コメディ・ライト小説(新)

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かくりよ生活計画書!
日時: 2020/01/16 19:51
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

古里水月は人間の少女、成人を1年後に控える少女だ。

そんな彼女は過去に辛い虐めに遭っていた。そこから救ってくれた

のは妖怪だと名乗る人物だ。今では明るい自分でいられる。

そんな彼女に人生の転機が訪れる。桜並木の先にある鳥居を潜ると

そこは妖怪たちが住まう世界かくりよ。そこで自身が鬼神の許嫁と

なっていることを知り、それを帳消しするため彼の条件を呑む。

老舗旅館、天津風を管理する西の都の長という立場で動き回る。

Re: かくりよ生活計画書! ( No.1 )
日時: 2020/01/16 20:23
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

かくりよ生活の幕開けである。


1年後に控える成人式。学生時代、小学校の友だちはほとんどいなかった。

運動も苦手で運動会や持久走は地獄だった。それを理由に茶化す周りの

ことをいつも母親に話し慰めてもらっていた。しかし小学校卒業後は

他とは違う中学校で上手く行き友だちが出来た。随分と酷い目に遭ったが

それとはおさらばだ。話は変わるが水月という名前は水月観音という菩薩の

名前からとった。とても縁起がいい名前だと考えたらしい。

今日、水月の人生に第二の転機が訪れた。そこには見覚えのない

桜並木が続いていた。周りは見えていないようで彼女だけがわかる。

慎重な彼女は辺りを見回してからゆっくりと歩いて進む。

古さびた鳥居を潜るとぶわっと花弁が視界を埋め尽くした。


気が付けばそこは自分がいた場所とはかけ離れた街。戻ろうとするも

そこは大きな湖になっていた。

「君は戻ることは出来ない。ここはもうかくりよだ。君がいた場所とは

違う妖怪が住まう場所」

振り向くといつの間にかそこには黒髪の若い男が立っていた。彼には

二本の角が生えている。その特徴な正しく鬼だが彼からは気迫や圧を

感じない、優男だ。

「俺は鬼神、刹那という。君は古里水月だろう?俺は君を幼いころから

知っている。君は約束通り、ここへやってきて俺の嫁になる」

「ちょっと待って!鬼神は兎も角、最後の言葉は聞き捨てならないよ!!

しっかり説明してくれないと…」

反論する水月を刹那は見つめていた。初対面に向けて強気で出過ぎたか?

水月は反省する。

「時が来たらしっかり話す。でも約束は約束だ。君は人との約束を

破ったりはしないだろう?俺は君の苦しみも痛みも全て理解している。

君に頼みがある。…ここ、かくりよの西の地の長をしてくれないか?」

つまりはリーダー、上に立つ人物となれ。

「そんな…私、できればそういうのにはなりたくないわ。大きな責任を

背負う覚悟は出来て無い」

「一人でなれとは言ってないだろう?確かに仕事もしてもらうつもりだが

俺も手伝うからさ、働き次第では約束の事も考えてあげよう。悪い話じゃ

無いだろう?君は頭も悪くない、君になら任せられる」

ここまで言われるのは初めてだった。押しつけじゃない。いやだから

押し付けているわけではないようだ。自分に寄り添い支えてやると

語っている。心の底から。それは目を見れば分かる、自分の事を本気で

思っているということも…。

「分かった。私なりに頑張ってみる」

「よかった。町と同時に旅館、天津風も管理してもらうから」

Re: かくりよ生活計画書! ( No.2 )
日時: 2020/01/16 21:09
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

かくりよ生活一日目


天津風で働く妖怪たちの水月に対する態度は様々だった。水月はそれなりに

妖怪を知っている。というのも学生時代の自由研究で妖怪について

調べていたからだ。

「もし、人間の子。これから仲良くしてくださいね」

声を掛けてきたのは桃色の髪をした男。とても柔らかい笑みを浮かべている。

「こちらこそ」

「あ、そうですよね。私はまだ自己紹介してませんでしたね。私は

さとり妖怪の悟と申します。貴方は水月さんでしょう?素敵な名前ですね」

「え?なんで私の名前…あ!そ、そっか」

さとりは人の心を読むことを出来る。悟も人の心を読むことが

できるのだ。こちらが自己紹介しなくても既にお見通しだ。

「彼は番頭、ここの受付で客の相手をしているんだ」

「なるほど。向いてるかも、だって心が分かれば話がスムーズに

進むし話しやすいかも」

「そんな風に言っていただけるとは光栄です」

「こらぁ!!悟様にどんな口の利き方してんのよ~!」

水色の髪をした女性が声を上げた。この容姿からして彼女は雪女だ。

予想通りだった。彼女は薫子と名乗る。

「若女将さん、大丈夫ですよ。私が自分で話しかけたのですから。

怖がらせないで上げてくださいな」

「そ、そうでしたの?ま、まぁここは悟様に免じて許してあげるわ!

おーほっほっほ!」

高笑いしているところで刹那が咳払いする。薫子は動きを止める。

「彼女はこれから長として働いてもらうことになった。みんな、彼女を

可能な限り手助けするように」


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