コメディ・ライト小説(新)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

紡がれる音。
日時: 2020/02/28 16:11
名前: のんたん* (ID: ZqHgmXF/)



心を震わすような音。心が震えるような音。


【あらすじ】

先生からの一言が胸に深く刺さり、ピアノを弾くことを止めた私。
ある放課後、遠くから聞こえてきたピアノの音が気になった私は、駅前のストリートピアノが置かれている場所に辿り着く。
そこでピアノを弾く少年と出会って――。

ピアノが音を紡ぎ、人を繋ぐ。

これは弾くことを止めてしまった少女と、ピアノを愛する少年の物語。

初めまして、のんたん*と言います。
昨年の5月半ばで活動休止(別の名前で)していましたが、少しずつ作品を更新していこうと思っています。
まだ完成途中なので、更新が停止する可能性もあります。ご了承下さい。

Re: 紡がれる音。 ( No.1 )
日時: 2020/03/20 15:46
名前: のんたん* (ID: ZqHgmXF/)


この作品は「浅霧千結」の名義で「エブリスタ」という小説投稿サイトにも投稿しています。


episode0.はじまり

 「これが君の全力、か?」

 凍えるような空気が、私と先生の間に漂う。一瞬で周囲の気温が下がってしまったようだ。
 私は目の前にあるピアノを、黙って見つめていた。何を言われるだろうか。緊張で口の中がパサパサだ。水が飲みたい。

 「期待外れ、だったな……いや」

 ため息混じりの声が私の耳を掠める。
 頭をハンマーで思い切り殴られたようだ。
 目の前が真っ白になりながらも、何とか意識を保つために、力強く拳を握り締めた。

 「期待した私がバカだった、ということか」

 今までで、一番心に深く刺さった。
 これまで何度も、先生からは辛辣な言葉を投げかけられたが、今の言葉以上に鋭くトゲのある台詞セリフはあっただろうか。
 グランドピアノに反射した先生の顔は、眉間にシワを寄せ、険しい表情をしていた。

 ――私のピアノ、何か間違えてたのかな。

 私は恥ずかしさのあまり顔を伏せる。瞳から大粒の涙がボロボロと溢れ出した。

 「残念だ。君の音からは何も感じられない」

 「今日はもう終わりだ」と言葉を捨てて先生は去っていく。まだ終了の時刻ではないが、私は少しだけホッとした。
 涙で視界が滲んだまま、私は帰る仕度を進める。途中何度も先生の言葉を思い出し、息が詰まって苦しくなった。
 レッスン室を出た後、私は目元と鼻を真っ赤に染めたまま、コンビニに立ち寄った。
 そして私はその日、

 ――コンビニのゴミ箱に、楽譜を捨てた。


Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。