂さんは信じてくれて良かった。…怪しまれると思ったけど。まぁ、食べ物に睡眠剤を入れて食べた生徒を実験に利用しよう…なんて思った事口が裂けても言えないわ
…まぁ、コストがかかり過ぎて実行できないからやるつもりは無いけど。」
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☆今回は『科学部』をテーマに描いてみました!最後がめっちゃブラックになってしまったんですが…ちなみに『カルメ焼き』は食べた事はないです(笑)
- Re: アメのち蒼色 ( No.2 )
- 日時: 2020/01/20 19:20
- 名前: 餅果 (ID: D.48ZWS.)
episode 2 スーパーアクター
「ねぇ…もう…我慢できないよ、私…。あなたに、裏切…られてっ。辛いよぉ…。」
「カットー!はい、オッケー!瑠璃奈、位置少しずらしてー。あと小道具用意!休憩入るよー。」
演劇部の舞台で、演技が舞う。
これぞ青春!と胸を張って言える事だ。
「瑠璃奈おつー!なっかなかの演技じゃん。」
「へへっ、リサだって相手役上手いよ!と言うかすぐ台本暗記しちゃってさあー。」
「そりゃ、暗記すんのにめっちゃ苦労したさぁー!ベットでゴロゴロしながら見てたら足つっちゃて。いろいろアクシデントも多いし?」
演劇部の名物、幼い頃から抜群のコンビ『ルリ・リサ』。
感情移入演技はピカイチ『森下 瑠璃奈』とテキパキとした演技が持ち味の『桑江 リサ』
「2人が合体すれば最強なのに〜」とも言われる最強タッグだ。
「お疲れ、リサ・瑠璃奈。下から見てたけど最高だったぞ、お前らの演技。」
「遥斗サンキュー!でも、1年なのに総監督務めるのも凄いわよ。」
「まぁな、先輩から『恐怖の幼馴染達』って言われたもんだし。」
…その恐怖の幼馴染達のメンバー(?)の一員、『大塚 遥斗』がお茶を差し出す。
彼は1年生という若さから総監督を任せられたいわばスーパースターである。
まぁ、『恐怖の幼馴染達』と言われるのにも納得が行く。
「あ、そう言えば遥斗と瑠璃奈ってさーどうしてこの道目指したの?」
「えっ、演劇の道?そうだな…俺は、子供の時に見たアニメに感化されただとかないとか…いやまぁ!今俺が監督を目指すことには変わりないからな!で、瑠璃奈は?」
遥斗が質問を瑠璃奈に振る。
すると彼女は、思ったより軽く口を開いた。
「理由?そんなの男子にイチャイチャされたいからに決まってるじゃない!ほら、
『ヒロイン』という名の化けの皮をかぶれるし?と言うか、将来私は女優になってたっくさんの男性ファンにチヤホヤされてぇ。そしてしまいには人気俳優との結婚…あぁ…夢が膨らむわ〜。」
「お、おう。そうか…。」
この日リサと遥斗は、彼女(瑠璃奈)はどこか『メンヘラ』な部分があると一生心に刻むことになった…。
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☆今回は『演劇部』をテーマにして描いてみました!…どうしてこんなにも結末がブラックになってしまうのか…。
- Re: アメのち蒼色 [短編] ( No.3 )
- 日時: 2020/01/23 17:41
- 名前: 餅果 (ID: D.48ZWS.)
episode3 無血革命
「やっぱり我々は“無血革命”で進めた方が。」
「そうか?我々の計画に犠牲は仕方ないだろう。」
「だが…この計画は殺すものではない。無謀な奴らを支配するのだろう?」
「まぁ。それはそうだな。」
「我々を追い込んだのはアイツら…。」
「だが、気になる。」
「なんだ?」
「我々の計画は完璧なはずだが。」
「さっきから…“無血革命”って言っているが、何故血なのだ?
我々ロボットには血なんてないはずだが…。」
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☆今回は『無血革命』をテーマにしました!登場人物達がロボット…。なんかヤバすぎる
(自分で言うことではないけど)
- Re: アメのち蒼色 [短編] ( No.4 )
- 日時: 2020/01/23 20:18
- 名前: 餅果 (ID: D.48ZWS.)
episode4 インフルの寝床
「…はぁ、はぁ…。また夢か…。めっちゃ汗かいてるし…。」
私は、白い天井を見つめる。
その横につたったのは透明な汗だった。
ついてないな…私。まだ2月の盛りで、レポートも書かなきゃなのに。
引き潮のように悪寒がくすぐる背中で、なんでかウイルスが踊っている。まるで、呼吸するみたいに熱が蠢いて体が硬直して…震える。
そして気晴らしに、外を見ようと体を起こすとクラッ と血行が滞って頭に響いた。
…やっぱり健康ってどんなに大切か。それを強く強く私は叩き込まれたのだ。今。
辺りは少し雪が積もっていて、首都暮らしの私にとっては珍しい体験である。
外から響いてくる子供の声をベットを通して聴くことで昔々の童心が蘇ってくるものだ。
…そして、お決まりの薬。
抗生物質なんて苦いそのもの。よく子供の時に「苦い苦い」と言っていたら母が痺れを切らしたなんて…もはや日常茶飯事だったな…。
昔の思い出をしみじみ思い出すと、薬の時間。カチッと時計の針が見え張っていた。
はぁ…。まったく、しょうがない。どうやら起きないといけないのか…。
私は諦めを打つと、言うことを聞かない体を力ずくでエイヤッと起こす。
そしてコイツが待っていた。一生の仇でもある奴を舐めるように飲み込んだ。
「…それにしても、病気になるって暇だわ。とりあえず、漫画でも読もうっかな…。」
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「本当にいいのですか?」
「…ええ。覚悟は決めています。」
真っ白でなんと取り柄もない部屋に声がこだまする。
「やっぱりあの子には笑顔で最後を迎えてもらいたい…。だって、いつでもめげない子だから。こんな大事な時期にこんなこと伝えたら、きっとどうしようもなくなりますもの…。」
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☆今回はこの時期怖い『インフルエンザ』をテーマにしました!
まさかの主人公はインフルエンザではなく不治の病に侵されていたとは…!
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